2010年09月04日

火目の巫女 巻ノ参


火目の巫女〈巻ノ3〉 (電撃文庫)

火目の巫女〈巻ノ3〉 (電撃文庫)

  • 作者: 杉井 光
  • 出版社/メーカー: メディアワークス
  • 発売日: 2006/08
  • メディア: 文庫


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化生堕ちした先代の火目・時子を退治したのちも伊月は火護衆<と>組の一員として化生から都を守っていた。そんなとき、都の空から歌が聞こえてくるようになり、さらには紅い雪が降り始める。それは火之神・呼火命(よびのみこと)が地上に降り立つ前触れであった――という感じのお話。


いや、これは燃えた燃えた。普段の化生よりもさらに厄介な神の降臨を押しとどめようというスケールの大きな戦いで、そんな中で何度も諦めそうになりながらも仲間たちに励まされながら必死の執念であがき抜いた伊月がかっこよかった。これまで苦しんで苦しみ抜いて、それらを通して成長した姿が見れたようでとてもよかったです。それに、伊月の他にも佳乃や茜たち一人一人がそれぞれのできることを全力でやり抜いた。そんな必死の立ち回りの集大成としての勝利は、これまでのどこか後ろ暗い終わり方ではなく気持ちのいい結末だと感じました。

話の本筋としてはこれまで通り泥臭いながらも、かっこいい活躍を見せてくれた伊月ですが、杉井光さんの作品であるだけにやっぱりかわいい一面も見せてくれてるわけで。密談をするために夜御殿に呼ばれたのを勘違いしてテンパったり勘違いに気付いて豊日に怒りだす様子のかわいいのなんのって、これまで読んだ杉井光作品の中で一番の破壊力だったんじゃないかと思います。

佳乃には1巻当初のようなお姉さんっぽいところが少し戻ってきてたでしょうか。2巻ではすっかり自暴自棄になってたように見えましたが、命懸けで自分を助けた伊月や双葉の思いが届いたのでしょうね。目の前のことに囚われてしまいそうになる伊月を叱ったりなど、やっぱりそういうポジションが似合うキャラだと思いました。人一倍辛い過去を背負いつつそれでも前に進んでいく姿はやっぱり泥臭くもかっこいいです。

これまで名前だけの登場だったと思われる千木良も今回怪しげに登場。初登場シーンのイラストを見た瞬間にktkrと拳を握ったのは私だけではないはず。30過ぎであの妖艶さは反則ですぜ。その上黒幕っぽいキャラということで、個人的には期待度ナンバーワンのキャラだったのですが……もうちょっと活躍してほしかったですね。常葉や茜の弓の師ということで、おそらく都で一番の火目式の使い手であろう立場的にもあっけなかったかな。とはいえ、まあそれほどまでに心のすり減ることだったのでしょう、千木良として長谷部に仕えることは。

そんな感じで、今回の事件の首謀者と目される長谷部を追うという方向性を残したまま続きはいまだに出ていないようですが、これはこれでキリのいいところではありますね。続きについては出るなら大歓迎、出ないならそれでもいいかといったところでしょうか。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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