2011年03月12日

空ろの箱と零のマリア 4

空ろの箱と零のマリア〈4〉 (電撃文庫) [文庫] / 御影 瑛路 (著); 鉄雄 (イラスト...
空ろの箱と零のマリア〈4〉 (電撃文庫) [文庫] / 御影 瑛路 (著); 鉄雄 (イラスト); アスキーメディアワークス (刊) bk1はこちら


「箱」によって引き起こされる超常的な事件を巡るシリーズ第4巻。3回戦までが終わったゲーム『王降ろしの国』の4回戦目が始まる。プレイヤーは一輝。果たして一人も死者を出さずにこのゲームを終わらせることはできるのか?――という感じのお話。

前巻から引き続き緊迫感あふれる雰囲気がたまりませんね。これまでのゲームを振り返ればわかるように、八日間一人の死者も出さないためには他人任せではなく一輝自身が場を支配しなければならない。しかしメンバーは強烈なリーダーシップを有する色葉や気まぐれで人殺しさえためらわない神内など、一輝による支配をよしとしない厄介者ぞろい。その上、普段は頼れるパートナーであったマリアも『王降ろしの国』の中では無力な女の子に過ぎなくなってしまう協力を頼むこともできない。まったくの孤立無援の状態から始まる一輝の挑戦。ドキドキハラハラせずにはいられませんでしたね。とんでもない覚悟を見せつけて皆を引っ張ろうとする色葉を叩き潰し、狡猾な悠里を脅しつけて皆を支配することになる一輝を見ていると、これがあのヘタレの一輝なのかと見違えるようで、とにかく驚きの連続でした。前の巻では女装させられた挙句に「どうにでもなーれ☆」とか言ってたことを思うと、本当に何なんでしょうねこのギャップは。必要に迫られたからとはいえ、そんな顔も見せれたんだなぁ。見違えるようでしたよ。変わらない主人公というものは数あれど、ここまでガラッと普段とは異なる言動をとる主人公というのも面白い。しかもそれがヘタレから冷酷な支配者へ、とは。これまでのゲームの情報を頼りに必要な場面でのみ最低限であったとはいえ、一輝のあれほど非情な姿を誰が予想できたか。それができたのは守るべき本当に大切なものをしっかりと見定めていたからでしょうね。しかし、そうとわかってもほとんど同じものであるNPCと本人の二つを区別することってそんな簡単なことじゃないでしょうに。一輝は本当にすごいなぁ。お見逸れしました。エピローグでのもげろ発言には同意せざるをえないところではあるけども、だけどあれほど過酷なゲームを独力で乗り切って、これまで心配される側だったマリアも含めた関係者へのアフターケアまで忘れない気の周りようですよ? そりゃあれくらいちやほやされたりもするでしょう。

ところがですよ。一輝のイケメン軌跡はそれにとどまらないのですよ。『王降ろしの国』でNPCを切り捨て本当に大切な命を救うという選択を経験したためか、はたまたダイヤの誘導がダメ押しになったか、マリアを守る騎士になるなんて決意を固める。そのためなら茂木さんを泣かせようがお構いなしとは・・・、いやはや人は変われば変わるもの。このゲーム始まる前と比べると、マリアならずとも本当にあの一輝かと疑いたくもなりますよ。これは本当に意外な変化だった。

そして、この次に起こるであろう「箱」の事件は、おそらく彼なんでしょうね。今回よりもさらに巧妙にさらに精巧に使いこなしてくるだろうから数段厄介な相手になりそうだけど、一輝の変化した様子を見てると案外ひょいひょい乗り越えてしまうんじゃないかとも思えてしまうから不思議ですね。さてさて、どうなることやら。

しかしイラストに描かれるキャラの雰囲気がどんどん幼くなってきてるんですけど、そろそろストップかかってほしいものですね。2巻から絵師さんが変わっているので、徐々に今の鉄雄さん風にアレンジしてる途上なんでしょうかね。個人的には1巻の絵が一番好きだったのだけれども。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 14:55| Comment(6) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
絵師は変わっていませんよ。415から鉄雄に改名しただけで同じ人です。2巻の絵師さんの後ろのとこのコメントに、改名について書いてあります。紛らわしいですけどね。イラストの傾向については僕もそう思います。
Posted by 名無し at 2011年04月24日 02:03
>名無しさん

あれ、本当ですね。絵師が変わってた割によくも違和感なく受け入れられたものだと不思議に思ってましたが、そういうことでしたか。ご指摘感謝!
イラストのロリ化はこの作品に限らずみられる傾向で、前々から気になってはいるんですよね。初期はイラスト買いしてしまうほどだったことを思うと残念でもあり。それも含めて楽しむのが一番だとは思うんですけどね。
Posted by 青山尚之 at 2011年04月24日 16:54
ラノベイラストのロリ化といえば、いまアニメ化されている桜庭一樹の「ゴシック」の富士見ミステリー文庫版(今はレーべル廃刊により角川文庫にイラスト無しで移籍、角川ビーンズ文庫より新規イラストの入っているものが最近発行開始)は酷かったです。1巻と後の巻ではもう別人で身長や体の大きさが明らか縮んでいます。後の巻では「ローゼンメイデン」の真紅もかくや、という有様でした。それでもそのイラストは好きでしたけどね。
Posted by 名無し at 2011年04月26日 22:25
>名無しさん

未読なのですが、ゴシックでもそんなことがあったのですか。でも少し前の作品だからか不満の声は聞いたことがないですね。この箱マリでもそうですし、絵師の交代以外では好意的に受け取る人が大半なのかもしれませんね。むしろ私が気にしすぎなのかも。
Posted by 青山尚之 at 2011年04月27日 16:58
4巻の感想を納得しながら読ませていただきました。
この類のラノベは大好物なので、続巻読みたいのに
中々出ないのが欠点。早く五巻出て欲しいです。
私も、青山さんと同じで、1巻のイラストが一番好みです。 一輝×マリアを応援してます^^
Posted by にゃー at 2011年08月27日 14:02
>にゃーさん

コメントありがとうございます。
一輝に変化がみられてマリアとの関係もちょっと変わってくるのかなと思うと続きが楽しみなんですけど、新刊情報にもなかなか出てきませんよね。
『あなたが泣くまで踏むのをやめない!』が7月だったので、これまでのペースを考えるとすぐには出なさそうに思えますが、早く出てほしいところですね。
Posted by 青山尚之 at 2011年08月30日 16:37
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