2011年04月23日

戦国恋歌 眠れる覇王

戦国恋歌 眠れる覇王 (コバルト文庫) [文庫] / 阿部 暁子 (著); 明治 キメラ (イ...
戦国恋歌 眠れる覇王 (コバルト文庫) [文庫] / 阿部 暁子 (著); 明治 キメラ (イラスト); 集英社 (刊) bk1はこちら
美濃国の姫君・帰蝶。彼女が嫁ぐ相手は、あの織田信長。隣国までその名をはせる“大うつけ”だ。婚礼当日、白無垢姿の帰蝶の前に現れた信長は、噂通り、格好も言動も型破り! しかし、不器用ながらも帰蝶を思いやり、物事を真っ直ぐに見る信長に、いつしか帰蝶は恋心を抱くように…。ところが、信長の周囲では彼を快く思わない一派が、不穏な動きを見せて…? 戦国ラブロマン!!

2010上半期ラノサイ杯の結果を見て気になったので読んでみました。

これはすごくいいラブロマン。史実をもとにした戦国モノだけど、中身はこの上ない少女小説的な恋物語(といっても実際は少女小説なんてほとんど読んだことはないので、私のイメージにおける、という括弧書きが必要ですが)。少女系のレーベルに手を出し始めたのは、こういう話が読みたかったからというのが一番大きな理由だったんですよね。そういう意味で大変満足できる一冊でした。

政略結婚とはいえ互いに愛し合い夫を支えながら暮らしていく日々を夢見ていた帰蝶なのに、相手はがさつで評判通り大うつけの男。いいところを見つけてただの大うつけじゃないんだと見直したりもするんだけど、ちょっとしたことから仲違いしてしまって気まずくなってしまったりと、もどかしい展開がなかなかにグッド。側室のことを知ってしまったことから本格的に疎遠になってしまったときにはどうなってしまうのかとハラハラさせられて、けれどそんな中でも正妻として夫を支えようと家督争いで形勢が悪くなりつつ信長のために働きかけをする姿はとても健気で、思わずうるっときてしまいました。これで報われなきゃ可哀想すぎて見てらんない、なんて思いっきり同情しまくってたせいか、ついに想いが通じた時はジーンときてしまいました。うん、ほんとよかった。その後の信長の、帰蝶の泣き顔を見たくないからと頑張るところもなんかも実に素敵。いい夫婦ですわ。

信長と濃姫の関係については、横山光輝の漫画及びその原作でもある山岡荘八の小説のイメージが強すぎたせいか、最初は年下だったり不器用で意地っ張りな女の子である帰蝶に驚いたりもしましたが、いつのまにかこういうのも全然ありだと受け入れ楽しめてました。桶狭間の合戦に至らず物語は終わっているものの、この二人なら、やっぱり本能寺までこの調子で仲睦まじくやっていくんだろうなと思わせる距離感が見てとれて、とても素敵なお二人でした(まあ側室の吉乃さんもいらっしゃいますが)。というかですね、健気だったり心配症で泣き顔ばかり見せてくれる後半の帰蝶さんがかわいすぎるんです。濃姫像の新たなスタンダードが私の中に出来上がったと言っても過言ではないでしょう。

兄信長の影に挑戦する形の信行というのも面白かったし、歴史好きにもおすすめ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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