2019年06月30日

CK2:聖地には一度も向かってないのに……

ここのところ、本を読むにも感想を書くにもやる気が出ないので、久しぶりにひっぱり出してきたゲームをやってる。

離れていたうちにもアップデートは進んでいて、ここ何年分ものDLCが未導入の状態なのだけど、マップが広がったり、プレイ可能な年代の選択肢が増えたりしてることもあり、久しぶりでも新鮮な面白さである。ただ、AIも進歩しているのか、ノーマルモードだと勝てなくなってしまった感があり、イージーモードにしないと楽しめなかったのはやや悔しいところでもあり。

ともあれ、いまの記録では、ノルマンコンクエスト成功後のシナリオで、セビージャの太守からはじめてイスパニアの「皇帝」(相当するイスラーム系の称号ってあるんだろうか?)にまでは即位済み。

現在の支配地域は下図の通り。イベリア半島から対岸アフリカの一部にまたがる黄土色の地域が勢力圏。
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今日のプレイのハイライトはこちら。第二回対南仏十字軍。
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ガスコーニュ・トゥールーズ・プロヴァンスの南仏三州をほぼ征服下に収めていることから、十字軍の標的にされるんですよね。

そして、十字軍のシステムもいろいろ様変わりしてて。開始の2年くらい前から、キリスト教諸侯・ムスリム諸侯それぞれの参加者が公開式に募られて、期日になった途端にその全員が参戦するという仕組み。なので、どちらの勢力ともにあっちからもこっちからも軍勢が群がってきて、参戦兵力が簡単に以前の倍以上に膨れ上がること。

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巻き込まれる方としてはかかりっきりになるしかないし、ある種の災害みたいな厄介さのあるイベントになってますね、これ。中世という当時の一大イベント感がより感じられる気もするけれど。

ともあれ、今回は第一次に比べると、苦戦した場面はなし。神聖ローマ帝国が不参加だったのが大きいですね。あそこ、一対一でも下手したら負けそうな勢力持ってるので。
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無事、勝利。
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今日はこれだけでもういろいろやりきった感。


そういえば、十字軍の裏でサンセット・インヴェージョンのイベントが進んでて、地理的に攻め込んでこられかねない場所なんでびくついてたんだけど、これはこのまま来ないパターンと思っていいんでしょうかね?
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そうであってほしい。でないと、十字軍のさらに倍の兵力なんかに押し寄せられたら、勝てるはずがないので……。

あと、今回の十字軍に不参加だった神聖ローマ帝国。こちらも十字軍の裏でセルジューク朝のカリフによってジハードの標的にされたらしく、セルジューク朝と神聖ローマがエジプトで激突とかいう、IF歴史的にとてもおもしろい展開になっているようで。

こちら、ジハードなので参戦もしようと思えば可能ではあるんだけど、十字軍・ジハードの仕様変更の一部として、征服した土地の獲得者はあらかじめ決定のうえで開戦されることになったようなので、参戦することにそれほど利益があるかというと、微妙なところかなというところでもあり。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 04:43| Comment(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月25日

薬屋のひとりごと(2)

薬屋のひとりごと 2 (ヒーロー文庫)
薬屋のひとりごと 2 (ヒーロー文庫)

今回の話は前巻に比べるとややすっきりしない事件が多くて、どうにも盛り上がりに欠けるかなーなんて思いながら読んでいたら、最後でいい話にしてくるものだからずるい。言われてみればあのキャラの名前って、そういうことじゃないですか。なんで途中で気づかなかったのか。

いやもうほんと、こういう話大好きですわ。悲恋ですねえ。当事者の誰にとっても手放しで喜べる結末ではない。けれど、過ちからつらく苦しい目を見た末に、ひとすじの救いが訪れる。泣けてきますね。いい話でした。

舞台が後宮から移ったこともあって、やや華やかさに欠けるかなと思ったりもしましたが、こんなぐっとくる男と女の話が展開されるとは。驚きながらも楽しませてもらいました。

そしてその一方で、猫猫と任氏の関係はあいかわらずにコメディ的で。高順の悟りが捗る勘違いなすれ違いっぷりに笑わせてもらいました。まあ「特殊趣味」ですからねえ。でも、ラストは、うん、あれは頭突きのひとつも喰らわされるべき雰囲気クラッシャーな所業だったと思うんですよ。猫猫さんにはしっかり反省したうえで蛞蝓を見るような視線から出直していただきたく……。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 15:29| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月24日

星間帝国の皇女―ラストエンペロー―

星間帝国の皇女 ―ラスト・エンペロー― (ハヤカワ文庫SF)
星間帝国の皇女 ―ラスト・エンペロー― (ハヤカワ文庫SF)

皇帝の衰弱によって本来は皇位を継ぐとは目されていなかった皇女が皇帝としての務めを果たしはじめることになる帝都と、反乱軍が支配者である公爵に反旗を翻す辺境の惑星エンドと。超光速の奔流フローを隔てて遠く離れた地で起こる出来事が、巨大な星間国家全域を巻き込む事態となっていくスケール感が非常におもしろかった。

慣れない皇帝の立場にとまどいながら、それでも即位早々に人類存亡の危機に立ち向かうことを余儀なくされた新帝グレイランド2世。なかなかに不運な即位の巡りあわせだと思うし、そのうえ父帝をはじめとして当初から喪失つづきで心が休まる暇もないように思えてつらい状況ではある。

シリーズ一作目であるこの一冊でひとつのファックな山場は越えた感はあるけれど、けれど最終的な到達点はまだ見えていないのであって。ここからどんな打開策が打ち出されていくのか、どんな思惑が絡んでくるのか、どんな展開になっていくのか。とても楽しみなシリーズになりそうですね。

あと、なにげにへーと思ったのが、「尊厳の複数」というもの。これは、皇帝になったカーデニア(グレイランド2世)が、尊称的な自称として「I」ではなく「We」を使いだしたことを指してのもの。ちょっとほかの用例を目にしたことがないのでなんともいえないんですが、実際に歴史上でもなされていた用法なんだろうか? とても関心がある。そういえば、スペインのドラマ『イサベル』では、(1話冒頭しか見てないんだけども)王女時代のイサベル1世に対して臣下から呼びかける際、二人称の複数系が用いられていたような記憶が……。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 14:40| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月19日

JCオリヴィアのプリティ・プリンセス日記

JCオリヴィアのプリティ・プリンセス日記 (小学館ジュニア文庫)
JCオリヴィアのプリティ・プリンセス日記 (小学館ジュニア文庫)

JCオリヴィアのプリティ・プリンセス日記 | 小学館

自分のことをフツーの女子中学生だと思っていたら、実は某国のプリンセスだと発覚した女の子・オリヴィアの話。

この巻のお話としてはまさに序章といった感じ。自分の出自がわかって、本当の家族と対面して、彼らといっしょに暮らすことになって、以上終わり、みたいな。その間にちょっとした展開はあったものの、プリンセスな物語としてはまさにこれからというところ。つづきももう出ているので早いうちに読んでみたい。

そんななかでも、友人のニシとのやりとりはよかったですね。プリンセスフリークで、なりたてほやほやのオリヴィアよりはプリンセスなるものに詳しくてあれこれ教えてくれるお友だち。オリヴィアの出自がわかってからも、それまでの親しさはそのままに、身近に本物のプリンセスがいたなんてと、興味津々でメッセのやりとりで盛り上がってる様子がとてもかわいらしいこと。

あとは豊かな暮らしはさせてもらえてなかったオリヴィアが、プリンセスな生活の一端に触れて、そのセレブぶりというかリッチぶりへの驚きをニシと共有してる様子もなかなかいいもので。

そういえば、この作品、調べてみたら、オリヴィアの実の姉にあたるプリンセス・ミアの物語も存在していて、そちらも邦訳されているとか(やや古めの作品なので手に入れるのは難しいかもだけど)。次回の話はそのミアの結婚式ということで、ということはもしかして、この作品はそちらのシリーズの実質的な続編にあたるんだろうかと思えたり。気安く胸のうちを明かすことのできない立場のヒロインの記す日記によって物語がつづられていくという形式も同様っぽいですし。

前後の展開がどちらも気になるシリーズですね。楽しみにしたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:44| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

裏世界ピクニック(2)果ての浜辺のリゾートナイト

裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト (ハヤカワ文庫JA)
裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト (ハヤカワ文庫JA)

空魚と鳥子が完全に飲んだくれになっておる……。酔っ払って飲み屋はしごしつつ小桜さんに飯テロ連投とか大迷惑すぎるんですけど。しかもあげくの果てにはどこで使うのかわからない機械をカードでぽんとお買い上げして送りつけちゃったりとか、こんな女子大生いやすぎる……。いやまあ農機に関してはこの巻のうちになぜか使い道があったんですけど。なぜか。

でも、やっぱりこのふたりの雰囲気ってすごくいいんですよね。鳥子がノリで料理を頼みまくって、こんなに食べられるのかと文句を垂れつつもがんばって消化に回る空魚とか、それをながめて機嫌よさげにニコニコしてる鳥子とか、冴月の話になるとムキになって話題を終了させにかかる空魚とか、どこを取ってもすごく百合な雰囲気ただよわせてるんですよね。

基本的にはノリ優先の鳥子をしっかり者の空魚が手綱とりつつ行動してる……ようでありながら、それは視点人物である空魚の認識にすぎなくて、空魚もたいがいあちこち抜けてるのを、気づかないうちにサポートされててしょうがないやつだなあみたいに思われてるのがとてもよいものであるのでして。

そして空魚ちゃん、いつもはねくらなオタクっぽい女の子なのに、キレたらテンション上がっちゃうタイプなのがとてもかわいい。怪異相手にも逆上してみせたりとか、普段はおとなしいわりにキレたらなにするかわからないこわさがあるというか、鳥子に対する気持ちも年齢のわりには幼い執着的なところがあったりして、なんというか病みの素養を感じさせる子ではありますよね。かわいいかわいい。

鳥子のほうは基本的に冴月が中心ではあるものの、その一方でそんな空魚ちゃんのめんどくささをしょうがないなあしてる感じがでてきたりもしてて。このふたりの関係がどうなっていくのか、とても気になるところですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 19:20| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

やがて君になる 公式コミックアンソロジー

やがて君になる 公式コミックアンソロジー (電撃コミックスNEXT)
やがて君になる 公式コミックアンソロジー (電撃コミックスNEXT)

やがて君になる 公式コミックアンソロジー 仲谷 鳰:コミック | KADOKAWA

最初の3人がいきなりほかの連載作品を読んでる作家さんばかりでテンションあがった。描いてるのはやが君のキャラを描いたアンソロジーのはずなのに、これもうあの作品のあのキャラだよね、画風とかキャラ描写的に、という感じに読めてしまって。こういうの、なんというんでしょうね。同じ役柄をいろんな役者さんの組み合わせで見ているかのようなというか。やが君のキャラを借りても隠れることのない、いろんな方の作家性とでも呼べる作風を楽しめたのがなんとも新鮮なおもしろさでした。

以下、いくつかの話の各話感想を。


柊ゆたか「やがて君になれるかな?」

とても……『新米姉妹のふたりごはん』みを感じた。あちらの妹ちゃんぽい外見の七海燈子が姉っぽいテンションではしゃいでるのがおもしろかった。ビジュアル的にやや幼くなるので、先輩がとてもかわいらしい。


缶乃「或いはそんな星模様」

とても……『あの娘にキスと白百合を』みを感じた。七海燈子と佐伯沙弥香があちらの黒沢さんと白峰さんのようであった。佐伯沙弥香があれこれ考えすぎてドツボにひまりそうな感じとか、そんなところに七海燈子にストレートな言動を取られて悩んでたのがばからしくなってたりする感じ、とてもらしさを感じられてよかった。


チョモラン「ふわつき乙女」

とても……『あの人の胃には僕が足りない』だった。あちらは百合ではなくおねショタ(?)なんだけど、キャラのリアクションとか表現とかがまんまそれであった。というか、こんな、やが君読者でさえそれなりに忘れていただろう部分の一発ネタで、こんな強引に笑わせてくるのはずるい。笑ってしまった。くやしい。


結川カズノ「イン ザ ボックス」

どこかで名前を見たことあるような……と思って調べてみたら、『白と黒のバイレ』のイラストを描いてた方なんですね。佐伯沙弥香がひとりあれこれ相手を意識してしまって、そんな彼女の心のうちなどつゆとも知らぬ七海燈子が彼女に友人としてのストレート信頼を寄せて……。交わることはないんだけど、その場を切り取れば仲のよさがとてもいい雰囲気なふたりのやり取りがいい感じな話でした。


めきめき「まつりの夜に」

キャラクターが少女マンガ的というか、 もとのやが君とは違う文脈に置かれたふたりのようで、けれどこれもまた小糸侑と七海燈子なんだよなあというのがなんともふしぎな感覚のおもしろさ。


文尾文「きゃくほんをつくろう!」

いくつか気になる作品はありつつも未読な作家さん。いいよね、こういうバカ話で盛り上がってる感じ。ありそうな幕間のひとコマというか。むしろこの話もちょっと見てみたかった気がしてくる感じがうまい。


もけ「あなたは明日何着て笑う」

七海燈子への気持ちを自覚して、そうとは知らずに接してくる先輩に対して内気に悩む小糸侑の描写、いいですよね。キャラの外見もそれよりになってる感じがあって、ほんのり漂ってくる感情がとてもよいものであることで。


ヒロイチ「ビターコーヒータイム」

大人ふたりのカップルによる、しっとりアダルティーな雰囲気の話。気を許した相手にだけ見せる表情がたいへんいいものでした。ありがとうございます。ありがとうございます。


伊藤ハチ「先輩たちとあそぼう!」

『エクレア』でいくつか読んだことのある作家さん。わりと特徴的な絵柄の人だと思うんですが、この話もギャグ風でなかなか特徴的で、でもしっかり小糸侑と七海燈子と佐伯沙弥香の三人になってるのがおもしろい話でした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 14:48| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月18日

フェチップル(2)

フェチップル(2) (KCデラックス)
フェチップル(2) (KCデラックス)

『フェチップル(2)』(るり原 ズラチー)|講談社コミックプラス

柚木家変態しかいやがらねえ。ここが魔境か……。いやしかしおそるべきは、家族以外にも幼馴染みとかも含めて全員なんらかのフェチ持ちなキャラしか登場してないということか。このマンガ、変態しかいやがらねえ……。

というか、基本的に変態どもの頭のおかしいフェチっぷりにツッコミが追いつかないくらいのギャグっぷりなのに、ちょくちょくラブコメな雰囲気出してくるからおもしろい話なのであって。

そして、そんなラブコメでいい感じの空気のときに、見せ場のコマで言花の艶やかなロングヘアを情報量マシマシで描いてくれるからもうたまらない作品なのでありまして。主人公ともども大ゴマのたびごとにドキドキさせられっぱなしでありましたですよ。露出度的には低いはずなのに、めっちゃ色気ただよってますもんね。主に髪とか髪とかから。個人的には54ページ目がこの巻での至高の一コマだったと思います。いやまあ68ページ目も捨てがたいんですが……。

あと、どうも2巻の発売に合わせて1巻が新装丁されたらしいんですけど、そっちの絵もかなりクリティカルにヒットしてくるものでして、初期のバージョンですでに持ってるにもかかわらずあらためて購入必須な気にさせられていたり。

まあそんなバカをやりつつも、ラブコメ的にはかなりニヤニヤできていい感じの展開で進んでるのも確かでして。すでに1話の時点で同棲してるんで、どこがゴールになるんだろうかという疑問はありますが、ともあれ続くかぎりはまだまだ楽しませてもらいたいシリーズですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:53| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月17日

水玉ハニーボーイ(10)(小冊子付き特装版)

水玉ハニーボーイ 10巻 小冊子付き特装版 (花とゆめコミックス)
水玉ハニーボーイ 10巻 小冊子付き特装版 (花とゆめコミックス)

水玉ハニーボーイ 小冊子付き特装版 10|白泉社

ちょっと最高の展開すぎた。特に特装版の小冊子。ふたりの結婚式の様子が、シリーズ集大成としての笑顔と幸せに満ちたハッピーエンド感をこれでもかと感じさせられて。ここまで読めてよかったって幸福感にひたらせてくれること。

仙石さんのプロポーズ、ほんと最高でした。ありがとうございます。ありがとうございます……。プロポーズはやっぱり仙石さんからになるのねというというところではあったけど、藤君からのプロポーズを真顔で断りまくったうえで仙石さんのほうから突然持ち出してくるのが、もう、最高にドキドキさせられてずるい。事前に特装版の情報を知ってたから予約して手に入れることができたけど、正直これなしでシリーズ読み終わった気にはなれたかはわりと微妙な気がする。それくらいに素晴らしい小冊子であった。カバー絵も通常版とは違ってて、個人的にはやっぱりドレスを着るのは藤君でないとというところ。

いやもう本当に最高のハッピーエンドでした。どこを見回してもカップルだらけで、祝福したくなるような幸せな空気感が半端ない。筆頭は当然に藤君と仙石さんだけど、更ちゃんと乃木先輩も、ヘタレな先輩を押しきってついにという感じがすごくいい感じの雰囲気でしたね。一華さんもかわいかったし、そのお子さんたちもかわいらしかったし。最高の満足度。

そして自分がこのシリーズを気に入って読んでた目的である仙石さんに関していえば、柱でもいわれてましたが、変わりましたよね。1巻のころと比べれば。

当初の仙石さんといえば誰に頼らずとも生きていけそうな強さがあったというか、そのうえでさらに強くあろうとしてた感じがあって。けれどそれは触れれば斬れてしまいそうなというか、誰にも隙を見せない、見せられない強さでもありました。まあそれがかっこよくもあったんですけど。

けれど、めげない藤君のアプローチを何度も受け、構いたがりな藤君にあれこれとお節介を焼かれ、藤君を通して恋愛に限らない好意や愛情にあふれた人たちに囲まれるようになって。すっかり雰囲気やわらかくなりましたよね。かっこいい姿が見られる機会が減るのは残念でもあったけど、その分、ここぞというときに見せてくれるイケメンぶりはより凝縮されて濃度が上がっている感もあって。この巻でも王子さまぶりは、やっぱりかっこよかったですね。

そして、シリーズ後半になるにつれて、まっすぐな好意を向けてくる藤君と接しているうちに、仙石さんも恋する気持ちを知るようになって。藤君にだけ向ける、仙石さんの恋する女の子の顔。9巻のような慣れないとまどい混じりではない、この巻の自然体で恋心が表れた表情。とてもとてもかわいかったです。シリーズ途中で家の事情なんかも明かされたりもしてたので、そんな表情が見れるまでになったのが本当にうれしくて。

ああもう本当に完結なんだなあと、なんだか寂しくもなってくるくらいに大団円なラストでした。少女マンガを読みだしたのってここ1、2 年くらいじゃないかと思うんですけど、そのなかでもほんとに最初のころから読んでたシリーズが、ここまで万感なラストを迎えてくれて、もううれしくて幸せで、どうにかなってしまいそうというか。

ともあれ、オネエ男子と侍女子によるラブコメ少女マンガ、これにて完結。最後までとてもおもしろかったので、気になる方はぜひこの機会に、一気読みしてみてはどうでしょうかというところ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:16| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月13日

あの人の胃には僕が足りない(3)

あの人の胃には僕が足りない(2) (モーニングコミックス)
あの人の胃には僕が足りない(2) (モーニングコミックス)

『あの人の胃には僕が足りない(2)』(チョモラン)|講談社コミックプラス

そうですよ! まごうことなきラブコメですよ!(某セリフに対して)

好かれたいと思う男の子がいるものの、人間のフリをしているにすぎないワタリだからこそ、人間的でないことをおそれずにはいられない。人間から見ておかしなところを知られて嫌悪感を抱かれてしまうことをおそれずにはいられない。

けれど、そんな不安を抱える満腹先輩の様子は、好きな男の子に嫌われてたくないと願うかわいい女の子の姿でしかなくて。それどころか、恋する少年フィルターのかかりまくった舟次くんからしてみれば、そんな満腹先輩の姿は、ドキドキしすぎてどうにかなってしまいそうなほどに、余計に好きな気持ちが高まってわけがわからなくなってしまいそうなほどにかわいい姿でしかないんですよね。

だから、不安を抱える満腹先輩に、思いっきり照れながら自分の気持ちも添えて、おかしくなんかないとまっすぐに伝えずにはいられない気持ちになるんですよねという。そして、そんな舟次くんだからこそ、人間のなかで生きるワタリである満腹先輩も心を許したふにゃりとした笑顔を見せることができる。

このふたりだからこその、好きな気持ちが溢れだして止まらなくなってくるような素敵な関係。すごくいい関係ですよね。大好きです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:10| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月08日

十三歳の誕生日、皇后になりました。

十三歳の誕生日、皇后になりました。 (ビーズログ文庫)
十三歳の誕生日、皇后になりました。 (ビーズログ文庫)

十三歳の誕生日、皇后になりました。 | 書籍 | ビーズログ文庫

シリーズ本編ともいえる『茉莉花官吏伝』のほうは未読。とはいえこちらはこちらで独立した話なので問題なく楽しめました。

十三歳の誕生日、莉杏は皇帝に後宮入りを願い出にきたはずが、現れたのは皇位を乗っ取ったばかりの皇子・暁月という男で、という話。

わけもわからないうちに皇后として簒奪の共犯者のようにされてしまった流れを思えば、いかにも暁月が悪人のようなんだけど、莉杏の
目を通してみると、露悪的ではあるものの悪人には映らないんですよね。それどころか、理解者に乏しいなかで誰よりも真剣に国の行く末を案じている人物ではあるようで。究極の悪行である簒奪も、そこに起因するものであるらしい。

らしいというのは、この話の主人公である莉杏がまだ十三歳になったばかりの少女であることもあって、そこまで権力闘争の深層を理解してはいない語り口になっているからであって。暁月をはじめとした周囲もあえて子どもにそんな汚い世界を見せないようにしてる部分もあるんでしょうけど。

それに象徴されるように、莉杏の長所は利口さではない。むしろ彼女の美点は、先入観を抱けるほどの知識もないことからくる素直さであって。皇后の夜の務めは文字通りにいっしょに寝ることであるなんていわれて、気合い十分で湯たんぽ代わりにされてる様子なんて、悪意からどこまでも距離を置いていさせたくなるほどの無邪気さの塊ぶりであることでしょう。あちこちに確執が渦巻いているらしい暁月の周りにおいて、莉杏がどれほど人の善意を思い出させてくれる存在であることか。

それに加えて、莉杏の美点は一心な健気さにもありまして。暁月って、露悪家だし、出会いは一方的に巻き込まれるような流れではあったけど、根っからの悪人ではないんですよね。それどころか、自分の都合で巻き込んだ莉杏のことを誰よりも気にかけている。莉杏のほうでもそんな彼の性質に気づけているからこそ、ほかでもない彼の皇后として、立派な女性になりたいという思いも抱けてくる。いい関係ですよね。

そんな莉杏が立派な皇后になるべくいくつかのステップが歩まれていくのがこの話だったともいえるでしょうか。章題が一問目、二問目となっているのに象徴されるように、この本の内容は莉杏が直面したいくつかの事件に答えを出していく話の流れ。出題者は暁月で、莉杏の側は考える役。結構重大な事件も起きるし、そもそも暁月としても莉杏が答えを出せるとは期待していない。子どもを寝かしつけるためのたわいもないやり取りのつもりだったはずなんだけど、莉杏ははりきって調査をして、先入観のなさから鋭い視点で答えに迫っていく。それと同時に、暁月を取り巻く周囲の情勢もだんだんとわかってきて、もっと立派になりたいという思いが強まっていく。暁月のほうでも、意外な活躍を見せる莉杏をだんだんと自分が巻き込んだ被害者としてではなく、隣にいる者として誇らしく思う気持ちが芽生えてくる。本当にいい関係ですよね。

特に最後のやりとりはすごく素敵で、ぜひともそうなったふたりの姿を見てみたいなあと思わされずにはいられませんでした。その過程も含めて、もっともっとふたりが互いにどんな成長を見せてくれるのか、見てみたくなるふたりではありますね。

そんな期待に応えるわけではないですけど、あとがきによると、このふたり、本編の二巻以降に登場しているようで。しかも、時系列的にはこの本の後のふたりであるようで。これはもう読まないわけにはいかないでしょう。そんな気持ちにさせてくれる一冊でした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:34| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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