2010年03月06日

氷結鏡界のエデン  楽園幻想


氷結鏡界のエデン  楽園幻想 (富士見ファンタジア文庫)

氷結鏡界のエデン 楽園幻想 (富士見ファンタジア文庫)

  • 作者: 細音 啓
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2009/09/19
  • メディア: 文庫



前作の余韻も冷めやらぬうちに新シリーズを刊行するというペースには驚かされましたが、『黄昏色の詠使い』がとてもよかったので期待して読んでみました。


舞台となるのは浮遊大陸オービエ・クレア。幽幻種と呼ばれる存在に人々が脅かされる世界。
穢歌の庭(エデン)に落ちて天結宮(ソフィア)から除籍された少年シェルティスと、天結宮で氷結鏡界を支える巫女ユミィの物語。
天結宮の外の居住区で一般人として過ごすようになっていたシェルティスだが――という感じのお話。


この作者は相変わらず綺麗な話を書いてくれます。前作に比べるとやや読者ウケを狙った箇所も増えているように感じますが、少年と少女の想いが紡ぐ物語という点では変わらぬ純粋さを感じる話でした。前作では主人公がやや幼かったので恋と言えるかどうか微妙なところでしたが、今作の主人公は一回り大人な少年でありストレートに互いを想い合う話。何の誤魔化しもないこのド直球な展開はまさにツボ。また一つ注目作が増えました。

また、今作では幽幻種という明確な敵が存在しますが、敵としての位置付けが非常に明確であり少しも綺麗な作風を損ねていないのはこの作者らしいですね。この作者の描く黒い展開というのも興味がないでわけではありませんが、それよりも今の綺麗な作風のまま突き詰めていくとどんな物語が出来上がるのかということが非常に興味深いです。

シェルティスについては若干ヘタレっぽいのが気になりますが、今度こそユミィとの約束を果たしてもらいたいですね。それには二年のブランクをいかに取り戻すのかというのが問題になるでしょうか。その辺りレオンと互角だったという才能で補うことができるかどうか。それと、天結宮に再入宮するということは、今後は天結宮で暮らすことになるのでしょうか。そうなると、ただでさえ終盤影の薄かったエリエとユトが完全に蚊帳の外になってしまいそうで不安です。

肝心なシェルティスとユミィの間には依然エルベルト共鳴の壁が立ちはだかるわけで。シェルティスが約束を果たせるかどうかということとは別にこの問題もなんとかしないといけないのでしょうね。特殊な例だけに簡単に解決することはできないのでしょうが、互いに想い合う二人が手を握ることも許されないなんて悲しすぎます。

その他気になったのは、イリスって女の子・・・だったのですか?いえ、けして男だと思っていたわけではありませんが・・・。

まだ序章っぽいので今後の展開とキャラの掘り下げに期待しつつ、以上感想でした。続きは手元にあるのですぐにでも読みたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 17:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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