2010年06月17日

花園のエミリー  鉄球姫エミリー第三幕


花園のエミリー 鉄球姫エミリー第三幕 (集英社スーパーダッシュ文庫)

花園のエミリー 鉄球姫エミリー第三幕 (集英社スーパーダッシュ文庫)

  • 作者: 八薙 玉造
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: 文庫


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グレンの父・ノーフォーク公ジョゼフが差し向けた亡霊騎士たちを撃退したエミリーたちだったが、いつまた命を狙われてもおかしくない状況は続いていた。この状況を打開するため、エミリーはジョゼフに会いに行くことを決意する。危険だと反対するグレンだが、エミリーはそんな声に耳を貸さず、グレンたち共々敵地に潜入することになり――という感じのお話。


ここにきて一気に話のスケールが大きくなってきました。エミリーの命を狙う勢力の筆頭であるジョゼフが登場したかと思えば、国中の貴族を招集されて親ガスパール派と反ガスパール派の対立が見えてきて、これまでの話の裏にはそういう事情があったのかと納得したり。また、国境付近の情勢が不穏になっていたり、さらにラストは衝撃の展開がだったりと、これまで丁寧に築かれてきた物語が次の巻で一気に急加速していきそうな予感がします。

それにしても、少しずつ変化していくエミリーの描き方がすごく上手いです。2巻ではひっそりと暮らしていたいと願い刺客を警戒しながらもあくまで迎撃という態度を取っていたのが、今回は積極的に敵の懐に入っていった。その行動の裏にはまだ気を許した者たちが死んでしまうことに対する恐れの気持ちが見られるものの、最も強い後押しとなったのはグレンの無茶を目にしたからなわけで、その辺りのことをはっきりとではないにしてもしっかりと丁寧に描いているのがなんとも巧い。

そんな感じで無自覚ながらもキーパーソン的な役割を果たしたグレン。この巻でもときにエミリーを気遣ったりガスパールを励ましたりと大事な役割を果たしてはいましたけど、随所で変態ぶりを発揮するのはさすがですね。まあそこでブレたらグレンじゃないと思えるくらいなわけですが、エミリーにお姫様らしい仕草でからかわれて意識が飛びかけるとか、さすが姫狂いとしか言いようがないです。それと、わずかながら判明した姫教育が軽く調教の域に入ってる件w面白すぎます。これだからグレンって奴は!グレンって奴は!ますます今後に期待が掛かってくるじゃないですか。

あと、ジョゼフがグレンの成長を実感して「もしも」の話をしてましたけど、個人的にはこれまでのやり方でよかったのではないかなーと。どちらがラゲーネン王国のためになったのかということについてはよくわからないとしか言えませんが、若者たちがいつか超えるべき壁としての大人が存在することは物語の面白さをより一層引き立てると思いますし。実際にジョゼフを踏み越えていったのがグレンやエミリーではなかったというのはかなり意外でしたが。

とにもかくにも先が読めないラストだったので、とにかく続きが気になって仕方がないです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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