2010年02月18日

鍵開けキリエと封緘師  小箱は開くのを待っている


鍵開けキリエと封緘師  小箱は開くのを待っている (富士見ファンタジア文庫)

鍵開けキリエと封緘師 小箱は開くのを待っている (富士見ファンタジア文庫)

  • 作者: 池田 朝佳
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2009/12/19
  • メディア: 文庫



この作品は大統領のイラストに釣られて買ったように記憶しています。


あらすじとしては、鍵開けの天才キリエが妹のミドリカに連れられて向かった監獄砦で檻に囚われた≪大統領≫と出会い、その檻の鍵を開けようとするお話。


これはすごく面白かったです。鍵を開けるというただそれだけの行為に封緘術(シギルム)という魔法の要素を加えることでここまで話が膨らませられるとは、まさに目から鱗が落ちました。時々セリフが誰のものかわからなくなったり、文章構成がちょっと雑かなと思えるところもありましたが、ストーリーの発想や展開のさせ方はデビュー作としてはかなり上手かったと思います。本格的にラノベを読むようになってからそれほど長くはないのですが、新人作家さんのデビュー作としてはこれまで読んできた中で一番面白かったと言ってもいいのではないかと思います。

病的なまでの衝動に任せてひたすら目の前の鍵を開けていくキリエの姿は、ただそれだけでも何かに熱中する少年ということで惹かれるところがあります。でもそれだけではなくて、≪大統領≫との出会いや封緘師(シギルムス)との関わりを通して鍵開け以外のことにも興味を持ったりそれまで知らなかった自分の感情に気付いたりするなど、主人公が精神的に成長する姿もしっかり描かれていました。主人公の成長にストーリーの重点が置かれるのは当然といえば当然のはずですが、個性的なキャラが溢れる昨今のラノベ作品としてはこういう基本をしっかり押さえた作品は数少ない気がします。≪大統領≫の檻の鍵を開けるにはまだまだ掛かりそうだし、キリエも封緘術を使えるようになったことで今後も少しずつ成長していく姿が描かれそうでとても楽しみです。

≪大統領≫自身が檻の鍵は開いてはならないとわかっているけれども、長い間檻の中で過ごしてきた退屈をしのぐというそれだけのつもりでキリエに付き合っている、というのも今後の展開のポイントになってくるのでしょうか。今後は≪大統領≫の気が変わる前にキリエは檻の鍵を開けることができるのか、という時間との戦いとなる展開が予想されますね。とはいえ、実際に開けられるほどに力がついてしまうと≪大統領≫の方から会うことを拒絶するようになりそうなので、その辺り難しい展開になるのかもしれません。

そういえば、≪大統領≫についてはその本名さえ不明のままですよね。かなり昔から生きているようですが、その辺りは封緘術によるものなのでしょうか。それと、過去の争いでなぜ封緘術を封じることにしたのかという理由や、なぜ≪大統領≫がいる監獄砦がかつてのウィヌムの所領にあるのかという事情も気になります。2巻以降ではその辺りのことが明かされるのでしょうか?【封印の小箱(アルカ)】にちなんだかつての封緘師の話ももっと聞かせてもらいたいところですね。


という感じで感想はここまで。これはおススメ。続きが出たらすぐにでも読みたいです。


posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 05:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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