2009年10月12日
神曲奏界ポリフォニカ クリムゾンS D
この作品は、コーティのツンデレを楽しみつつ主人公の頑張る姿を一番に期待する作品、と自分の中で位置付けているシリーズです。
前の巻では寸止めの連発でストーリーがほとんど進まず読んでいてどうしてもモヤモヤした気分から抜け出せなかったのですが、この巻ではその溜めた勢いを利用したかのような急展開でした。コーティの過去や学院長の素性が明かされたり、敵が現われて一気にバトル物っぽくなったりと、前の巻までに少しずつ貼られていた伏線が一気に回収されたかのようなハイペースでした。前の巻までの学園ラブコメ風の雰囲気から一転してバトルが中心になりそうな展開ですが、わたしとしては望むところです。
ただ、とびきり優秀な学生たちとはいえ、一介の学生が世界の運命を掛けて戦うという展開は、少年マンガとしてはありだと思いますがラノベにはあまり合わないような気もします。あとがきに次の巻でこのシリーズも一旦終了とありましたが、それにしては戦いに向かう人たちがまだまだ頼りないように見えて仕方ありません。
一人ひとりが戦いに向かうことを決意する夜の場面の心理描写はとてもうまかったです。それで上記のような展開も納得しかけてしまいましたが、こういう場面を自然に描けるところはさすがですね。
それと、この巻でフォロンとコーティの固い絆が描かれていたシーン。ああいうシーンは大好きです。明かされるコーティの暗い過去、それでも揺らがぬフォロンの想い。
いつものツンデレなコーティもいいですが、自嘲気味なコーティはなおよかったです。その辺りのコーティのイラストを見て、たまにはこういうコーティもいいかもなんて思ったりしてました。でも、イラストで見るならこの巻ではカラーの口絵が一番ですね。
毎巻ついてるsupplement。この巻のものは、作者もあとがきで書いてますが、あれはちょっと無理がありますね。
そんなこんなで、次の巻でこのシリーズは一旦終了だそうです。一体どういう風に決着がつくのか?次の巻の発売が楽しみです。
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