2011年03月31日

海上のミスティア

海上のミスティア (一迅社文庫アイリス) [文庫] / 梨沙 (著); 凪 かすみ (イラスト...
海上のミスティア (一迅社文庫アイリス) [文庫] / 梨沙 (著); 凪 かすみ (イラスト); 一迅社 (刊) bk1はこちら

主人公・エダは船医になることを夢見る女の子。ある日、久しぶりに再会した友人のマイアに誘われ遊びにいくはずが、気付いたら訓練船ルティアナ号に乗船させられていて……。しかも成り行きからルナティア号の守り神とも言われる「ミスティア」の大役を務めることになり――という感じのお話。

どうやら逆ハーレム物みたいですね。初物でしたがこれはこれで。
とはいえ、逆ハーとはいっても今のところは幼い頃に付き合いのあったライ兄さまがぶっちぎってて、それほど逆ハーらしくはなってない気がします。ただまあこの巻でおそらくの役者は出揃ったと思われるので、これからどんどん恋の駆け引きが過熱していってくれるのではないかと期待してみたり。

エダを他の男にとられまいとしてときおり妙な連帯感を発揮したりするところなんかはなかなかに面白い。互いに互いを出し抜こうとしてるんだけど、抜け駆けしようとしてる奴がいたら全力で阻止に回る、その息の合い方は噴き出してしまいそうなおかしさ。そのうち共同戦線張ったり抜け駆けを防ぐために互いを監視し合ったりなんて状況が発生するんじゃないかとも思えてきますね。なかなかに愉快な連中。楽しみ楽しみ。

当人も自覚のないままに箱入り娘として育てられてきたエダにとって、実戦を通して訓練を積んでいくルナティア号のシステムはかなり酷なものだと思います。医学を学んでいたと言っても机上の学問としてしか知らなかった少女がいきなり戦場の、それも責任者としての立場に立たされ、自分の指示一つで訓練生たちが傷つき倒れていくのを目の当たりにさせられる。医療の現場を見ることでさえ新鮮な体験だった少女が血を流して苦しみ、その果てに死んでいく人たちの姿を見せつけられる。これはホイホイその気にさせちゃったワグナーがひどいよな。ルナティアとしての心構えなんて何も教わってないのにいきなり戦場の悲惨さを体感することになるんだから。トラウマものの経験ですよ、あれは。けど、それを言ったら上級生でありミタスにも任命されていながらそれを教えなかったライハルトたちも同様にひどいよな。けれど、それでもミスティアを続けていこうと決意できるというのはすごいこと。強い人だな、エダは。たぶん今後も自分の無力さに叩きのめされたり後悔でボロボロに心傷ついたりするんだろうけど、涙の数だけ強くなってくれそうな予感。


posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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