2018年06月29日

2018年5月の読書まとめ

5月は9冊。やはりひと桁冊数だとどうにもものたりなさがある。ただ、なんでこんなに読了数が伸び悩んでるんだろうかと当時のログを見返してみると、あんまりおもしろく思えない本を読んでるときはペースがにぶりがちなのかなというか。でもそうはいっても読む前からおもしろいかどうかなんて判断つくわけないからいかんともしがたく……。

ともあれ、5月もほどほどに読んで適宜感想を書いてという感じでしたが、あらためてふりかえってみるとやや停滞ぎみではあったような。定期的におもしろい作品を摂取しないとなぜか調子がおちてくるところがあるような気がしているのですけど、だんだんそんな流れにはまっていってしまった月だったでしょうか。でもそうはいっても(ry

5月読了分からのお気に入りは以下。

[☆☆☆☆]禁じられた恋を公爵と  感想
禁じられた恋を公爵と (マグノリアロマンス)
海外ロマンス小説より。表面的には反発しあっていながらもお互いのことが気になってしかたがない。そんなベタな展開を真正面から描いてくれる話。こういうのでいいんだよ? いえいえ、こういうのがいいんです。

以上で、今月はいくつかおもしろい本を読めてわりと復調できているような気がするので、もうすこし感想の更新もしていきたいところ。ただ、おもしろいと思った本はわりと小説以外が多いので、どうなるか……。

5月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:3479
ナイス数:4

王たちの道 1 白き暗殺者 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)王たちの道 1 白き暗殺者 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
読了日:05月02日 著者:ブランドン・サンダースン
鬼の棲む国 (B-PRINCE文庫)鬼の棲む国 (B-PRINCE文庫)
読了日:05月04日 著者:桜部 さく
86―エイティシックス― (電撃文庫)86―エイティシックス― (電撃文庫)
読了日:05月06日 著者:安里 アサト
行き先は特異点 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)行き先は特異点 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)
読了日:05月14日 著者:
自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ? (MF文庫J)自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ? (MF文庫J)
読了日:05月17日 著者:三河 ごーすと
齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定 ~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~ (角川スニーカー文庫)齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定 ~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~ (角川スニーカー文庫)
読了日:05月19日 著者:榎本 快晴
革命前夜 (文春文庫)革命前夜 (文春文庫)
読了日:05月24日 著者:須賀 しのぶ
禁じられた恋を公爵と (マグノリアロマンス)禁じられた恋を公爵と (マグノリアロマンス)
読了日:05月27日 著者:エリザベス・キージャン,Elizabeth Keysian
叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士 (電撃文庫)叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士 (電撃文庫)
読了日:05月30日 著者:杉原 智則

読書メーター
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 18:43| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月25日

禁じられた恋を公爵と

禁じられた恋を公爵と (マグノリアロマンス)
禁じられた恋を公爵と (マグノリアロマンス)

禁じられた恋を公爵と | オークラ出版

「愚鈍で、従順で、美艶な女」を夫人に望む公爵マーカスと、そんな彼に腹を立てながらも自身が後見人をつとめる女性の結婚相手としては家柄も財産も申し分ない人物であることから、何度も顔を合わせることになっていく若き未亡人クララの話。

これ、個人的にすごくよかったです。第一印象が悪かったせいで、マーカスがなにかしゃべるたびにあれこれととげのある言葉をはさまずにはいられないクララと、そんな彼女にうんざりさせられながらもエリーとの縁談を進めるためには顔を合わせざるをえず、そのたびに口論のようなやりとりになってしまい閉口するマーカス。いかにも犬猿の仲のようなふたりだけど、会うたびに言いあいのようになってしまうのはお互いのことが無視できないからであって。そして、言いあいのようなやりとりをしている時間は、腹立たしいものでありながらどこか退屈しないものがあって。そんな、表面上は相性の悪いふたりのようでありながら、実のところ平静さを欠いてしまうほどに気になって気になってしかたない者同士なのであったという、このいかにもにやにやさせてくれる関係性がとても好みだったのでして。

しかも、マーカスは早いうちにもしかしたらと自分の気持ちに気づくのだけど、クララのほうは自分の感情がわからず、マーカスの前だとすぐに冷静さを失ってしまう自分にとまどって、ますます揺さぶられていく心にふりまわされていく様子が伝わってくるのが、はたからみている読者としてはまた実ににやにやとさせてくれることで。知らぬは当人ばかりなり。ベタといえばベタなんだけど、それをこれでもかと見せつけられるのはとてもいいものがあって。

ふたりの気持ちとしてはそんな感じではっきりしているのだけど、お話としては、ふたりがそのままくっついてしまってはやや角が立つ。なんせふたりが顔を合わせる名目はマーカスとクララではなく、彼女の被後見人との縁談話を進めるためなので。いくら公爵が自分の気持ちに気がついても、結婚相手としてふさわしいのはエリーのほうであって。クララのほうでも、また別の理由で痛いほどにそれがわかっているものだから、一歩身を引いてしまう。後半になるとマーカス視点の章が減って、不安と動揺に駆られるクララの視点を中心に話が進んでいくうちに読んでいるこちらまでどうなってしまうんだろうかとハラハラさせられるようになった末での、いろいろ円く収まるラストは、ストーリーとしてもとても満足感のあるもので。いやあとてもいいハッピーエンドでした。

ニヤニヤできて、ハラハラさせられて、最後には幸せな気分で読み終えられる。すごくいいラブコメ(?)だと思います。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 14:26| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月20日

革命前夜

革命前夜 (文春文庫)
革命前夜 (文春文庫)

共産圏を中心に世界中の才能ある若者が集まる東ドイツの音楽大学に留学する夢が叶ったピアニストの主人公。ところがそこで待っていたのは、音楽家の技量としても覚悟としても主人公よりはるかに勝る俊英たちとの出会いで……。透き通るように澄んだ音、圧倒的な叙情感、主人公が望みつつも得られずに苦悩する音楽性をこれでもかと豊かに見せつけてくるライバルたちの演奏の様子。才能の違いを感じさせられながらも本のページ越しに肌にびりびりと響くような音の迫力ある描写が素晴らしかったですね。プロを目指す世界ならではの、上にはどこまでも上がいるのを痛感させられる感じ。けれど、劣等感にさいなまれているばかりでは留学してきた意味がなくなってしまうからと、負けてばかりではいられないと、天才たちに必死に食らいつくようにがむしゃらにピアノを弾く主人公の打ち込みぶりは、遠い東ドイツの地に留学まで果たしたピアニストの執念を感じさせる青春の一ページとして、さわやかな印象を抱かせてくれるものがありました。

ただ、後半になるにつれて、若きピアニストが主人公の音楽小説というよりも、東ドイツが舞台の政治情勢を描いた小説という感じになっていってしまって。それまで東ドイツという舞台性は背景程度に音楽小説として楽しんでいた自分としては、楽しむための身構えができないでいるうちに置いていかれた感じになってしまったところがあるというか。あとから帯を見ても、たぶんこの話の売りはベルリンの壁崩壊直前の東ドイツにおける政治的な機微のほうだったのかなと。あまり予断を入れないようにと手に取ってぱっとすぐに読みだした感じでしたが、ややもったいないことをしたかなという気もしたり。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 16:04| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月18日

透明な薄い水色に

透明な薄い水色に (百合姫コミックス)
透明な薄い水色に (百合姫コミックス)

やった、百合だー!

……いや、百合姫コミックなのになにを言ってるのという感じなんだけど、話的にはふつうに男の子も出てくるタイプのものなんですよね。さらにいうと、ふつうに男の子と付き合ってたり、男の子との関係が深まっていったりと、一見すると女の子同士のカップルが成立するみこみなんてなさそうで、それほど百合ものを読みなれてるわけではない自分としては、これは百合なのどうなのとある意味はらはらしながら読み進めざるをえない流れだったわけで。だからこそ、終盤の百合エンドな展開に喜びの声をあげてしまうものがあるのでして。なかなか意外な展開でしたが、こういうのもいいものですね……。

とかなんとかいう書き出しではじめてみましたが、この本に収録されている話は大きくわけて二つ。

ひとつめは、幼なじみの女の子に好意を抱く女の子が、けれど相手は別の幼なじみの男の子と恋人関係になってしまったために、言い出せず抑えきることもできない恋心を苦しく思う感じの話。

ふたつめは、アルバイト先の先輩の女の子に好意を抱く女の子が、けれどその先輩に想いは告げられず、それを知られてしまった後輩で満たされない心の隙間を埋めようとする話。

ストレートに女の子同士が好き合ってくっついて……という話ではない以上、紆余曲折あったりするんですけど、だからこそ女の子の泣き顔がとてもいいんですよね。言い出せない想いに悩んで、報われない想いに苦しんで。そんな抑えられない感情が涙となってあふれ出た瞬間を描いた表情。前段としてのもどかしい想いをしっかり描いてくれているから、胸をしめつけられるほどの気持ちがこれでもかと伝わってくるものがあって。特に、律からの否応もない「告白」を受けた一花と、失意の感情を傷のなめあい的な関係になってしまった中条にぶつける茜と。悲しさを激情でむりやり上書きするかのように怒りに染めあげられた表情が息を呑むほどに綺麗で、射すくめられるほどにまっすぐな心情として伝わってくることといったら。百合作品の登場人物に望む表情といえば、第一には作者もあとがきで書いているような「恋人に向けた笑顔」のはずなんですけど、この本の場合はもっと泣いてる顔を見せてほしいなんて、なんだかひどい人のようなことも思ってしまったり。それくらい、表情豊かでイキイキとした泣き顔を描いてくれてるんですよね。そして、だからこそハッピーエンドの感慨もひとしおだったり。

言い出せない想いをゆがんだ形で表現する不器用さがあったり、けれどその気持ちがあふれ出すとはっとさせられるぐらいにまっすぐだったり。こういうの大好物ですということで。とてもいい一冊でした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:57| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする