2010年02月08日

逆理の魔女


逆理の魔女 (集英社スーパーダッシュ文庫)

逆理の魔女 (集英社スーパーダッシュ文庫)

  • 作者: 雪野 静
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/09
  • メディア: 文庫



見掛けたときにはタイトルから目をひかれたのですが、イラストが少女モノっぽくて遠慮しようかとも思いました。ですが、主人公を溺愛する姉という設定を知ってこれは買うしかないと思ったように記憶しています。自分の本の選び方も大概だなと思えてきますね。


冥月空白(マシロ)が出会った少女・逆月雨坏は自らを魔女と名乗った。その出会いは珍妙なものだったが、興味を持った姉の空白(ソラ)とともに積極的に彼女と接するようになる。そんななか、彼女の有する逆理の力を狙う者が現われて……、という感じのお話。


話としてはこじんまりとしているけど、一冊で上手くまとまっている印象。マシロと雨坏とソラの三人のキャラの作りはとてもよかったですね。魔術士同士の戦いもありましたが、こちらは思っていたよりもあっけなかったです。どちらかというとストーリーよりもキャラを重視して読む人に向いている作品かもしれません。その意味でわたしにはとても面白い作品に思えました。

なんといってもソラのインパクトが強すぎます。一般人であるにもかかわらず、驚異的な身体能力と思い切りの良さで時に魔術士をも圧倒する姿は、むしろこっちがメインのヒロインではないかと思ってしまうくらいです。正直他のキャラが霞んで見えます。
雨坏をぎゅーっとしたり、憎悪する相手を容赦なく攻撃したりなど、感情に素直に行動するというのも魅力的。まあでも、この人の場合殺すという言葉が冗談に聞こえなくてちょっと怖かったりもしますが。少なくとも一人にはトラウマまで植えつけたみたいですし。
とはいえ、一応は一般人なのでかなりの無茶をする分傷つくことも多いのは当たり前でしょうか。人一倍というレベルよりもはるかに強い感受性の持ち主ですからね。歌姫としてはとても役に立っているのでしょうが、弟のマシロの支えがなければすぐにつぶれてしまうという言葉にも納得。そういう意味ではソラにとってマシロは本当になくてはならない存在なのでしょう。雨坏もだんだんそういう存在になっていくのでしょうか?そういえば、雨坏も含めたスリーショットはなんだか三姉弟みたいな感じがしましたね。もちろん雨坏が一番下。それと、父親との冷戦のきっかけになったという芸能界デビューの時に何があったのかというのも気になります。マシロのためを思ってというのもあるみたいですが、本当のところはどうなのでしょうね。
などなどと、考えれば考えるほど半端ない人です。ここまでくると生活能力皆無という欠点さえ魅力に思えてきます。ホント大好きです、このキャラ。


と、ソラについて書いていたらそれだけで書きたいことを書きつくしてしまった感があるので、今回の感想はこのあたりで。新人賞作品なので一応一巻完結のつもりで書いてあるのでしょうが、ぜひともシリーズ化してもらいたい作品です。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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