2010年10月12日

ゆらゆらと揺れる海の彼方


ゆらゆらと揺れる海の彼方 (電撃文庫)

ゆらゆらと揺れる海の彼方 (電撃文庫)

  • 作者: 近藤 信義
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2004/01/10
  • メディア: 文庫


bk1はこちら

海獣という様々な能力を持つ生物を利用して人々が生きる中世風の世界。第二次エルメロ―沖海戦で手痛い打撃を被ったローデウェイク辺境州にアールガウ神聖帝国の軍が迫る。ローデウェイクの領主ラシードは、戦の天才であるジュラを信じ奮闘するのだが……。という感じのお話。

世界観設定の説明にページ数を取られている気がしなくもないが、その分海獣の設定などは興味深い。兵器としても非常に有用だから戦争が海獣主体に組み上げられるのもわかる。品種改良を重ねているせいか種類も豊富みたいだし、今後どんな能力を持つ海獣が出てくるのかと楽しみにもなってくる。ただちょっとあの世界の人たちは海獣に頼りすぎな気がしなくもない。〈冥海〉でないと能力が使えないというのは縛りとしてかなり厳しくないか? そのせいで戦術の幅の広がりがかなり限定されてるように思える。この世界で〈現実世界〉での戦争が行われるとしたら、どんな感じなんだろう?

あとがきによると主人公は一応ジュラらしいけど、それを読むまでずっとラシードが主人公だと思ってた。こういう話だと指揮官の方に注目してしまうからなのかもだけど、劣勢の中のローデウェイク防衛に苦悩する姿とかそれっぽかったと思う。まあ作者も誰か一人でも好きになってくれればいいと書いているので、このままラシードが主人公だと思っておくことにします。

レオナルトは最後の最後で脆かったな。これまで矢面に立たずに失敗らしい失敗もしてこなかったんだろうな。生きてればそれを糧に、てこともできたんだけど……。ジュラがレオナルトの予想の上を行っていたというのもあるだろうけど、結局は自信過剰なお坊ちゃまが勝手に自滅しただけにも思える。

あと、ジュラはいかつい外見の割に性格は可愛げがあって、そのギャップが可笑しい。ついさっきまで戦場で破天荒な活躍を見せていたかと思えば、ラシードに対して「うう……ごめんよ、兄者ぁ」だもんなぁ。頭が上がらないというよりお兄ちゃんっ子? 愛嬌があっていいじゃないですか。

今回はなんとか凌げたけど、結局はレールダム内の内戦みたいな戦いで味方の戦力が低下しただけ。アールガウ側としても本気でローデウェイクを占領しようとしてきたようにはとても見えないので実力の底は窺えない。辺境の地ということを差し引いても情勢的には楽観できないよな。さて、次はどうなるか。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 17:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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