2011年04月06日

チェーザレ 破壊の創造者 3

チェーザレ 破壊の創造者(3) (KCデラックス) [コミック] / 惣領 冬実 (著); 講...
チェーザレ 破壊の創造者(3) (KCデラックス) [コミック] / 惣領 冬実 (著); 講談社 (刊) bk1はこちら

前回のダンテの神曲の授業での討論について、あの時のアンジェロは共和制の立場から語っていたとニコロは言っているけど、まあそれはそうだよな。アンジェロってこのキリスト教が絶対の意味を持つ中世ヨーロッパ社会にはありえない現代人的な視点で物事を見渡してますもん。時にチェーザレですら驚かせるようなことを考えるのも、読者の分身という立ち位置に近いキャラクターであるからこそだよなあ。けれどもそろそろ読者の分身という立ち位置からは乖離が見られるようになってきたでしょうか。あまりにもチェーザレに対してミーハーすぎるのだ。まるで崇拝するかのようにチェーザレに理想的な人物像を見、頼まれてもいないのにまるで他人に語りかけるようにチェーザレ本人にその素晴らしさを語りまくり、べったりと依存する。もはやチェーザレ信者といってもいいくらいではないか。だから結局、いいように利用されることになる。憧れは理解から最も遠い感情だと言ったのは誰だったっけか。それはともかく、一方的に尊敬しまくってくる奴なんて信用できませんよねー。というか、いい加減チェーザレも肚の中では鬱陶しく思ってきてるんじゃないだろうか。
にしてもこいつ、ミゲルにも言われたように職人たちと交わってる時の方が生き生きしてるよな。というよりも当時で言うところのエリートであるはずの学生をやっているというのが不自然でならない。せいぜいチェーザレやジョヴァンニお付きの小間使いというくらいなら納得もできるのだけど。

ふーむ、当時のフランスのことって全然記憶になかったんだけど、当時の一般的な中世的価値観を持ち合わせたお国柄だと思っておけばいいのかな。イスラーム文化の方が進んでいるにもかかわらず、キリスト教が絶対だと信じて疑わない。フランス団の人物を見てるとそんな感じに思えますね。それに対してチェーザレはイスラーム文化と融合し次代の先進地となるイベリアの人士を象徴する革新的な人物と捉えられるのでしょうか? それとも、優れた文物は邪教といわれるイスラーム圏のものでさえ差別なく取り入れていくような破格の人ととらえればいいのでしょうか? これについてはもう少し見ていかないとなんとも言えなさそうですね。

気弱で滑稽なキャラにしか見えないジョヴァンニだけど、最後にに載せられてる解説読んでたら実は結構すごい人なの?と気になって調べてみたら、なんとのちのレオ10世でしたか。けど、うーん、今のところだと祭り上げられでもしない限り権謀術数の渦中でもある教皇の位になんてとても就任できそうな人物には見えないんですけどね。まだサヴォナローラは権勢を掴みだす前みたいですし、のちの受難が線の細いジョヴァンニを鍛えたってことにでもするんでしょうかね。いずれにせよ、目を離してはいけない人物だったんだなあと思い直しました。

とはいえ、チェーザレもジョヴァンニもまだ学生をやってるうちはそれほど大きな事件は起きないのかな? 主要なキャラの掘り下げはもうそれなりにされてるし、そろそろ物語が大きく動き出してほしいところではあるよなあと思ってるところですが、次回はチェーザレの人物像についてもう少し掘り下げられる展開になりそうな感じでしょうか。確かにこれまでは主要な視点となるアンジェロがあの通りだから実に理想的な君主となりそうな人物としてしか見えなかったんですけど、あの『君主論』のモデルともされるくらいの人物でもあったわけですから、それだけであるはずはないですよね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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