2011年06月23日

フィンスタニス統治記  夢の楽士と炎の精霊

フィンスタニス統治記 夢の楽士と炎の精霊 (B’s‐LOG文庫) [文庫] / くりたかのこ ...
フィンスタニス統治記 夢の楽士と炎の精霊 (B’s‐LOG文庫) [文庫] / くりたかのこ (著); 山下 ナナオ (イラスト); エンターブレイン (刊) bk1はこちら

放蕩者の父親から金目当てで親子ほども年の離れた男との結婚を押し付けられそうになった伯爵令嬢・ルノアリア。その結婚から逃れるべく出された交換条件に乗って、彼女は父親が王から預けられたいわくつきの領地フィンスタニスを父に代わり一年間治めることとなった。到着早々の魔物の出現に怯えるルノアリアだったが、そんな彼女を助けてくれたのは美形の魔法使いで――という感じのお話。

はぁー。すっごい面白かった! 特にルノアリアのキャラがすごくいいんですよ。嫌で嫌で仕方ない結婚から逃れるためとはいえ、たった二人しか供もいない状態で次々と代官が逃げ出すといういわくつきの領地を治めることになったと言えば、それがどれほど心細いことかはすぐに知れようというもの。それでも供の二人やクレイルたちに助けられつつ、尊敬してやまない母のように立派な領主となろうと頑張る姿。これはグッときますね。そしてテンパリかけた時に虚勢とともに発動する、「ロワの女王」とまで呼ばれた母をリスペクトした高飛車な態度が、これがめちゃくちゃハマってるんですよね。笑わせてもらいました。けど、ただ可笑しいだけじゃなくて、自棄になりかけの虚勢に過ぎないはずのその言動が不思議とフィンスタニスの人々の心つかんだりこじれかけた事態を好転させてくれることに繋がるんだから面白い。普段の生真面目な物腰よりもずっと様になってる。しかもその虚勢が最後には真に領主としての威風を纏いだすのだからたまらない。ハッタリを利かせつつもフィンスタニスの地を愛し民を愛し、なによりそれらの上に立つ領主としての自らを誇り滔々と語る姿から漂うはその地に根差す女王の風格。痺れた。痺れた。「ロワの女王」たる母に似るも幾分か至らない娘として「小さな女王」なんて呼ばれてるけど、あの瞬間の彼女は確かに母に劣らぬ風格を備えていたと言えるでしょう。
ここまで立派に領主らしい気構えを持ったキャラって久々にお目にかかりましたね。というかもしかしてラノベでは初めてかも…? うんうん、期待大のシリーズになりそうです。

それ以外のキャラとしては、登場シーンは少ないくせに兄のリュシアンが存在感ありますよね。特にルノアリアと視線を交わすだけでねちねちといやみを飛ばし合ってたシーンとかその後のなんやかやのおかげで、ただの遊び人的なイメージだったのがその気になれば立派な貴公子ぶりじゃないかよという好印象だけ残して颯爽と去っていくのがいかにもキザったらしくはありますよね。けど妹思いなのが透けて見えるから憎みきれないという。それを言葉に出さないところなんかはまたいかにもキザな兄貴なんですけどね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 06:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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