2011年01月13日

B.A.D. (2)  繭墨はけっして神に祈らない

B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない (ファミ通文庫) [文庫] / 綾里 けいし (...
B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない (ファミ通文庫) [文庫] / 綾里 けいし (著); kona (イラスト); エンターブレイン (刊)

bk1はこちら


歪んだ性格の人間たちが引き起こす狂気じみた事件を少女らしい純粋な残酷さを有する異能者・繭墨あざかが解決していく怪奇な物語の第二巻。今回は筆で書いた文字を生き物のように動かすことのできる異能の一族・水無瀬家の離反者の話が中心。

今回も狂おしいほどの強い思いの話でした。とはいっても1巻のような病的な感じはかなり影を潜め、綺麗な優しい思いのお話。1巻でも美しいシーンはあったけど、それを事件の根幹となるところに据えると1巻とはかなり趣の異なる雰囲気になるのだなと驚きれました。とはいえ、主要な登場人物が病んでる人ばかりのなかでその純粋で優しい雰囲気は、一部キャラの狂気に食われがちでちょっとインパクトが弱かったかなという印象。

それでも人の悪意の描き方はやっぱりうまい。自分のことを普通の人間であると、あるいはそうでありたいと思っている小田桐視点で垣間見える人の道を外れたかのような異能者たちの思考、特に亞城の思考回路は本当に胸糞が悪くなる。うまいなぁ。そしてそんな亞城から異能者であって普通の人間ではないと突きつけられた小田桐のショックを受けた様子もまた印象的でした。小田桐の性格だと異能者であることを受け入れたとしても繭墨や雄介のようにやりたい放題振舞うことなんてできないんだろうし、それ以前に元々心の奥底ではもう平穏な日常に変えることなんてできないと理解しているはずなのでそれまで通り諦めをつけて繭墨のもとでの日常を過ごしていくんだろうな。

繭墨の気まぐれは今回も絶好調。退屈な依頼だからとろくな説明もせずに小田桐を連れてきて自分だけは絶対安全だからと悠然と構えていたりとか、恐いわこの子。面白くない依頼を受けたときの依頼主に対する尊大さを見るにつけてもホントいい性格してますよ。

嵯峨雄介は、こいつの狂気はさらにパワーアップしてませんかっていうくらいにぶっ飛んじゃってたな。普段からバットぶんぶん振り回してる時点で相当やばい奴であることに変わりはないんだけど、もう人殺しとかそういうのもためらいなくできる人になっちゃったのね。バイトのしすぎで留年確定っていうけど、確か作中の季節はまだ夏頃でしたよね?それってもしかして長期の停学っていうやつですか?恐ろしいよ。こいつも色んな意味で恐ろしい奴ですよ。

新登場のはずの七海は小学生ながらすでに歪んだ性格が垣間見えてて、この作品としては将来性のある子だな、なんて思ったり。そんな感じで小田桐の周りは相変わらず病んでる人ばかりですねと。数少ない良心の持ち主と言えば水無瀬の一族でしょうか。白雪や幸仁など今回の話の黒くない白い雰囲気はほとんど水無瀬家の人たちによるものでしょう。そういった意味ではなかなかに貴重な人たちですけど、水無瀬家のお話はきっちり幕引きまで為されてるし、この先出番があるのかな?

ラストでは今回出番のなかった狐面がひっそりと登場してたので、次回は再び彼絡みの話になるのでしょうか。彼の純粋とは言えない歪んだ悪意もなかなかのものなのでとても楽しみですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。