2011年03月17日

ともだち同盟

ともだち同盟 [単行本] / 森田 季節 (著); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊)
ともだち同盟 [単行本] / 森田 季節 (著); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊) bk1はこちら

大神弥刀は同じ高校の生徒である細川千里・芝宮朝日と「ともだち同盟」を結び、交流を持つ。それは互いの秘密をばらさないこと、ウソをつかないこと、という二つの約束事から成り立つ盟約だった。問題なく友達として過ごし合った三人だったが、朝日が弥刀に告白したことから関係は崩れだし、ある日千里が自殺してしまい――という感じのお話。

トンボさんに薦められて読了。

すごくよかった。よかったんだけど・・・、ネタばれせずに感想書くのが難しいですねこれは。ゾクゾクするような高揚感を覚えたのはラストでのことで、この作品のよさはほとんどすべてこのラストに集約されていると言ってもいいと思うんです。それまでコツコツと積み上げていったものを、それと同時に少しずつ作られていた軋みに乗じて、そこで一気に崩したかのような真っ逆さまの急転直下な結末にしびれたのです。しっとりダークに推移してきて突然どん底に突き落とされる、その衝撃に打ち震わされたのです。なのでとにかく、読んでくださいとしか言えない。そしてこの衝撃を体感してもらいたい。

話としては都市伝説みたいな展開だったりするので取り立てて面白味はなかったように思うのですが、ただあの非情な結末が、あれこそが私の心を鷲掴みにしたのです。そしてその結末に負けじと決意するその姿に敬意すら覚えたのです。強い。この話に出てくる三人の登場人物はとんでもなく強い。人はかくも非情な仕打ちができるのかと、かくも誇り高くあれるのかと、驚嘆と畏敬の念を感じてやまない。


蛇足ながら、千里が作った媚薬の名前の由来。「トリスタンとイゾルデ」とはまたそれらしいようなちょっとずれてるようなところから取ってきますね。元ネタとしては確かフランスの吟遊詩人が伝えた話で、作中でも触れられたように悲劇のお話。悲恋の話ではあったことは確かだけど、悲劇であったことも確かなので、惚れ薬の名前にするにはちょっと縁起の悪い話ですよね。

あと、さりげなく仕込まれている鉄道ネタも、そういう知識が全くないのでへぇ〜と頷くばかりでしたが、これも知ってるとまた違った読み方もできたのかなと思ったり。


posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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