2009年11月24日

花守の竜の叙情詩

以前MADができるまで更新はしないと書いたのですが、進度が思っていた以上に遅いのでちょっとずつ更新を再開することにします。

花守の竜の叙情詩 (富士見ファンタジア文庫)

花守の竜の叙情詩 (富士見ファンタジア文庫)

  • 作者: 淡路 帆希
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2009/06/20
  • メディア: 文庫



この作品は、マイナーな良作をと探していたときに目についたので読んでみた作品です。実は全然マイナーではなかったと後で知ったのですが、『紅牙のルビーウルフ』の作者だと気づけないようではラノベ読みとしてまだまだだと思い知らされました。


ストーリーとしては、帯に書いてあった「支配したものとされたもの。それは宿命の恋」というキャッチフレーズで十分表されていると思います。あらすじからも予想できましたが、実際に読んでみるとタイトル通り叙情詩のような幻想的な雰囲気の話でした。ておバルトが王位継承争いで兄から邪魔者扱いされたり、己の罪を知らないからとエパティークを蔑んだりと、綺麗ではない描写も含まれていたのですが、読み終わった後で振り返ってみるとなぜだか童話のようなとても綺麗な話だったように思えます。所々で歌われたニテンスの水の乙女の歌のおかげでしょうか?

最後の章でエピローグのような形でその後が少し描かれ、ニテンスの水の乙女の歌で物語が締めくくられていたのはとても印象的でした。感動できるラノベ作品というのも久しぶりな気がします。ラブコメも好きですが、こんな感じの作品ももっとたくさん出てほしいですね。単にわたしが知らないだけかもしれませんが。

この話の主人公は、初めはテオバルトだと思っていたのですが、最後まで読んでみるとどうもアマポーラのように感じられました。初めは囚われの身となりながらもなぜ自分がこんな目に合うのかと嘆いてばかりいましたが、旅の途中で元の国民からも憎まれる身であると知り、身売りされたエレンに自分を重ねて世話をしたりテオバルトと心を通わせるうちにすっかり気品あふれる魅力的な女性へと変貌したそのギャップは驚くばかりです。そして、そのように「エパティーク」から「アマポーラ」へと変わった姿を目にしたラダーがテオバルトに言った台詞には激しく同意します。

イラストも、これまたファンタジーの雰囲気によく合っていたと思います。文章だけでなくイラストも見ているとますますアマポーラのことが好きになれます。絵師さんの名前はフルーツパンチさんというのですか。これは要チェックですね。

キリもいいし一巻完結の話として素晴らしい作品に出合えたと思っていたのですが、ファンタジア文庫の刊行予定を見ていると来月2巻が出るようです。正直あそこからどう続くのか全く予想できないのですが、1巻がこれだけいい話だったので、2巻にも期待できそうです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 07:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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