2011年05月23日

鉄球王エミリー  鉄球姫エミリー 第五幕

鉄球王エミリー 鉄球姫エミリー第五幕 (鉄球姫エミリーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫...
鉄球王エミリー 鉄球姫エミリー第五幕 (鉄球姫エミリーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫) [文庫] / 八薙 玉造 (著); 瀬之本 久史 (イラスト); 集英社 (刊) bk1はこちら

シリーズ第5巻。一度はヴィルヘルミーネ率いる暴竜騎士団を退けることに成功したエミリーたちだったが、なおも王国最後の砦である河岸要塞の攻囲を続けるヴィルヘルミーネ本軍。国王不在の混乱が続く中エミリーは覚悟固め、滅亡の危機を乗り越えるべく、グレンたちとともに必ず生きて帰ると約束し決戦の地に向かう――という感じのお話。シリーズ完結巻。

めちゃくちゃ熱い展開だった。前巻ラストの盛り上がりもすごかったけど、この巻はさらに迫力があった。全編クライマックスだったって言えるほどの勢い。最初から最後までテンション上がりっぱなしでやばかったです。まずもう最初のカラーページからしてエミリーとヴィルヘルミーネの対峙シーンとかやばい。互いに傲岸に見下し合ってる表情がもうたまりませんでした。とにかくすごく面白かった。

もうね、ひたすらエミリーが熱いんですわ。もともと可愛らしさなんてほとんどないキャラではありましたが、少年マンガかと見紛うほどに見事な熱血キャラと化している。王位を継ぐことを諸侯に認めさせたあの会議なんて圧倒されるばかりの気迫だった。言ってることはむちゃくちゃな理屈だったけど、正当な反対さえ封じ込めてしまうあの威圧感、この人ならばこそ混乱するラゲーネン王国をまとめ上げてくれるだろうと理屈抜きで信じ込ませてくれるオーラ。あれこそ王者の威風というものでしょうか。あれぞ覚悟を決めた鉄球姫の真骨頂というやつでしょうね。これまで何度も大切な人たちを失い自分の力不足を痛感させられつつも仲間たちに支えられながらより強くなって立ち上がってきた、苦難と成長の記憶があの場面に凝縮されてますね。そうして鍛え上げられた不屈の精神が生み出す気迫、めちゃくちゃかっこよかった。

そしてエミリーが王となったことでグレンの姫教育も女王教育にランクアップですか……って、変態度までパワーアップしてないですかコレ? グレン、まったくきみって奴は!
まあそれはともかくとして出陣前夜の雰囲気もなかなかのものでしたね。一部雰囲気クラッシャーな奴らもいましたが、彼らもまた彼らでなんやかや抱えてる感情があってもうニヤニヤ。

一番熱かったのはやっぱりヴィルヘルミーネの軍との最終決戦。エミリーらしいはかくな戦法も爽快巻抜群で凄まじかったのですが、それ以上に目を惹かれたのはグレンの人を引き付ける力でしたね。作戦を考えたのはエミリーでしたし、一番の見どころでもあったヴィルヘルミーネとのぶつかり合いも、主役はどう見てもエミリーでしたが、その裏でグレンが地味に皆の心の支えみたいな感じで影響力を発揮しまくってたのが印象に残りました。あのエルネストまでもが負けてられるかって対抗意識張ってたのは滾った。一度戦場に出るたびに凄まじい速度でその経験を吸収してましたからね。すっかり立派な護衛騎士になっちまいやがってからに。そしてエミリーがグレンを「盾」と、任せると、そう告げた瞬間。もう感無量でしたね。お互い信頼し合い支えある主従。最高ですわ。ヴィルヘルミーネとの闘いもまさに主従の勝利でしたし。俺得すぎてやばい。

第四章からエピローグにかけてはいきなり雰囲気変わってるんでそのまま読み進めるとおやっと戸惑ってしまうんですが、穏やかだけどすごく印象に残るラストはすごくよかったです。ああ本当にすごくいいお話だった。幾多の血と涙の上に掴みとった穏やかな日々が、どうか一日でも長く続きますように。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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