2011年04月20日

羽月莉音の帝国

羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫) [文庫] / 至道 流星 (著); 二ノ膳 (イラスト); 小...
羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫) [文庫] / 至道 流星 (著); 二ノ膳 (イラスト); 小学館 (刊) bk1はこちら

いつもとんでもでもないことばかりしでかす従姉の莉音が高校で始めた革命部。最終目標は建国という革命部に、巳継は腐れ縁の幼馴染たちとともに参加することになった。建国のために必要なものはとにもかくにも資金。というわけで、事業を立ち上げ資金を稼ぐことになった――という感じのお話。

とんとん拍子でスケールが大きくなっていく話は読んでて気持ちがいいですね。初めは借金ありの実質マイナスから始まった資金が最終的には百億円規模にまで膨れ上がってたりしてなかなかに爽快でした。会社経営の流れとしても巻末にチャートで簡潔にまとめられてるし、それっぽい用語も噛み砕いて説明してくれてるし、難しそうなテーマをラノベとして上手く構成してありますよね。その辺りは会社経営者なんていう著者本人の経歴も手伝ってのことなのでしょうか。

会社経営というかなり現実的なテーマを取り上げてはいますが、リアルになりすぎず誇張も含まれてるのがわかりやすい展開になってるのもなかなかいいですよね。まあそのわかりやすさがキャラにまで反映されてまくってたのはちょっとどうかと思わなくもないですが。

部員のフォローなんてしないはすぐに暴力に訴えるはのガキ大将系ヒロイン・莉音。下僕鈍感主人公の巳継。テンプレツンデレヒロイン(デレ95%)の沙織。お調子者ナルシストで口だけ男の恒太。セリフといえば「もっと頑張らなくちゃと思います」くらいの村人系空気タイプの柚さん。多分に悪意を含んで言っちゃうとこんな感じですよね。めちゃくちゃわかりやすいなー、こいつら。しかもやりとりまでお決まりのパターン化されちゃうものだから、ぎくしゃくしてるシーンがあったはずなのに気付けば何事もなかったかのようにまた同じようなこと繰り返してたりして。なんなのこれと首を捻ってしまったりも。

けど、そういうわかりやすすぎるキャラの中で一人だけよくわからないのが莉音。弱肉強食的なやり方で協力者すら使い潰すくらいの勢いで利用してるくせに弱者救済みたいな青臭い理想を語ったり、かと思えば巳継に嫌がらせしてげらげら笑い転げてたりと。本気でこのキャラはよくわからない。彼女から言いだした建国は、このペースで行けばそのうちできちゃうんじゃないかとは思うんだけど、ラストシーンのせいで莉音にとってそれがどこまで本気なのかもよくわからなくなってきた。

面白かったとは言い切れないけど続きが気にならないでもない、という微妙なライン。どうしたものか。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 07:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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