2011年03月14日

ハガネノツルギ  Close Encounter with the Ragnarek

ハガネノツルギ Close Encounter with the Ragnarek (HJ文庫...
ハガネノツルギ Close Encounter with the Ragnarek (HJ文庫) [文庫] / 無嶋樹了 (著); rei (イラスト); ホビージャパン (刊) bk1はこちら
公園で死にかけていた高校生・矢上玖朗を救った少女、九季塚鋼音。彼女は数多の世界を救う宿命を負った【救世の執行者】であるがゆえに、激しくも孤独な戦いをし続けていた。そんな鋼音に一目惚れをした玖朗は、彼女の傍にいるために自ら危険な世界へと足を踏み入れる!! “普通”だった少年が“英雄”を凌駕する珠玉のバトル・カタルシス、開幕!

なにこれかっけえ! 表紙めくって最初のカラー絵、まずこれだけで惚れたよ! 「一目惚れ」という言葉に弱いっていうのもあるんだろうけど、表紙の鋼音さんのイラストのアップにそこに重なる「救世の執行者」の文字。しかもルビが「世界を敵にまわすモノ」ときましたよ。なんですか、私の好みのツボを抑えまくったこのデザインは。素晴らしい! 実に素晴らしい!! こんなに早々と心奪われた作品は初めてですよ。

中身のストーリーもこれまたいいなぁ。鋼音に一目惚れした主人公・玖朗の話、なんだけど、一目惚れか・・・なんでこの言葉にはこんなに心くすぐられるんだろうか。いやそもそも惚れるという言葉が大好きなのか。ともかくも、一目惚れのお話なのです。命を救われたから惚れた、ではないのです。惚れたから、もっと彼女のことを見ていたいから、傍にいたいから、命を救ってほしいと願った。今にも死にそうな状況で間近に控える死への恐怖ではなく惚れたという感情にのみ従って救いを求める玖朗の姿は、序章にして好感度がストップ高になるに十分すぎるくらいでした。

惚れた相手の鋼音がこれまでに何度も異世界を救ってきたという最強クラスの強さを有しているのもまたよかったです。傍にいたいんだけど、そうするとどれほど危険な目に遭うかわからない。けれどそれでもいいんだと突っ走る主人公にこそ、私は惚れるのです。そしてラストまで読んで、事実として玖朗に惚れたのです。これまで私が読んできたラノベに足りないと思ってたのはこれなんですよ。こんな主人公を求めていたんですよ。やっと会えたと、嬉しさのあまりしばし呆然としてしまいましたよ。

敵もまたすごく強そうなんですね。かつて異世界を救った元勇者。強くてニューゲームを開始しようとしてるクラスの使い手じゃないですか。しかし、鋼音さんが窮地に陥ってしまったのなら黙って見過ごすことなんてできない。こんな相手に勝てるのかよと思わせておいて勝ってしまうのはさすがの展開。燃えるよな。元勇者側は鬱屈とした感情に端を発するものではありましたが、お互い譲れないもののためにぶつかり合うバトルは熱くてよかったです。

異世界を救ったあとの勇者というのは、なかなかに面白くもありましたね。命懸けの一大冒険活劇を乗り越え最高の緊張感を伴った決戦を終えてしまうと、それに匹敵する高揚感を味わうことってほぼ不可能と言っていいですよね。しかもその後何事もなかったかのように現実世界に戻され異世界での活躍など知るはずもない人々の間で平凡な人生を送らなければならなくなるなら、それはどれほど退屈なことか。勇者としての使命は一度だけであり、今後は絶対にあれほどの興奮を味わうことなどできないとなれば、それはどれほど未来に対する絶望感を生み出すか。その点、鋼音さんは反則だよな。生まれたときから運命づけられていたとはいえ、無数の世界を救う宿命の下に生まれてきた少女というのは、計画云々の前に使命を使い果たした元勇者としても許しがたい存在だったんだろうな。

今回はその鋼音さんがあまり活躍しなかったのがやや残念と言えば残念なので次回でそこが見れると嬉しいかなと。そして何気に玖朗に気を寄せているものの物わかりがよすぎて身を引いちゃってる感のある幼馴染は、もう完全に玖朗取られちゃってるけどどうするんだろうなーというのも気になったり。

何せよ期待大のシリーズ。楽しんでいきたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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