2011年04月16日

レジンキャストミルク 2

レジンキャストミルク〈2〉 (電撃文庫) [文庫] / 藤原 祐 (著); 椋本 夏夜 (イラ...
レジンキャストミルク〈2〉 (電撃文庫) [文庫] / 藤原 祐 (著); 椋本 夏夜 (イラスト); メディアワークス (刊) bk1はこちら

【無限回廊】の襲撃を待ち構えるべく警戒を続ける晶。だが、それを嘲笑うように【無限回廊】は柿原里緒に接近してくる。さらには晶や硝子の友人も巻き込んで事態は悪化していき――という感じのお話。

やっぱりこのシリーズは読んでて息苦しくなってくるほどの閉塞感が漂ってて、はっきり言って読みにくい。ほのぼのとした日常もわずかながらあるとはいえ、それらの日常もすべては主人公である晶が作為的に作り出しているものに過ぎなくて、どうしてもその場面を楽しむということができない。日常はあくまでも【無限回廊】に標的とさせるために無理やり作られたものであり、晶としても目的を果たすために俯瞰的な視点からコストをかけて維持してるような感じなんですよね。日常を愛する人物というのは多々見かけられるけど、この管理者的な視点は気持ちが悪い。同じクラスにいたとしても友達にはなりたくないタイプではある。けれども晶自身は自分が非日常な世界に身を置いている自覚はあるし、学園異能バトルものの主人公としては来るべき戦いの時を意識した日常を作り出すというのはあながち間違ってない、むしろ称賛すべき心構えを持った奴とも言えるでしょうか。(もちろん非日常な世界の存在すら知らない人がその事実を知ったら嫌悪の念すら抱くのでしょうが。)それに、彼の場合は戦いの場においてもその俯瞰的な視点から離れないんですよね。敵を分析して最も最適な武器をもって敵を倒すというスタイルであるがゆえになんでしょうけど、嫌らしいほどに相手を観察し弱みを把握し的確にそこを突いていくんですよね。熱さなんて欠片もないどこまでも冷徹な戦い方。相手はただの獲物に過ぎないかのような、見下すような冷めた目線。気持ち悪い。気持ち悪い。虚軸の固定軸になったことで感情を失ってしまったせいか、彼からはおよそ少年らしさが感じられないんですよね。こいつのことはちょっと、というかかなり、好きになれそうにない。

にしても今回、表紙に描かれてる割に里緒の出番がほとんどなかったですね。晶が一番の友達ってことで無邪気な好意を寄せてたりするわけですが、なかなかに報われない子ですね。そういえば、イラストでは赤いジャージきてるしいかにも女の子っぽいんですけど、この子実は性別不詳キャラみたいなんですよね。まあどっちでもなかなかにおいしいキャラではありますが。

そして一番最初にきてるエピローグ2。ここだけ見るといかにも甘酸っぱい青春風味でいい感じなんですけど、最後まで読んでから読み返すとこれはすっげええぐいわ。あんなことがあった後だけに、晶としてもどないすりゃええねんって話ですよ。別に返事は要らないって言いますけどね、芹菜さん。これ返事のしようがないですよ、まじで。

前回名前だけは出てたものの今回初登場となった佐伯ネアは、作者本人がツイッターのアイコンに使ってる影響でいつの間にやら先入観ができておりましたが、実際見てみるとそんなに違いはなかったような気がするのはなぜでしょうか。キャラ本人の持つ可笑しさたっぷりの悪趣味さが作者に対して抱くイメージと重なって見えたんでしょうかね。そのうち本気でネアのことが作者本人に思えてきそうでこわい。

次回は【壊れた万華鏡】が中心の話ということで。そういえばこの子も今回ほとんど出番は無かったけど、殊子にいじられてムキになってる様子は面白かったですね。なんだかんだで彼女のことはしっかり理解してるようでしたし、苦手にしてるように見えて意外と仲がおよろしいことで。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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