2019年08月08日

お嬢と番犬くん(1)

お嬢と番犬くん(1) (講談社コミックス別冊フレンド)
お嬢と番犬くん(1) (講談社コミックス別冊フレンド)

『お嬢と番犬くん(1)』(はつはる)|講談社コミックプラス

26歳が高校一年生やるのは無理があるでしょ。

……とは思うんだけど、すごくおもしろそうな展開になってるからまあいいかってなっちゃんだよなあ。

かたやヤクザの孫娘、かたや組の若頭。なんだか危険なかおりのする組み合わせではあるけれど、むしろふたりの関係を見てると甘酸っぱい雰囲気が漂っているのがいい感じ。その一方で、随所に冒頭の点含めてツッコミが入る掛け合いもおもしろくって。

小さいころから組長である祖父のもとで育てられたヒロイン・一咲。彼女からしてみれば、組の皆は家族のようなもの。けれど一歩外に出た世間はその感覚をすこしも共有してくれるものではなく。家のことを知られてはフツーに友だちを作ってフツーに学校生活を楽しむなんて夢のまた夢。そんな学校生活がいやだったから、一咲は家から距離のある高校に入ることにしたのだったという。

にもかかわらず、入学式にクラスメイトとして現れたのが若頭・啓弥だったりするものだから、ちょっと待て貴様とツッコミを禁じえない流れになる展開。笑う。

この啓弥という男、まぎれもないヤクザ者なので、たまに飛び出すジョークがその気になれば即座にジョークじゃなくなるものばかりなのがおそろしいというか。ほかの人たちにはともかく一咲にだけはそれがわかってしまうだけに気が気でなくなってる様子が笑えるんですよね。しかも、高校生らしい演技もさせればばっちりできちゃうものだから、なまじぼっち歴を重ねてきたヒロインよりもすんなりクラスになじんでいってしまう始末。それらに内心含めてツッコミ入れまくらずにはいられないヒロインの様子がとてもかわいかったですね。

まあでもツッコミ入れるのにしたって、10年来の付き合いのある世話係であることもあって、ヒロインからのやりとりって、啓弥に対してだけものすごく気安いんですよね。クラスメイト相手だと借りてきた猫みたいにおとなしくなってるのに(というよりも無力感に包まれてる感じ?)。

それは、ずけずけと、お互い歯に衣着せない言い合いをしたりしても揺らぐことのない信頼関係がすでにあるからであって。一咲にとっての啓弥はどれだけ兄(的なもの)離れしようとしてもどこかで甘えてしまう相手なのであって、一方の啓弥からしてみれば一咲は大事な護衛対象であると同時に大切な大切な女の子なのであって。

ヤクザとは縁のないフツーの学校生活を送りたいと啓弥への想いも振り切るつもりで遠くの高校を選んだはずなのに、高校でも結局は啓弥に助けられっぱなしになっている自分の無力に落ち込んでいる一咲の様子、たいへんにかわいい。

というかこのふたりの関係性、主従恋愛っぽいんですよね。ヤクザのお姫様とその護衛という関係性。一咲は啓弥に捨てられない想いを抱いていて、啓弥としても一咲は大切な女の子である。ひとりだとダメダメな一咲を啓弥が華麗にサポートしてみせたりするのは主従コメディ的なおもしろさもあるし。いやまあ後半、一咲にほかの男子が近づくたびに厳戒態勢で威嚇しまくってたのは別の意味でコメディチックで笑えたりもしたけれど。

とはいえなんだかんだで過保護なくらいに護ってくれる啓弥に対して、想いを捨てるどころか逆に好意を膨らまされて行ってる一咲さんの様子がたいへんかわいくもあり。とても気になる主従ラブコメだと思います。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:16| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする