2017年05月14日

なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編  なんちゃってシンデレラ、はじめました。

なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 なんちゃってシンデレラ、はじめました。 (ビーズログ文庫) -
なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 なんちゃってシンデレラ、はじめました。 (ビーズログ文庫) -

国のためを思う人であるかと思えば消えない恨みを持て余していたり、誰より大事にしている人がいながらそれと同時に捨て鉢な気持ちがのぞけてきたり。愛憎が複雑にからみあい不可分なまでに一体化して育ちあがった感情の様相。矛盾した感情とそれを取り巻く魍魎たちによる宮廷事情が明らかになるにつれてうなじの毛が逆立つ思いがする王宮陰謀編の解決巻。これもまた人の物語ですね。完全に読んだ記憶がないので、全編未読分だったと思います。人の気持ちが、行動が、周りに影響を及ぼしていく流れというのは、シリーズのヒロインであるアルティリエを中心とした明るい希望を抱かせてくれるものをこそ、これまで楽しんできたわけですけど、今回明らかになった黒幕においてはその逆パターン。恨みや憎しみの感情が、周りに少しずつ暗い影響を与え、時がたつにつれて広い範囲に影をもたらすことになったということで。いわれてみれば前者もあれば後者もあるよなあというところなんですけど、黒幕がわかったところで広く深く根付いた悪意は取り除くのにどれほどの時間がかかるのかと、一件落着とばかりにすっきりとはしない気持ちにさせてくれる結末でありました。うん。こういうのもありですね。

ただ……長いよ! 真相説明編長いよ! 一冊ほとんどまるまるそれで終わっちゃったじゃないですかあ。ナディル殿下の出番が……アルティリエとのやりとりの雰囲気がいい感じだったのに……。いや、ちゃんとありましたけど。今回もなかったわけではないんですけど。侍女がそばにいるのがデフォルトな身分ゆえに彼女らの見守る中でラブラブなやりとりをするシチュエーションに心中もだえまくってるアルティリエさんはかわいかったけど。夫婦だから恥ずかしくないもんとか言い聞かせてるのとかすごくよかったけど。でも、やっぱりイチャイチャ分が足りない……と思ってしまうんですよ。こればかりはもう、次からの新章に期待するほかありませんね。

とはいえそんな感じで、たぶん2巻からつづけて読んだほうが楽しめたかなーとは思いますが、逆に考えて、王宮陰謀編完結巻まで発売になったいまこそご新規さんもどうぞどうぞと勧めてみるのはどうかと考えてみたり。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする