2011年04月13日

四方世界の王 1  総体という名の60

四方世界の王 1 総体という名の60(シュシュ) (講談社BOX) [単行本] / 定金 伸治...
四方世界の王 1 総体という名の60(シュシュ) (講談社BOX) [単行本] / 定金 伸治 (著); 記伊 孝 (イラスト); 講談社 (刊) bk1はこちら

紀元前1800年のオリエント。神殿学校に通い書記を目指す少年ナムルは同じく神殿学校に通う少女シャズに惹かれている己に気付く。四方世界を滅ぼすと唱える彼女につき従ううちに、ナムルも群雄割拠の戦乱の渦中に身を置くようになり――という感じのお話。

古代オリエントという舞台は随分と珍しいように感じられますね。目には目を、に代表される法典で有名なハンムラビ王が王子である時代ということで、たぶんハンムラビ王子が最終的に群雄割拠の地を制することになるんでしょうけど、そこに至るまでの過程を楽しませてもらうことにします。

それにしてもナムル、この少年はどこまでもマゾだなあ。シャズには罵倒されるのが基本スタイルになってるし。しかもそれを当然のことのように受け入れてるからなあ。気になる子に構ってもらえるだけで嬉しいってな心理なのかもしれませんけど、いくらなんでも動じなさすぎだぜ、おい。むしろわざと空気読まない言動とって罵ってもらおうとでも狙ってるのかと疑いたくなってくるけど、でも彼のおバカさはそのまま額面通りのものとしか思えないんですよね。つまりは天然のMと。というか、もうすでに彼女のペットか玩具ででもあるかのような自覚までしてるんじゃないの? 一方的に理不尽に体刻まれても、恐怖すら感じず平然と会話できるんだから、もうMとかそういう域を超えて本気で頭がおかしいんじゃないかと疑いたくなるレベル。けれどもこれは、つまるところ自分にはそんなことをしないとシャズのことを信頼しきっているということなのかな。まあ確かにわかってみればそうだったみたいだけど、ナムル本人は根拠なしに一方的に全幅の信頼を寄せてるみたいだからなあ。母の忠告でさえ次に会った時までにすっぱり頭から消えて去ってしまうくらいなのだから、よっぽどですよね。

そしてシャズ。この子もまた、きっつい罵倒はするわ理不尽に脅すような真似をするわで、当のナムルに全く堪えた風が無いのが滑稽でしたけど、ドSなのかと思っていたら…。なんとまあツンデレでございましたよ。切れ者の策士である上に相当なツンデレと来たもんですよ。この組み合わせは、すごくいい! というか、そもそもツンデレといってもここまで明確なデレが無いっていうのがまたいい。そのせいで言われるまで全く気付けませんでしたよ。ラストでそうと気付かされた時の衝撃はすごかったですね。けど気付いてみればかわいさ倍増。そしてあら不思議、いつの間にか罵られることがたまらない快感に思えてきましたよ? やばいなー、これは。そのうち我々の業界ではご褒美ですとか言い出しそう。

ナムルのシャズに対する気持ちは、当初は自己満足的な好意に見えたけど途中からそれだけではダメだと気付かされ…。さてさて今後シャズの要求に応えられるべく成長できるんでしょうかね。ダメでもなんだかんだでシャズがフォローしちゃいそうな気がしてしまいますが。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック