2018年04月27日

不器用愛の侯爵とあどけない若奥様

不器用愛の侯爵とあどけない若奥様(ガブリエラ文庫)
不器用愛の侯爵とあどけない若奥様(ガブリエラ文庫)

ガブリエラ文庫|不器用愛の侯爵とあどけない若奥様

父の死後、経済的に困窮したエリスのもとに、伯父の紹介によって社交嫌いで知られる侯爵オーガストが現れ、援助と引き換えに後継ぎをもうけるための結婚をすることになる話。

エリスがいじらしくてかわいかったですね。愛のない結婚だと頭ではわかっていても、オーガストのことを好きになってしまって。嫌われたくないからこそ、初めての夜の営みで恥ずかしいことを求められたり口にさせられたりしても応じずにはいられない。それどころか、好きになった人にそんなことを求められているのだと思うと、羞恥がよりいっそう体を敏感にさせて、オーガストにそんな姿をさらしているという感覚にさらなる快感の扉を開いていく。純真であどけないエリスであるからこそ、羞恥と快感にもだえる姿はたまらないものがあって、オーガストのほうではとある事情から彼女に必要以上に心を許さないようにしているのだけど、それでももっとエリスのことを可愛がりたくなる気持ちを抑えきれなくなってくるのもわかるというか。

それにからんで、その辺りのオーガストの事情に関しては、読者のほうにはなんとなく察せられるところがあるように描かれてはいるものの、エリスからしてみれば交換条件として結ばれた婚姻であるからこそ、オーガストから愛されてはいないんだと思ってしまって、そのことをしかたないと感じながらも同時にさびしさを抱え、それでも愛すべき妻としてふりむいてもらいたいと葛藤する心情がいじらしくもよいもので。報われてほしいと思ってしまうからこそ、最後にはすれ違いも解消されて、幸せな姿がみられたことに、満足のいく読後感でした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 19:27| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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