2019年08月20日

仕事の後は恋しよう

仕事の後は恋しよう
仕事の後は恋しよう

好きなのに相手に迷惑かけちゃうからって身を引こうとする女の子、大好き。急転直下からの力技なハッピーエンドが実にいい百合作品でございました。

自分がドジで要努力な新米社員であると自覚しているだけに、エース級の先輩の足を引っ張るようなことには強く自戒の気持ちが働いてしまう。だからこそ、先輩のほうから一歩踏みこんできてくれても、うれしく思う気持ちもありながらも、それ以上に拒絶しなければならないという心理に支配されてしまう。そうして、いい雰囲気になりかけてたふたりの関係が深刻なすれ違いに突入してしまう。

いやも本当に、こういう泥沼にはまっちゃったような展開を見せる恋愛物語が大好きなもので。百合でもこういう話が楽しめてたいへんに満足させてもらえました。

メインのふたりが社会人としては精神的に幼めな部分があったので、余計に一途で不器用な恋の話として楽しむことができたようにも思います。そんなふたりを見てらんなくて発破かけたり背中を蹴り飛ばして回ったり、助演女優賞もののアシストぶりを見せてくれたキャラについては、その苦労人ぶりがコミカルでおもしろかったりも。

ラストのおまけがたいへんありがたいご褒美でした。不器用すぎて進展がないのはこのふたりらしくはありながら、たまに異様な行動力を発揮する先輩がとてもらしくておもしろかったというか。ラストのラストはいいぞもっとやれというところ。

爽快感があるかはわかりませんが、内面でぐるぐる迷いまくってじれったいくらいの進行状況なふたりを楽しませてもらえる百合マンガでした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 14:19| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月19日

シガレット&チェリー(2)

シガレット&チェリー 2 (チャンピオンREDコミックス)
シガレット&チェリー 2 (チャンピオンREDコミックス)

シガレット&チェリー 第2巻 | 秋田書店

一時期1巻が無料になってるのが目について読んでみた作品。

先輩がいい女すぎてつらい。冷静で辛辣なツッコミはやっぱり冴えてるんだけど、失態つづきの後輩にもなんだかんだで甘いところ見せてくれるし、バカでも暑苦しいくらいにアピールしても否定されずに受け止めてはくれるし。気遣いのできる部分が期待をつなぎとめてくれるものだから、ニヤニヤが止まらなくなってしまうところなのであって。

先輩をめぐる金髪ちゃんとの犬猿の仲なやりとりはあいもかわらず低レベルでしょうもないものなんだけど、そんなやりとりを優しい笑顔で眺めてる先輩の口もとがものすごくいいものであった。

というか、後輩くん、なによりもちゃらい態度で認識されてるのね。笑う。まあでもこのバカさウザさはなかなかないレベルだと思うのでわからなくもない。

ちょっとした波乱じみた展開も起きてるけど、この三人の雰囲気が好きですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:20| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

来世を誓って転生したら大変なことになった(1)

来世を誓って転生したら大変なことになった: 1【イラスト特典付】 (ZERO-SUMコミックス)
来世を誓って転生したら大変なことになった: 1【イラスト特典付】 (ZERO-SUMコミックス)

前世で主従だったお姫さまと騎士の現代日本転生カップルー! しかも年上ヒロインと年下ヒーローの年の差カップル! やりました、こういうのすっごく好き!

しかも、前世では騎士のハロルドのほうが10歳上だったというのに、現世ではひと回りどころかふた回り近くヒロインのほうが年上になってしまったというのがまたポイントで。再会してあまりに年下化したヒーローの年を聞いた瞬間に、「普通に産めた」年齢差(「頑張れば産めた」ではない)という感想が出てくるのがどうしようもないくらいの設定。

けどこのヒロイン、年齢的には四十を手前にしていながら、とてもかわいいんですよね。特にヒーローがキラッキラの男子高校生であることから、一途なアタックを受けてたじたじになってる様子がそれはもうかわいらしいこと。

前の人生では身分差があって来世を誓い合うしかない関係だったけど、現世ならそんな障害ありませんからね。もともとそれほどの想いを抱いていた男として、運命の相手に再会できたなら、どれほど姿が変わっていても、年齢が開いてしまっていても、その気持ちに微塵も揺らぎがないとわかったら、身を引く選択肢なんてありませんからね。ひたすら押せ押せでアラフォーの心臓に負荷をかけまくってるのがたいへんニヤニヤものな展開でして。

いやもう本当に、姫のかわいさをこれでもかと引き出してくれるハロルドが素晴らしいんですよ。グイグイくるハロルドに押されたり、抵抗を示せば捨てられた子犬のようにしょぼんとしてみせるハロルドにやっぱり押されるがままに年甲斐もなく初々しいカップルぶりを発揮させられて照れまくってる表情がかわいいのなんのって。ハロルドさん、わざと狙ってやってますねって部分もあるけれど、それもこれも姫にはこの上ない特攻効果を見せてくれるので、まさにグッジョブという感じ。

姫のほうからすれば、年齢差は現世での恋においては大きなハンデと感じてしまうし、相手が高校生となれば人目も気にせずにはいられない。けれどハロルドからすれば、そんな迷いすらもが自分のことを慮ってくれるからこその感情であり、それすらもがうれしい気遣いでしかないんですよね。

前世の思い出も含めて、すごく素敵なカップルですよね。とてもいい関係のふたりだと思います。つづきがまじで楽しみすぎるシリーズですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 16:19| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月18日

甘くない彼らの日常は(1)

甘くない彼らの日常は。(1) (KC デザート)
甘くない彼らの日常は。(1) (KC デザート)

甘くない彼らの日常は。 野切耀子|デザート|講談社コミックプラス

正座で弟に怒られるヒロイン、かわいい。それでいてその裏に心配する気持ちがあるとわかるとめっちゃうれしそうだし、弟に抱き着くの大好きな弟LOVEぶり。加えて弟のためにも家計を助けるべくアルバイトしてたりしてるし、これはいい弟思いのお姉ちゃん。そのうえ料理壊滅的ときました。なかなかにポイント高いヒロインですよ?

まあそのアルバイト(校則違反)がバレてしまったのをきっかけにクラスの問題児男子三人の面倒を見ることになっていったりと、少女マンガ的にも楽しい展開になっているのがおもしろいところであり。

誤解されがちだが悪い人たちではない彼らの一面を知っているからこそ親身になって気にかけてはいるけれど、なにかとさぼり癖を発揮する彼らの「世話」にげんなりさせられがちなヒロインの表情がとてもかわいい。人並み以上の苦労人でまじめな部分があるからか、彼らがきちんとクラスになじめるようにあれこれ気をまわして面倒を見ようとする姿はまるでお母さんのようというか。まだ高校一年生なのに、笑っちゃいけないんだろうけど笑ってしまいそうな苦労人ぶり。

けれど、そんな問題児たちも見た目通りのイケメンぶりを発揮する瞬間もあって、ヒロインが本気で困ったときには颯爽と助けに現れたりする場面は、ヒロインのモノローグ通りに、ときめかないわけがない展開で、なかなかにいい雰囲気を感じさせてくれるものがあるんですよね。

中にはクセモノなキャラもいるようなんですけれど、それも含めて、次の巻も楽しみにしたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:32| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月15日

狼は花の馨り(1)

狼は花の馨り 1 (Dariaコミックス)
狼は花の馨り 1 (Dariaコミックス)

狼は花の馨り1|ダリアカフェ

このヒロインはかわいい。男だけど。

異質な姿で生まれついたせいで幽閉されて育ったために、他人への警戒心が強く、言葉もしゃべれない、まるで獣のような人間、アルタ。けれど、優しく抱きしめ暖かく寄り添ってくれた主人公のイルウェスに懐いてからの姿はまるで飼い犬が主を慕うかのようで。言葉の習得は遅いんだけど、それだけに余計に幼いしぐさで寄りかかってくる姿が愛らしいこと。

それらが長い髪とあいまって、とてもかわいいヒロインにしか見えなくてとてもかわいいという。

白い髪を持って生まれた子どもは「白鹿」と呼ばれて王族と嫁ぐ定めにあるというこの物語の文化圏では、そんなイルウェスとアルタの関係は身分違いのものでしかないのだけど、それだけに、一心にイルウェスを慕うアルタの姿はとてもいじらしいし、アルタが自分から離れていく運命にあることに眉間にしわを寄せて耐え忍ぼうとするイルウェイの心情もとてもいいものでして。

互いに抱く気持ちが恋なのかは、まだ微妙な気もする。けれど、互いの存在を大切に思いあうその発展途上な気持ちの行く末は、気になるところですね。白鹿仲間のパドマ様をはじめとして、ふたりにとっての親しい人はできてきているけれど、味方になってくれる人間ではいなさそうで、なかなか各所との衝突なしにはうまくいかなさそうではありますが、さて。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 14:25| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月14日

道草屋 芹7 ゆうがた

【初夏耳かき】道草屋 芹7 ゆうがた【湯船怪談】
【初夏耳かき】道草屋 芹7 ゆうがた【湯船怪談】

【初夏耳かき】道草屋 芹7 ゆうがた【湯船怪談】 - 桃色CODE - BOOTH

音声作品としては定番も定番な道草屋シリーズの最新作。個人的にはもうどれを聴いてどれを聴いてないかさっぱりわからなくなってるんですが、そんなときでもどこから聴いてもゆったりした時間やASMR的な音を楽しめるのがたまらないシリーズではあります。

この作品でよかったのは、なんといってもお風呂場の場面ですね。その中の、シャワーや耳舐めのパート。音としてとても気持ちよかったんですよね。

シャワーを流されながら、頭をワシワシする手が耳もとをなでていくときの音、いいですねえ。変化する水の音が耳の奥をちろちろとなでていくようで、ゾワゾワさせられるような気持ちよさがあります。流すときはそれに加えて、耳に水が入らないように耳もとを覆われるぼうっとした音の感覚も加わって、本当にとても気持ちのいいことで。

あと、いつも自分にするときの癖でたっぷりシャンプーとリンスを出してしまう芹さん、かわいい。芹さんって、おちゃめなところがあるのがかわいいんですよね。

そして、このシリーズの耳舐めは本当にいいもので。はむはむと、ちろちろと、くすぐったい程度に耳に触れてはいたずらっぽい笑い声をあげてみせる。この、強すぎず、それでいてもどかしいくらいにもっとほしくなるくらいの絶妙なバランスで刺激を与えてくれるのがとてもいいものなのでして。今回も、中のほうをなぞってみたり、かと思えば表面をついばむようにしてみる舐めかたや、加えて、それに対する反応を楽しそうに堪能しているかのようなボイスが非常によいものでした。特についばむ音は鼓膜から脳髄にゾクゾクとした快感が広がっていくようで、とてもやばい。

耳に入った水を抜くべくトントンする音も小気味のよい気持ちよさで、癒してくれること。

今回も、癒される音でした。音声作品もかなり数が増えてきましたが、このシリーズのよさは不動のものがありますね。また目についた作品があれば聴いてみたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 19:57| Comment(0) | 音声作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月12日

オネエ男子、はじめます。(4)

オネエ男子、はじめます。 4 (花とゆめCOMICS)
オネエ男子、はじめます。 4 (花とゆめCOMICS)

オネエ男子、はじめます。 4|白泉社

最終巻、だと……。前の巻のラストでめちゃめちゃ面白い展開になってたし、まさにここからだと思ってたのに……という気もしたけれど、むしろここで完結するからこその盛り上がりだったのかもしれない?

それくらいに、前回のラストは衝撃的だったんですよね。下手するとあそこからさらに妙な方向に転がってっちゃう可能性もあって、本当にここからどうなってしまうのかと、野次馬的な気になる度が急上昇してしまったくらいで。

とはいえ、そういえば高橋って、おバカだけど目標だけはしっかりしてる男子ではあったかと思わせる急ブレーキぶりは見事であった。

ただし、音鐘さんも別方向で天然なところのある女の子ではあったので、軌道修正かけるにおいても周囲からツッコミ入れまくられないとまた変な方向に流れそうになってたのはもう笑うしかなかったけど。「高橋くん」と「高橋さん」の別人認識が強敵すぎた……。

というか、その誤解が解けたあとも女装姿の「高橋さん」大好きな音鐘さんは実は百合の素養があるように思うのですがどうでしょうか(百合脳)。

というか、誤解も解けたことだし、あの流れからしたら当然ふたり付き合うと思うじゃん? なんで付き合ってないんですかね、あのふたり……。師匠と耀市のツッコミにとてもとても乗りたくてうずうずする。

最後まで、とても賑やかでおもしろいシリーズでした。進展のなさすぎる伊織と杏のふたりとか、もっと見守っていたかった部分もあるけれど、ともあれすごく楽しませてもらったシリーズでした。『水玉ハニーボーイ』のほうも同日最終巻でしたし、作者さんの次回作にも期待したいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 17:06| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月10日

ホテル王はそれを我慢しない

ホテル王はそれを我慢しない【電子特典付き】 (フルールコミックス)
ホテル王はそれを我慢しない【電子特典付き】 (フルールコミックス)

ホテル王はそれを我慢しない | COMICフルール

腹が立って、調子狂わされて、けれどどこか憎めないホテル王。この出会い、悪くない。

経験のない男同士の関係というものに、初めは拒否感しか湧いてこないんだけど、仕事の上では指導も仰げるし信頼できる相手であることがわかってくると、すくなくとも腐れ縁的な友人づきあいは可能になってくる。さらに深く知り合って、真剣な気持ちを向けられると、嫌いではない分なんだかんだで情もわいてくる。そんな受けの心理状態の推移がなかなかにかわいらしくてよかったですね。

初対面からけんかみたいにして出会ったふたりらしく、体の関係はいつも負かし合いのようにはじまるものだから、ムードはあんまりな気もするんだけど、剛腕なホテル王と目つきの悪いホテルマンという、ぱっと見でかわいげのないふたりの関係としてはむしろこれがとてもらしいというか。こういう男同士の関係も悪くないものではありまして。どこまでも腐れ縁っぽいからこそ目が離せなくなるふたりではあったように思います。

絵的にはオフ時とは違った仕事時のアルフの化けっぷりはすごかったですね。酒場が似合う遊び人風のスタイルからアレは想像できませんわ。まあ中身は同じなんだけども。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:11| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月08日

お嬢と番犬くん(1)

お嬢と番犬くん(1) (講談社コミックス別冊フレンド)
お嬢と番犬くん(1) (講談社コミックス別冊フレンド)

『お嬢と番犬くん(1)』(はつはる)|講談社コミックプラス

26歳が高校一年生やるのは無理があるでしょ。

……とは思うんだけど、すごくおもしろそうな展開になってるからまあいいかってなっちゃんだよなあ。

かたやヤクザの孫娘、かたや組の若頭。なんだか危険なかおりのする組み合わせではあるけれど、むしろふたりの関係を見てると甘酸っぱい雰囲気が漂っているのがいい感じ。その一方で、随所に冒頭の点含めてツッコミが入る掛け合いもおもしろくって。

小さいころから組長である祖父のもとで育てられたヒロイン・一咲。彼女からしてみれば、組の皆は家族のようなもの。けれど一歩外に出た世間はその感覚をすこしも共有してくれるものではなく。家のことを知られてはフツーに友だちを作ってフツーに学校生活を楽しむなんて夢のまた夢。そんな学校生活がいやだったから、一咲は家から距離のある高校に入ることにしたのだったという。

にもかかわらず、入学式にクラスメイトとして現れたのが若頭・啓弥だったりするものだから、ちょっと待て貴様とツッコミを禁じえない流れになる展開。笑う。

この啓弥という男、まぎれもないヤクザ者なので、たまに飛び出すジョークがその気になれば即座にジョークじゃなくなるものばかりなのがおそろしいというか。ほかの人たちにはともかく一咲にだけはそれがわかってしまうだけに気が気でなくなってる様子が笑えるんですよね。しかも、高校生らしい演技もさせればばっちりできちゃうものだから、なまじぼっち歴を重ねてきたヒロインよりもすんなりクラスになじんでいってしまう始末。それらに内心含めてツッコミ入れまくらずにはいられないヒロインの様子がとてもかわいかったですね。

まあでもツッコミ入れるのにしたって、10年来の付き合いのある世話係であることもあって、ヒロインからのやりとりって、啓弥に対してだけものすごく気安いんですよね。クラスメイト相手だと借りてきた猫みたいにおとなしくなってるのに(というよりも無力感に包まれてる感じ?)。

それは、ずけずけと、お互い歯に衣着せない言い合いをしたりしても揺らぐことのない信頼関係がすでにあるからであって。一咲にとっての啓弥はどれだけ兄(的なもの)離れしようとしてもどこかで甘えてしまう相手なのであって、一方の啓弥からしてみれば一咲は大事な護衛対象であると同時に大切な大切な女の子なのであって。

ヤクザとは縁のないフツーの学校生活を送りたいと啓弥への想いも振り切るつもりで遠くの高校を選んだはずなのに、高校でも結局は啓弥に助けられっぱなしになっている自分の無力に落ち込んでいる一咲の様子、たいへんにかわいい。

というかこのふたりの関係性、主従恋愛っぽいんですよね。ヤクザのお姫様とその護衛という関係性。一咲は啓弥に捨てられない想いを抱いていて、啓弥としても一咲は大切な女の子である。ひとりだとダメダメな一咲を啓弥が華麗にサポートしてみせたりするのは主従コメディ的なおもしろさもあるし。いやまあ後半、一咲にほかの男子が近づくたびに厳戒態勢で威嚇しまくってたのは別の意味でコメディチックで笑えたりもしたけれど。

とはいえなんだかんだで過保護なくらいに護ってくれる啓弥に対して、想いを捨てるどころか逆に好意を膨らまされて行ってる一咲さんの様子がたいへんかわいくもあり。とても気になる主従ラブコメだと思います。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:16| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月06日

やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚

やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚 (ファミ通文庫)
やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚 (ファミ通文庫)

やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚 藍月 要:ライトノベル | KADOKAWA

これはよい年上ヒロインファンタジーラブコメであった。

特に、三姉妹の一番上のオルカさん。これが、おもしろくらいにポンコツなおねえさんでして。……いや、普段はクールで凄腕な魔物狩りなので、ポンコツという言葉からすぐに想起されるキャラとは違うんだけども、主人公の前でだけおかしいくらいのポンコツぶりを発揮してしまう人なんですよね。……と書いたところで、やっぱりポンコツは違うだろうかという気もする。でも、主人公の前でだけ普段のクールさが跡形もなく消え去って、不審者まがいの動揺ぶりを力技で押し隠そうとして塩対応レベルでクールすぎる感じになってしまう様子は、平時の頼れる魔物狩りぶりと比べるとどうしても「ポンコツ」という言葉でもって形容したくなるものでありまして。

三姉妹ともに主人公の少年に好意を抱いているのではあるけれど、ほかの誰よりもその想いが強いがゆえに、またそれまでそうした想いとは無縁の人生を生きてきたがゆえに、好きな相手を視界に入れるとあふれ出んばかりの感情を処理しきれずにてんぱってしまう様子がたいそうかわいらしいことで。

まあただでさえ、この話の主人公のレン君はまだ声変わりも来ていなさそうな少年にすぎなくて、その一方で三姉妹の最年長オルカは彼と比べれば片手に余る年齢差。本気の気持ちを伝えればその瞬間に犯罪臭がただよってきそうな絵面であり。それに、その年頃の少年にとって、その年齢差がどれほど大人と子どもという隔絶を感じさせずにはいられないものかを考えれば、自分の気持ちは迷惑になるものでしかないと、自嘲ぎみになるのもうなずけようというもの。

ただし、少年の側からすれば、そんなオルカの葛藤はなんのその、女性ながらに魔物狩りとして男顔負けの実績を積み重ねるオルカたち三姉妹は少年心にはヒーローのような存在であって。なかでもその長姉にして最強のオルカは憧れの存在ですらあったりしたわけで。

奇妙な態度を取ってしまって呆れられたかもとか嫌われてしまったかもなんて、ひとり百面相したり奇声をあげたりしてるオルカの様子は、それでもレン君の前では精一杯にかっこいい大人の女を取り繕おうとして取り付く島もない感じの態度になってたりするのと合わせて、それはもうニヤニヤと眺めさせてもらえるものでして。たいへんにやにやしいラブコメぶりでございました。

そして、そんな彼女の想いが報われるラストの展開を見ていると、これ、実はレン君の物語じゃなくてオルカの物語だったのでは、なんてことも思えてきたり。

後半、魔物あふれるファンタジー世界らしいバトルもあったけど、そうした命懸けのバトルを経た末のラストがようやくそこなのかという到達点は、おそろしくじれったいくらいの遠回りな第一歩だなあなんて思わされたりもしましたが、個人的にはこういうの大好きなんですよね。これで終わっても話としてはきれいな終わり方だとも思うけど、可能ならばその先の彼女たちの姿を見てみたいという気持ちにさせられるものがありますね。

実に興味深い【年上のお姉さん学】なる学問ともども、シリーズのさらなる進展を期待します。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:23| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする