2010年03月10日

剣の女王と烙印の仔 V


剣の女王と烙印の仔III (MF文庫J)

剣の女王と烙印の仔III (MF文庫J)

  • 作者: 杉井 光
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2009/10/21
  • メディア: 文庫



ラノベ好きとしてもかつての歴史物好きとしても期待度大なシリーズ第三弾。
今回は前巻から引き続きのプリンキノポリ戦。それも圧倒的不利な情勢での籠城戦。そんななか、あのデュロニウスが攻撃の中止と引き換えにクリスの身柄を要求してきて――という感じのお話。


中世の戦争の魅力と、クリスとミネルヴァの絆というラノベとしての魅力が両方楽しめて、この巻もすごくよかったです。前半では無駄な萌え狙いの描写にイライラさせられたりもしましたが、いざ開戦となってからは時間が経つのも忘れて読み耽ってしまいました。

ミネルヴァのツンデレは気分次第では合わないのかもと気づかされたりもしましたが、今回は特に将軍としてのフランチェスカがすごくよかったです。敵軍を業火に沈め、その上でなおパオラに敵兵の殲滅を命じる姿は読んでいてゾクゾクしてきました。フラン様もっとしてください(ハアハア

それはともかく、クリスやミネルヴァなどの一兵士の視点からだけでなく、フランチェスカのような将としての視点から戦争を俯瞰することができる話ってラノベとしては珍しい気がしますね。他に思い付くのは火風くらいなのですが、そのどちらでも気になるところとして、やはりラノベのキャラというのは戦場であっても良心を持ち合わせているというか、人を駒として扱うことに抵抗を感じるようキャラでなければならないのかなというのがわずかに感じる違和感ですね。一兵卒としてならそれでもいいのでしょうけど、兵卒を統べる者が罪悪感を抱いたままでは判断力が鈍って結局自軍が壊滅してしまったり、なんてことにもなりかねないと思うのですけど・・・。ジェレイドはもとが農民の出身だったからと考えられなくもないけど、フランチェスカの場合は貴族の出だし平民とは人種が違うという教育を受けていてもおかしくはないのでその辺りのことは割り切れる人だと思うのですけどね。このあたりは読者ウケの問題になるのでしょうか?非常時でなければ時にはそういう風に悩んでいる姿というのもとても魅力的なのですけどね。

それと、デュロニウスの方は意外にあっけなかったなという印象。2巻の時は結構手ごわそうなイメージだったんですけど、この巻では良く言っても傭兵団の長、悪く言うと賊の頭領というイメージしか受けれませんでした。その気になれば礼儀正しくすることもできるようなキャラだと思っていたのですけど、勘違いだったのでしょうか?あれでは正規軍の将には相応しくないです。せいぜい辺境の戦に回すくらい。ここ一番という戦いに回したら聖王国軍の印象ガタ落ちです。でも、なんで最後にクリスが勝てたのかがわかりません。紋章の力を引き出していたように思えましたけど、それだけではあの劣勢を覆すにはまだ足りないような…。その辺りのことはおいおい明かされていくのでしょうか?いずれにせよ、いろいろ謎を残していった気がしますね、デュロニウスは。

カーラ先生も遂に登場したわけですが、これまたイメージとは違っていました。ぼんやりとしたイメージしかなかったのですけど、まずは口絵を見て女だったの!?ということから驚かされました。登場シーンではこの人もやりたい放題な人なのかと二度目の驚き。王宮指南役がどの程度の地位なのかはわかりませんが、あれは明らかに権限を越えてますよね。尋常じゃない強さみたいなので何者にも縛られずに行動できるのでしょうけど、支配者の側から見れば迷惑この上ない人でしょうね。代位についてのしきたりはただの伝統のはずだし、今回の件はその変更にとっても十分な理由になるし、この期に更迭されたりすることもありえるのかも。まだ登場したばかりだけど。それにしても、ミネルヴァよりもジルベルトの方が強いはずですけど、カーラ先生はミネルヴァの方が素質があるとみたのでしょうか?それとも、ただ単に可能性は多い方がいいと思ったからなのでしょうか?このあたりのことはこの巻だけではよくわかりませんね。

かなりキリのいい終わり方をしているので次の話がどこで展開されるのか全く予想できませんが、個人的にはまたフランチェスカ視点で戦争を俯瞰したいところ。そして、夕仁さんのあとがき最高でした。ああいうのが見たかったです、ハイ。


という感じで感想終了。次の巻ももう買ってあるのですぐにでも読みたいところですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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