
竜王女は天に舞う―One-seventh Dragon Princess (MF文庫J)
- 作者: 北元あきの
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: 文庫
この作品はあらすじを見たときには面白そうだとも思ったのですが、口絵を見てこういうのは苦手かもと感じて読もうかどうか迷いました。最終的には登場人物に王女がいるということで購入。そろそろ王女ならなんでもいいのかと言われれば否定できないような気がしてきました。
魔術士養成学校<竜の箱庭>から盗まれたものを取り戻そうとしていたシグは偶然その棺を開けてしまう。中から現れたのは<ヴァルハラ舞踏会>の七人の竜王女のうちの一人・ルノアだった。父の汚名を雪ぎたいと願うシグは、最後まで生き残った者に与えられるという叡智を得るべくルノアのパートナーとして<ヴァルハラ舞踏会>に参加することを決心する。ところが、ルノアはパートナーなど必要ないと言いだして……、という感じのお話。
設定からは非情な殺し合いのゲームっぽくなりそうな感じがするのですが、そうはならずラブコメっぽく落ち着いてしまっているのがやや残念。まあバトルもあるラブコメだと思えばこんなものなのでしょうね。
とりあえずザウエル先生の渋い活躍がこの作品の唯一の魅力だったかなと。低いテンションと高い実力を兼ね備えたキャラっていいですよね。それだけに主人公サイドから離れて出番が減りそうな感じになったのは残念でなりません。あまりラノベに似つかわしくないキャラだとは思いますが、ラノベばかり読んでいる身には新鮮に映りました。そのためか、この作品のストーリーはラノベというよりも映画に近いような気がしました。ラブコメは完全にラノベ的展開でしたが。
一転して主人公サイドですが、一人減って一人加入したことで人数的には変化なし。ただし、先生が抜けたことで戦力が大幅にダウンするのは否めません。終盤とっておきっぽく発動させたシグの魔術もそれほど強いものでもなさそうでしたし、今後は苦戦必至といったところでしょうか。というよりも少ししか出てきていないはずの敵の組織が強過ぎるような気がするのですが。今のままで勝てる気はまったくしないのですが、どう切り抜けていくのでしょうか?気になるような、ならないような……。
と、今回の感想はこんな感じで。続きを読むかどうかは微妙なところ。今月2巻が発売されるようですが、買いに行く時の気分次第となりそうです。