2021年01月01日

2020年をふりかえる(読書編)

2020年の本の購入数は348冊(紙・電子合わせて)。
2020年の本の読了数は276冊(同上)。

買った本の約79%分くらいは読めたということで。さすがに読めない本を買いこみすぎてる気がしてたので、2020年はちょっとセーブしました。読めた本の数も減ってますが、2019年に400冊くらい読んでて、数が多ければものいいというものでもないなと思ったりもしたので。2020年は特に読了数を気にせず気の向くままに読んでました。なのでわりと時期によって数にムラがありますが、まあそんなものということで。

むしろ、どれだけいい本との出会いがあったかのほうが大事だなと思ったりもしますが、「いい本」とは何かというのが自分のなかでは時期によってぶれまくるので、わりとまとめる賞味期限が短いというか。読んだ時期が最近のものばかりになる気しかしないので微妙なところ。

とはいえ2019年と比べて特徴的だったと思える本や傾向的なものは一応あるので、そういったところをいくつかあげていきたいと思います。


まず、2020年はライトノベルに限らず小説の読了数が減りました。276冊のうち、なんとたったの32冊。外国語の文章を読んでたり、そもそも本を読む気分にならなかったり、人文・科学系の本を読んでたり、外国語の文章を読んでたりして、小説を読むタイミングがあまりなかったという。読めるタイミングはあってもそれより優先して読みたいものが常にあって、小説を読むところまで手が回らなかったんですよね。物語を摂取したい欲求に関しては、マンガのほうが短時間で満足できるので、ほとんどそっちに流れてしまった模様。

とはいえそれでも、小説でしか得られない楽しさはありました。それはずばり、女性向けのロマンス/TL小説ジャンルですね。心の奥深いところまで満たされていくような幸せな心の交流を描いてくれる物語としては、マンガよりも小説のほうが媒体としても描写の密度としてもきわめて優れているんですよね。

そんなロマンスジャンルで2020年読んだ本から一冊あげるとすると、ジェイン・オースティン『高慢と偏見』(中公文庫)になりますね。言わずと知れた古典名作ですが、読んだのはこれが初めて。そしてこれは、どうみても女性向けの恋愛小説ですね。当時の英国の地主階級(?)の姿をていねいに描きながら、そんな階級に生まれた女性主人公の結婚にいたる恋のやりとりがユーモラスに描かれていく様子がめちゃくちゃおもしろかったんですよね。出会いは嫌味な感じ、けれど遠慮のないやりとりを重ねていくうちに、余人には代えがたい信頼感を伴った関係性が築かれていくという。これは、現代のロマンス/恋愛小説の中に混じっても色褪せない、時代を超える名作だと思いますね。


次にはマンガ。なんですけど、いちばん数を読んでいるだけに、マンガ全体でひと言でまとめてこうだったと語るのはさすがに無理なので、何作かピックアップだけしておくことにします。

粉山カタ『不可解なぼくのすべてを』(GOT)は性別をテーマにしたまっすぐ青春マンガ。まっすぐすぎて衝突したりもするけれど、その魂からの叫びの描き方がうまいんですよね。最新4巻ではいよいよ個人から家族の問題へとなってきて、次で完結とということとあいまって、どういう結末におちつくのか、最後までとても楽しみなシリーズですね。

ゆうきまさみ『新九郎、奔る!』(小学館)は後世に北条早雲として知られる伊勢新九郎を主人公にした歴史マンガ。新しい学説も取り入れながら描かれる応仁・文明の乱の様子も面白かったですが、領地に下向した4巻からはややミクロな当時の領主層に焦点を当てつつ、そこでの主人公の青春が描かれるのが、歴史ものとしてもそれを抜きにした青少年期のマンガとしてもすごくおもしろくなってきてて要注目だと思うんですよね。

森野萌『花野井くんと恋の病』(講談社)は恋愛感情が重めな男子と初めて恋をするヒロインとのラブコメマンガ。少女マンガとしては進行ペースがゆっくりめではないかと思うんですけど、だからこそ一歩一歩進んでいくふたりの恋愛模様が小説ジャンル並みの密度が描かれていて、読んでいて非常に満足度が高い作品になってるんですよね。高校生活はまだまだイベント盛りだくさんですし、ひきつづき期待大のシリーズですね。

新規開拓枠としては、BLから、ふるやちるこ『世界でいちばんかわいい!』(ふゅーじょんぷろだくと)。女装攻めのBLですね。女装した攻めがふつうにかわいくて、女装すると興奮しちゃう姿がめちゃくちゃえろくて、そんな攻めにめちゃくちゃにされちゃう話はすごくよくて。これは、とてもいいジャンルですねと思った次第。これ関連では松田環『こちらから入れましょうか? ……アレを』(祥伝社)も、BLではないですが、神展開でつづきがとても気になってますね。


その他、歴史系の本は、実はほとんど読まない年でした。特に中世西洋史なんですけど、専門書レベルでないと内容に満足できなくなってきてたんですけど、そのレベルの本は読みすすめるのが大変だったりして、読んでて面白いんだけど楽しくないと感じられるようになってしまって……。

それでもなんとか読めた本としては、何年も積んでた黒田祐我『レコンキスタの実像』(刀水書房)。カスティーリャ王国対グラナダ王国というレコンキスタ後期における、マクロな国と国の対立の下で起きていた国境地帯由来の衝突や和平志向の動きを描き、中央では統制しきれない境域の現実の姿を描きそれがマクロな国同士の関係に与えた影響を考える、とても興味深い一冊ではありました。

これ以後の研究状況も追いかけたいんですけど、出かける意欲のあるときは外出自粛が叫ばれていたり、それがいくらかゆるんできたときは出かける意欲がなくと、どうにもタイミングが合わない感じになってますね。


くわえて、2020年の読書でいちばん特筆すべきこととしては、科学系の本を読むのが面白く感じられるようになってきたことですね。2020年にいちばん読んでたのはもちろんマンガですけど、次に読んでたのは実は日経サイエンスとかそれ関連の本ではなかったかというくらいで。数学嫌いな文系人間として、これまで科学系の本にこれといって興味を持たずに生きてきたんですけど、2019年に日経サイエンスを読むようになって、その別冊の本とかをあれこれ読んでいるうちにだんだんとその方面の面白さがわかるようになってきたというか。買った本を眺めていると、科学系の本がちらほらと目につくようになってきてるんですよね。読む方まではまだあまり手が回ってなかったりもするんですが、2021年はその辺にも手をつけれることを楽しみにしていきたいところですね。

その方面で面白かった本をとりあえず一冊あげるとすると、別冊日経サイエンスシリーズの『感染症 ウイルス・細菌との闘い』になるでしょうか。発売が3月とか4月とかそのくらいなので、コロナ関連の情報は古いものしかありませんが、その他の感染症との闘いの様子やそこからの問題的がいくつも科学的に記されているのがとても示唆に富んでいると思います。


英語やスペイン語の本とかニュースとかも読んでましたが、まあここに書き残すようなことは特にはないですね。そもそも何か書く場所はここでいいのかという疑問が。


そんな感じで、2021年は買った本と読んだ本の数のギャップをもっと縮めつつ、内容面での満足度は維持向上させていけたらいいなというところですね。あとは、小説を読む時間をどう取るかというのが課題になるでしょうか。その辺をなんとかしつつ、でも第一には楽しく過ごすことを最優先でいきたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:19| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする