2018年12月18日

クリスマスに結ばれた絆

クリスマスに結ばれた絆 (ハーレクイン・イマージュ)
クリスマスに結ばれた絆 (ハーレクイン・イマージュ)

ハーレクイン・イマージュ クリスマスに結ばれた絆|ハーレクインシリーズ

めっちゃいい。めっちゃよかった。

特に序盤の、ヒーローにとってのヒロインの存在のありがたさをこれでもかと感じさせてくれる展開。

突然、自分に息子がいることを知らされて、しかもその子は五歳で、母親にあたるかつて付き合いのあった女性はそれまで彼にそのことを伝えもしなかったのだという。そして、亡くなってしまったその女性の遺言で、親子としての絆をまったく共有できていないその子どもを引き取り養育することが求められるという、身勝手にもほどがある希望を伝えられることになる。子どもが嫌いなわけではない。自分の子どもなら、むしろとことん可愛がってやりたい。けれどその子が生まれてから五年間、母親の女性によって父子の記憶を一切共有されないままにおかれてきた。

こんな仕打ちが許されるのか。怒りで我を忘れそうになる。それと同時に、五歳になって初めて顔を合わせることになる息子とどうすればうまくやっていけるのか。くわえて、これまであちらこちらを転々とする独り身の軍医生活を過ごしてきて、これからもそうするつもりでいたのが、子育てをしながらの生活へと激変を余儀なくされる。どうしていいのかわからない。あふれる感情を。血をわけた息子という存在を。これからの生活を。どうすればいいのかわからない。これから初対面になる息子とうまくやっていくには。何の準備もできていないところから子どもとの暮らしをはじめていくには。なにもかもが唐突すぎて、対する自分はそのどこをとっても頼りなさすぎる。どうしていいかわからない。どうすればいいのかわからない。なにもかもが頼りない。

パニックに陥りそうになるヒーローにその場ですがれる存在はヒロインだけで、けれど彼女にどんな助けを求めていいかもわからないほどに動揺するヒーローの手を取ってくれたのは、気持ちを落ち着かせるべく側で支えてくれたのは、やっぱりヒロインなんですよね。これがどれほどありがたかったか。安心できることに息子のほうからもすぐになつかれることになって、ヒーロー側からしてみれば、新たな人生の連れ合いとして、これほど望ましい人はいなかったでしょう。

けれどそこで立ち塞がるのがヒロインの側の事情であって。それによって悲しみの瞬間を味わったりしながらも、息子に助けられたりしながら最後にはお互いの歩みがひとつになる展開は素晴らしいもので。

この先の彼らの人生がどうなるかはわからないけれど、ひとつでも多くの幸せにあふれてほしいと願わずにはいられない。とてもいい話でした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 18:56| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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