![はい、こちら探偵部です (電撃文庫 に 5-1) [文庫] / 似鳥 航一 (著); よし☆ヲ (イラスト); アスキー・メディアワークス (刊) はい、こちら探偵部です (電撃文庫 に 5-1) [文庫] / 似鳥 航一 (著); よし☆ヲ (イラスト); アスキー・メディアワークス (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51i2FnI%2BzWL._SL160_.jpg)
濡れ衣体質であることから校内で起きた事件の濡れ衣を着せられ困っていた山岡迅朗。クラスメートの住職さんこと円城寺佳織から探偵倶楽部の携帯電話探偵のことを聞いた迅朗は、濡れ衣を晴らすべくその人に事件の真相解明を依頼をするのだった――という感じのお話。
あっはっはー。なんだこれ。主人公はじめとして主要な登場人物たちみんな不思議な思考回路というか語り口をしてらっしゃる。あッはッはーなテンションの主人公と、うわっふーなノリの女の子たちと、まあそんな感じの一人称語り。おかげで作品全体がふわふわした文章になってて、一般的なラノベと比べるとはっきりいって変。だけど、こういう変わった文章が好物な私としてはこれはすごく楽しかった。ストーリーそっちのけな勢いでこの一種独特な言葉遣いのなされる時空を楽しんでしまいましたよ、いぇっふー。
ふわふわした印象を産み出してる一番の原因はおそらくひらがな率の高さなんでしょうね。特にセリフ中でその傾向が強い。だから、ある程度以上の人数が加わっての会話になるともうふわふわ時空がとどまることを知らない。第1話ではじんろーと玖梨湖くらいしか出番がないから大人しめなんだけど、第2話になると、そこに住職さんが加わって、アリシアことありしー(逆じゃないかしらこれ)も絡んできて、ふわふわもこもこ絶好調! 読んでるうちにふにゃ〜ってなってきますね。なんという和み空間。もうさいこー。
申し訳程度にストーリーの方にも触れておくと、タイトルに探偵部なんてあるのでミステリーを連想させますが、ミステリーという言葉から受ける印象にはあまりそぐわないですね。あとがきでラブコメ+部活もの+日常系ミステリーなんてありましたが、まあだいたいそんな感じですよね。高校生の部活らしいゆる〜い事件簿的な。お堅いミステリーとはまた少し違うライトノベルミステリー、というのはこういうものなんでしょうか。とにもかくにも、2巻も楽しみです。