2011年04月08日

カンピオーネ! Z  斉天大聖

カンピオーネ! 7 斉天大聖 (集英社スーパーダッシュ文庫) [文庫] / 丈月 城 (著);...
カンピオーネ! 7 斉天大聖 (集英社スーパーダッシュ文庫) [文庫] / 丈月 城 (著); シコルスキー (イラスト); 集英社 (刊) bk1はこちら

シリーズ第7巻。祐理の妹・ゆかりの体を乗っ取ったまつろわぬ神、斉天大聖・孫悟空。日光にて好き勝手に暴れ回るその神を打ち倒すべく、護堂たちが立ち向かう――という感じのお話。

やばいやばいやばい。とんでもなく面白かった! 前回ですらもう限界突破級の面白さだと思ってましたけど、軽々と越えていきやがった・・・。青天井の面白さですよ、これは! 破格の面白さですよ!! ストーリーとしての起伏はあるんだけど全体的に高止まっててどこもかしこもクライマックスだらけ。しかも読み手としての私が感じ取れる限界の面白ささえもやすやすと越えてくるものだから、途中に心やら体やら休まる暇が無い。まさに面白すぎて身がもたないという境地。夢心地とはこういうことをいうのかと。読み終える前におかしくなってしまいそうな、とんでもない、めちゃくちゃな面白さでした。

カラーイラストにもあるように、魔王三人揃い踏みですよ揃い踏み! 自分勝手に暴れ回るのが信条なカンピオーネたちが手を組んで戦う。これは燃える! 三柱のまつろわぬ神を相手にするのはさすがに神殺しでも厳しいものがあるとはいえ、見事に三人をまとめ上げる護堂はさすがだよなぁ。かつてリトルリーグでチームのまとめ役やってたっていう経歴をさりげなくも存分に活用してくるとは。毎度のことながら、ここぞという時の覚悟を固めた護堂はとんでもないカリスマ性を見せてくれるよなぁ。しかも同格以上のカンピオーネでさえ自分のペースに巻き込んでしまうとは。こっち方面のリーダーシップも天井知らずにどんどんすごいものになってきてるぞ。属性女殺しとしての一面も活かされているとはいえ、そのうちカンピオーネたちの頂点に立っちゃう日も来るんじゃないのか、これは?

護堂の侠気は今回も絶好調だった。斉天大聖のせいで日光にいた人間が猿化されてしまったりという護堂にしか何ともならない事態になっているにもかかわらず、そんなことは後回しだと、自分を頼るんだったらやり口にいちいち指図するなと、そう傲然と言い張る姿はまさに魔王。普段はカンピオーネとして周囲に迷惑掛けまくることに恐縮しきりだけど、本気の護堂はもはや風格すら漂うまごうことなき魔王ですよ。けれど、そうして有無を言わせず最優先してやることと言えば、親しい女の子を助けること、斉天大聖に人質にとられたひかりを助けることというのがいかにも護堂らしい。その他大勢の人間を救える力を持ちながら親しい一人の人間を優先させるのは、正義とは言い難い行動。けれど、その他大勢の命を一顧だにせずその権能をほしいままにして親しい人間を守るのは、これぞ侠気の魔王。鷹化が呼び方の候補として挙げた叔父貴がめちゃくちゃしっくりきてしまったんですけどw

ラブコメパートでの確変状態も半端なかった。5巻でも「少年」の権能を発揮させた時の護堂は戦闘時のような男らしさを見せてたけど、今回はさらにその上を行くのか! 自らを愛する者すべてに全力で加護を与える。そしてその後の斉天大聖との戦闘で彼女たちを勝利を得るための駒のように半ば使い倒すんだけど、そこには微塵の後ろめたさも感じさせない。なぜならそれが魔王に仕えるということだから。どんな不利な状況からでもあらゆるピースを掻き集めた末に神に勝利するのがカンピオーネというものだから。けれどそれすらも自らに想いを寄せる少女たちへの信頼の証でもあるんだよなあ。もともとこれまで何柱かの神様との戦いをともに乗り越えてきた気心の知れた少女たち、その上自らの神殺しの加護を与えた彼女たちがこんな所で斃れるはずがないという絶対の信頼が見てとれる。そしてさらに、彼女たちハーレムメンバーに優劣などなく、己についてくる限りは皆に全力で応えてやるという身勝手で傲慢な宣言。もうほんと魔王の貫録たっぷり。護堂さんぱねえっす!としか言えないですわもう。もし一人しか助けれらないとしたらという質問に対しても、普通なら全員とか言っちゃうのはただの優柔不断としか思えないんだけど、護堂がそう答えると違和感なく納得できてしまうんですよね。そう思えてしまう奴だからこそ余計に魅力的なんですよね。ハーレムが出来上がっちゃってても許せるし、そんな奴だとわかっていても虜になってしまう女性がいるのも頷ける。護堂さんほんとすげえわ。

それにしても、この巻だけで何人落としてるんですか護堂さんは。女性キャラが現れた時点でハーレムメンバー追加と考えてもいいくらいの女殺しぶりではあったんですけど、本当にやりやがったぜ・・・。とんどもねえぜ護堂さんは、まったく。 前回のあとがきにあったデレ拳の使い手って誰のことかと思ってたら、翠蓮さんだったのかよ。そういう感想も多々見かけたんですけどどうにも信じられなくて、でも蓋を開けてみればもう既に・・・という。戦闘時の微笑には比べるべくもないけれど、義弟に甘い翠蓮さんもかわいいよ。というか、カンピオーネの、それも最強クラスの人物のハーレムメンバー追加によって上手く協力競合関係の下にまとまりつつあった護堂ハーレムはまたぞろ予断を許さない展開になりつつありますなぁ。まあそうそう出ずっぱりということはないんだろうけど(でたらめな行動力の人だからないとは言い切れないのがこわいところ)、エリカたちにとっては圧倒的に格上のライバルが誕生してしまったわけで、どうなることやら。リリアナとの賭けは、この衝撃の前にはさすがに霞んでしまった感があるなぁ。

そういえば、確変状態の護堂を見てるに、護堂からの好意はこれまでのハーレムメンバー4人が同じくらいってことになったんでしょうかね? 前回まで見てる限りだとエリカが明らかにリードしてたはずですけど。まあ追いつかれるたび引き離すのが正妻たるエリカの見せ場だったりするので、エリカ派の私としてはまたそういう展開に期待をかけることにします。ここまでくると誰が一番とかどうでもいいような気もしないではないですが。

ジョン・プルートー・スミス、こいつはもうアニーにとっては第二の人格だよなあ。自分のことを全くの他人事して語ったりって、もうなりきりってレベルじゃあないぞ。人間関係に至るまでジョン・プルートー・スミスとアニーとでは、関わる人にはそれほど違いが無くともその人物たちを結びつける感情にはかなりの違いが生じてるよなあ。一番顕著な護堂を例に取ってみると、ジョン・プルートー・スミスとしてなら男同士、面白い人物という認識を持ってかなり意気投合してるみたいだけど、アニーとしては女性の敵みたいな認識を持ちつつもちょっと気になってたりしてアンビバレントな感情に苛まれたりなんて感じで、これはもうはっきり別人格と言っちゃっていいレベルですよね。というか、言われなきゃ実際両者に接してても気付くはずないですよ、これは。いやあこの人も知れば知るほど面白い。護堂としては、ジョン・プルートー・スミスに対してはずいぶん親しみを感じてたみたいだけど、真実を知った時にどう反応するかが楽しみでもありますね。

対したまつろまぬ神も今回は豪華だった。斉天大聖は前回に引き続きだけど、それに加えて総計三柱のまつろわぬ神との激闘。まさに激闘と呼ぶにふさわしい熱いバトル、強大な敵だった。それにしても、孫悟空が出てくるなら猪八戒と沙悟浄もまあ出てきますわなあってなもんですけど、やっぱり斉天大聖のように違う名前があるものなんですね。猪剛鬛と深沙神ですか。猪剛鬛はまあけっこうそのまんまな気もしますけど、深沙神の方はこの呼び方になるとだいぶイメージが変わりますね。どこで沁みついたかカッパみたいなイメージがありましたけど、龍のエッセンスを持ってたのか。これは驚き。というか、そもそも猪八戒も沙悟浄もルーツを辿ると神様になるのかと、まずそこから驚き。しかも斉天大聖ともども西遊記の中だけじゃなくてユーラシアにかなり広く派生してる神様だったのか。そりゃ強えはずだわ。そしてまた出たスキタイの名前。《鋼》の英雄のルーツがここにあるというのなら、いずれ現れるという強大な神格もここ発祥の神様ということになるんだろうか。一体どういう神様なんだろう? 気になって仕方ありませんが、皆無に等しい神話知識では予想のしようがありませんね。その上、まつろわぬ神の強さは知名度に由来するものとばかり思っていただけに、マイナーな神でさえ強くなりうるとなってしまうともうお手上げ。

とまあそんなこんなで、とんでもない面白さの前後編にキリがついたわけで、次は一体どんな話になるのやら。土日にバイト云々と言ってたのが伏線になるのでしょうかね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 07:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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