2010年11月05日

パンツァーポリス1935


パンツァーポリス1935―ようこそ機甲都市伯林へ (電撃文庫 か 5-1)

パンツァーポリス1935―ようこそ機甲都市伯林へ (電撃文庫 か 5-1)

  • 作者: 川上 稔
  • 出版社/メーカー: メディアワークス
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 文庫


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川上稔さんは『終わりのクロニクル』を読んで以来お気に入りの作家さんだったんですけど、AHEADシリーズ以外は全く読んでなかったので読んでみることに。『境界線上のホライゾン』も読みたいところですけど、シリーズ全部出揃ってからでいいかなということでパスして、まずは都市シリーズから。

そんな都市シリーズの第一弾は、ナチスドイツが台頭する異世界のドイツで、この世に恐れる者はないって感じの青年ヴァルターが宇宙を目指すお話。

ヴァルターと技師のパウルという二人の天才の情熱に接した周囲の若者たちが、彼らと同じくらい本気の情熱を見つけ出していく様子が爽快。ヴァルターたちとマイアーの本気のぶつかり合いはエルゼ同様ゾクゾクとくるものがあった。負けたらこれまで積み上げてきたものがすべて崩れ去ってしまうかもしれない、でも譲れないものがある、この緊迫感がたまりませんでした。どこまでも本気になった人間たちに魅了される一冊。

本気の人物たちの中でもヴァルターは本気になったきっかけがなかなか明かされず、最初から目指すものに一直線という感じで挫折らしい挫折も特になかったので共感はしづらかった印象。むしろマイアーの方が、自分の力量に対する不安やかつての先輩と闘わなくてはならないという戸惑い、そこからオスカーに励まされたりして決意を固めるまでの過程がしっかり描かれてて共感しやすかった。私の中ではマイアーこそがこの話の主人公。敗れはしたもののあの瞬間、確かに天才たちに肉薄したというその事実は凡才たちにも秘められた可能性を示しているようで感慨深かった。

一巻完結の話なので終わクロほどの壮大さはありませんでしたが、同一シリーズで他に何作も出ていることですし、徐々に面白さもパワーアップしていくのかなと期待してみます。

posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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