2010年01月08日

空の境界(上)


空の境界〈上〉 (講談社文庫)

空の境界〈上〉 (講談社文庫)

  • 作者: 奈須 きのこ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 文庫



劇場版も公開されててかなり面白いと評判の作品だったので以前から読もうかどうか迷っていましたが、zoomeのメイトさんに勧められてついに読む決心をしたという経緯があります。


実際呼んでみたところ、評判などである程度の情報は仕入れていたのですが、こういう伝奇はやはりわたしの好みによく合います。ただし、全体的にやや勢いが物足りないかなと感じました。

この話は章ごとに半ば独立しているように思えるので、今回は章ごとに感想を書いてみます。


まずは俯瞰風景。これはキャラクターや世界観の説明なども兼ねた序章というところでしょうか?初めて読んだときはストーリーに入り込む前に読み終わってしまい拍子抜けしました。私服OKの学校というのはわたしのいた高校みたいだなと思いましたが、それ以外特に何か思うところもなく、これだけではまだよくわからないという感じでした。


続いて殺人考察(前)。こちらでは一転して高校時代、まだ式が交通事故に遭う前の話です。唐突に時間が逆戻りするので戸惑いましたが、3章でもおそらく1章の前に飛んでいるのでこの作品はそういうものだと思うことにしました。章題は前編となっていますが、きりのいい終わり方なので後編がこの巻にないことを忘れてしまうくらいです。この章では猟奇殺人が起こっていて1章よりも伝奇っぽさが強くなっています。そういう展開も好きなのですが、それ以上に「君が好きだから、信じ続けていたいんだ――」という幹也の言葉が心に響きました。危うげなヒロインとその娘が気になって仕方ない主人公というのは定番ともいえますが、こういう人物関係は捨てがたいと思うのですよ。そのことが元で悲惨な目に合ったとしても、まだ式のことを好きでい続ける幹也はラブコメの主人公としてはかなりいいキャラだと思います。ただし、この作品は伝奇が主題であるようなので、そこで活躍できなくてどうしても影が薄くなりがちなのは残念です。
終盤少し話が飛んでいるような気がするので、後編で展開されるとしたらそのあたりの話でしょうか?


最後は痛覚残留。前編の後に後編が続かないのであれ?と思いましたが、どうもこの作品はいろいろとこちらの予想を裏切ってくれるようです。最初に読んだときはこれは1章の後の話だと思っていたのですが、よくよく読んでみると1章が8月初めで3章は7月終わりだから、実は1章のほうが後になるのかとようやく気づきました。それはともかくとして、この章はこの巻の中で一番狂ってましたね。殺人嗜好の式と無差別に人を殺し始めた藤乃。あらゆる物事の死を映す瞳を持つ式と手を触れずに物を捻じ曲げられる藤乃。二人の常軌を逸した人間による狂った戦いは読んでいてゾクゾク来るものがあります。読む前にイメージしていた空の境界というのは確かにこんな感じの話でした。2章読んで幹也いいな〜と思ってましたが、3章読んだらやっぱバトルだろうということになってました。
そのほか表現の面でもチャンネルの比喩などは独特だけど面白いな〜と思いました。こういう細かいところも話の雰囲気を出すのに一役買っているように思えました。


この作品はレーベルの関係からか挿絵はほとんどなし。でも、MADで時々見かけるおかげか人物像などは結構はっきりとイメージできました。


この感想を書くために改めて読み直してみたのですが、初めに読んだときよりは勢いがあるように感じました。メイトさんによるとこれからさらに面白くなってくるということなので、積んである中巻もすぐに読んでみたいと思います。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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