2017年12月11日

理想のヒモ生活(9)

理想のヒモ生活 9 (ヒーロー文庫) -
理想のヒモ生活 9 (ヒーロー文庫) -

やった! 派閥の対立だー!

というわけで、前回の途中からはじまった双王国編(公式の名称ではないですけど)。第二子を妊娠した女王アウラのために、治癒の血統魔法を持つ双王国のひとつ、ジルベール法王家による援助の約束をとりつけるべく、その地を訪れた善治郎。本人としてはそれだけが目的なのに、つけられた案内役はあざとさに全振りして寵を狙う女の子だったりして、側室問題的にまたなにか起こりそうな気配がしている感じの出だしだった記憶。

今回の話でも、そんな予感にたがわず、というかカラー口絵でわかるとおり、双王国滞在中に何人もの見目麗しい女性とお近づきになったりして、あいかわらずアウラひと筋な本人の希望に反してはなやかな周囲ではありましたね。

でも、今回の話でみどころだったのは、なんといっても双王国内部に存在する二つの対立関係だったでしょう。一つめは、大貴族間の勢力均衡に関するもの。二つめは、王位継承に関するもの。そのどちらもが双王国成立の歴史的な経緯から生じてきた問題で、唯一絶対の解決策どころかベターな解決策すらも一朝一夕には判断できない難しい問題であり。自分たち夫婦のために双王国に訪れたところ、だしぬけにこれらの問題に巻き込まれることになったからたまらないというのが今回の筋だったでしょうか。

ひとつ選択を間違えれば国家規模、もしかすればそれ以上に影響が出かねない問題だけに、事情を知れば知るほど頭を抱えたくなってくるんですけど、それがすごくたまらないんですよね。あるキャラクターは一族のこういう信念に沿って行動している、一方のあるキャラクターはそれが国のためにならないからと信じているからこそその足を引っ張ろうとする。ややもすればドロドロな印象を受けてしまいがちな派閥の対立を、それぞれの言動の背景にある、その信ずるところを中心に描くことで、未来を見すえた信念の対決として描く描写がみごとでした。各キャラクターの思惑をていねいに描きながら事態の推移を追っていく物語のスタイルもそれに寄与していたでしょうか。たいへん面白かったです。

その一方で、王族として生まれ育った女王アウラと、つい先年嫁いできたばかりの現代日本で生まれ育った元庶民である善治郎との思考の差異が表出したのも今回のポイント。他国の問題に自分たちやその子どもが巻き込まれることになって、そのうえでなお冷静に問題を天秤にかけることを、それが当たり前の空気の中で育った人間以外に期待するのは難しい。けれどアウラの王配として生きていくにはそれが必要とされることを突きつけてきたのが今回のできごとでもあって。今回の善治郎の機転による判断それ自体はみごとで、読んでいて達成感もあったのですが、冷静にそう指摘されるとまた頭抱えたくなってしまうものがありますよね。これが後々どんな影響をもたらすことになっていくのか。考えているだけで楽しいですね。

今回でひと山は越えましたが、用件的に双王国での話はまだつづくことになるのであり、さて次にどんな展開が待っているかというところ。とても楽しみなシリーズなので、すぐにもつづきが読みたいところですが、とうとう書籍版の最新刊に追いついてしまったようで。今月末発売予定の10巻が待ち遠しいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 15:57| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月27日

映画大好きポンポさん

映画大好きポンポさん (MFC ジーンピクシブシリーズ) -
映画大好きポンポさん (MFC ジーンピクシブシリーズ) -

今年4月にPixivで公開され話題になったWebマンガの書籍化作品。話題になった当時に読んでみましたが、うわさにたがわぬ面白さで、ひと息で最後まで読み終えてしまったのを覚えています。書籍化に際して大きなページ追加はなかったと思いますが、あの時のことを思えばお布施の意味をこめても購入は当然の流れでしたね。

ストーリーの軸となるキャラクターは、有名な映画プロデューサーの孫で自身も天才的な映画プロデューサーである見た目ちびっこのポンポさん、彼女のアシスタントでネクラな映画オタクであるジーン君のふたり、だったでしょうか。そのほかにも、元気が取り柄な女優志望のナタリーとか、ポンポさんのもとで活躍する、どこかふわっとした雰囲気ながら生活そのものが女優なミスティアとか、ポンポさんとB級な趣味があう監督のコルベットさんとか何人かいましたが、最終的には最初のふたり。

プロデューサーとしての手腕は誰もが認めるものでありながら作る映画はすべてB級。そんなポンポさんの感性があふれる尖ったクリエイター論の数々がおもしろく、同じくジーン君のネクラオタクっぽさも、ちょっとひくくらいのマニアぶりが痛々しくも平凡さを吹き飛ばしてくれるものがあって。そんな癖の強いふたりにナタリーらその他のキャラクターが加わりつつ、最後にはポンポさんとジーン君の映画人としての師弟の物語として収束する勢いのよさ、熱量に圧倒される話でした。

それぞれのキャラクターに「好きな映画3本」が設定されていて、読後にはそちらも気になってくる。そんな映画好きたちによる映画づくりのお話。とても面白かったです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:13| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月26日

あの娘にキスと白百合を(6)

あの娘にキスと白百合を 6 (コミックアライブ) -
あの娘にキスと白百合を 6 (コミックアライブ) -
試し読み(BOOK☆WALKERへ)

なにこれめっちゃかわいい! 百合系の話はそれ自体がかわいい女の子とかわいい女の子が足しあわさってとてもかわいい話になるもなのだけど、通常なら女の子二人の関係性になるところ、それが三人になったら……どうなると思いますか? かわいい女の子とかわいい女の子とかわいい女の子が足しあわさって、とてもとてもかわいい話になる、そう思ってました。この巻の話を読むまでは。でも違ったんですよ。二人が三人になると、それはもう足し算じゃなかったんですよ。掛け算だったんですよ。かわいい女の子×かわいい女の子×かわいい女の子で、それはもうまさにかわいさの3乗状態。めちゃくちゃかわいい。やばいくらいかわいい話になってたんですよ。これが、百合の可能性……! 心が浄化されていく感覚……。

この巻の話はおおきくわけて二つ。ひとつめは、2巻で描かれた、自分の気持ちにまっすぐでおバカかわいい伊澄と彼女のお相手であるデコ先輩もとい千春さんのお話。伊澄が押しきった形ではじまった関係であり、先輩好き好きな伊澄に対するつれない態度が面白くもあり、けれど伊澄のことをしっかり付き合ってる相手として意識はしてるのが感じられるのがいい感じではあった、そんな記憶のあるおふたりですが、今回はデコ先輩あらため千春さんのデレが随所で見られてもうそれだけで満足してしまえる心地にさせてくれること。だんだんと好意を表すことに慣れてきつつもしっかり照れが残る表情がたいへんかわいかったです。そしてそんな千春さんのかわいさにドキッとさせられる伊澄も、やっぱりかわいいですよね。

そしてなんといってもよかったのが、その後の中盤からはじまる諒とあまねと仁菜、表紙にも描かれてる三人の話。仲のいいルームメイトである仁菜とあまねに対して、同じクラスに友達がおらず孤立しがちな諒。そんな諒が事故でけがをしてしまったの機にあまねがなにかと気にかけてくれるようになって……というところからはじまる話。このでだしからすると、諒とあまねの話になるのかと思いきや、そうはならなかったのはこの三人の関係性の中心になるあまねというキャラクターの為人がそうさせたものであって。彼女、キャラクター紹介でもはっきりそう書かれてるし、前半の話でも軽く登場することからすぐにわかることではあるんですが、「好き」をたくさん持てるタイプの人なんですよね。あの子のことが好きで、この子のことも好きというふうに。いちばんはひとりだけという考えかたの人からすれば理解できないタイプなんだけど、でも彼女は実際そんなキャラであって。仁菜のことは好きで仁菜とすごす時間は楽しいし、諒のことも好きで諒とすごす時間も大切で、そこにどちらが上でどちらが下かという感覚は存在しない。どちらもわけへだてなく好きで、それぞれの時間を楽しくすごしているのがうかがえる。それがあまねという女の子。けれど、一方の仁菜や諒はそういうタイプの女の子ではないからこそ、その状況に不満を覚えてしまうわけで。自分だけを見てほしいのに、そうはしてくれない。たとえそう訴えたところであまねがあまねであることは変えられないし、むしろそういうことならと別れ話を切り出されてしまいかねない。だからこそ、不満のはけ口はたがいに求めるしかない。あまねのことをあきらめさせようとしたり、はりあってみたり。ふたりのやりとりにはどうしても警戒心が先立って、緊張感のある展開にどうなってしまうのかとハラハラさせられたりもしたところ。けれど、仁菜と諒、同じ人を好きになった者同士、大切にしたい人の気持ちは同じだし、大切にしたい人に抱える不満もいっしょではあったんですよね。けんか腰なやりとりではありながらも、くりかえすうちにだんだんと共犯者めいた絆がめばえてくる様子はいいもので、実はこの話のメインの関係はこのふたりだったのではと思える部分もあるくらい。でもやっぱり、そうして最終的に三人が三人でひとつの関係となった瞬間の場面が、三人そろって仲良さそうにしてる絵こそが、至高のかわいさをほこる一コマとして映ったんですよ。あまねといっしょにいるふたりは楽しそうで、仁菜と諒もたがいに同じ時間をすごすのがうれしそうで、そんなふたりを見つめるあまねは幸せそうで。個としても全体として見てもかわいい三人の女の子の関係。幸せに満ちあふれすぎててやばかったです。

それと、この巻の話で重要な意味を持っていた、大切な人に花を贈るブーム。一過性のものではあったようですけど、巻末でこれまで登場したペアがおたがいに花を渡す短編もいいものでして。白峰さんのあいかわらず素直じゃないところと、それに対する黒沢さんの素直すぎる言葉に恥ずかしくて赤面する様子がかわいらしいものでありまして。あと、前巻で登場した紗和といつきについても、贈る場面自体はあっさりしたものでしたが、シチュエーションから凝ったものにしようとしてたいつきの構想を聞いてあわてる紗和はいいものでした。あわよくばそっちが実現したらという反応も見てみたかった気もしますがそこはそれ。

次の巻は「白峰・黒沢のあたり」とあとがきで書かれてはじめてそういえば今回このふたりの出番少なかったと気づく反応の遅さではありましたが、それだけこの巻の話の満足度が高かったということで。しばらく反芻しつつ、次の巻も楽しみにしたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:17| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月20日

霊感少女は箱の中(2)

霊感少女は箱の中2 (電撃文庫) -
霊感少女は箱の中2 (電撃文庫) -

今回は死人は出ませんでしたね。よかった、よかっ……た……? いやいやいやいや、全然よくないですから! むしろ死人が出てないぶん、被害にあった人たちの一部に精神的身体的な傷痕がもろに残りまくりで悲惨さがまして感じられるじゃないですかあ! 生きていればこそあとで幸せになれるかもしれないとはいえ、後遺症の残る体で生きる厳しさはどれほどのものか。こわいわー。これはこわいわー。

そしてこわいといえば、今回の事件においては主役となる二人というか三人というか。この女の子たちも、内気で心霊に興味を持つような影を感じさせながらも、大切な友達に起きた不審な変化に不安を隠せず行動に移すところは仲のよさを感じさせてくれるものがあり。なかなかいい感じのキャラクターおよび関係性でと思っていたところ、これもラストが、いい話かなー?という。人間関係ってムズカシイネ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:18| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月17日

2017年9月の読書まとめ

9月は6冊。前月比で−12。激減しました。8月下旬に夏バテしてその影響が尾をひいてしまって。なにを読もうとしても読めないという状態からは9月になるかならないかというくらいには回復できていたんですが、そのときにこれなら読めるとなったものが洋書だったもので、月の前半はほとんどそっちばかり読んでました。後半くらいからようやく日本語の小説も読めるようになってきたのですが、洋書を読む面白さと比較すると洋書のほうに軍配が上がるほどには前半の読書体験がいい時間だった記憶がありまして。洋書のほうにまわす比重を増やした読書時間の配分をするようにしだしたこともあって、月の読書冊数はかなり少なくおさえられてしまうことに。あちらを立てればこちらが立たなくなるのはしかたのないところですかね。とはいえ読書を楽しむという目的からはよりよい配分になっていると思えてもいるところであり。このペースでしばらくつづけてみたいところではあります。

ブログの更新は2件で−10件。こちらも激減。どころかほぼ止まってましたね。夏バテの影響か、なかなか感想が浮かばなくなってきてて……。読んでるときはものすごく面白いと思ってたはずなのにいざ書こうとするとなにも出てこない……なんてこともあり、これはちょっとリハビリが必要かと思ったり。

マンガ等をあわせた読了数は11冊。これも−32で激減。前半は完全にマンガも読めなくなってました。復調してきてからは、今度は上でカウントしてる小説を読むのに手いっぱいでそれ以外の本を読むのに割く時間の余裕がほとんどなく、結局あまり数は伸びず。この辺はまあ、自分にとってのメインはあくまで小説なのでべつにかまわないといえばかまわないのですが、面白そうな本をはいくつも見つけられてはいるので、なんとか時間を見つけて読んでいけたらとは思うのですが……。

9月に読んだ中からのお気に入りは以下。

[☆☆☆☆]His Dark Materials(1)Northern Lights
Northern Lights: His Dark Materials 1 -
洋書より。オックスフォードで半分野生児のように育った少女が、ロマの一族や鎧を着た熊とともに冒険する話。読んでるときは最高に面白いと思ってたんだけど、いざ感想を書く段になるとなにも浮かんでこなくて困っていたり。一巻で話の区切りがつかずに盛大に二巻につづいたからか?

以上。

今月はもうちょっと頑張りたいですね……。

以下は読書メーター貼り付け。

9月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:2232
ナイス数:2

Northern Lights: His Dark Materials 1Northern Lights: His Dark Materials 1
読了日:09月12日 著者:Philip Pullman
ゲーマーズ! (2) 天道花憐と不意打ちハッピーエンド (富士見ファンタジア文庫)ゲーマーズ! (2) 天道花憐と不意打ちハッピーエンド (富士見ファンタジア文庫)
読了日:09月19日 著者:葵 せきな
折り紙衛星の伝説 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)折り紙衛星の伝説 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)
読了日:09月22日 著者:
理想のヒモ生活 8 (ヒーロー文庫)理想のヒモ生活 8 (ヒーロー文庫)
読了日:09月24日 著者:渡辺 恒彦
厄災王女と不運を愛する騎士の二律背反 (コバルト文庫)厄災王女と不運を愛する騎士の二律背反 (コバルト文庫)
読了日:09月26日 著者:藍川 竜樹
死にかけて全部思い出しました!! (レジーナブックス)死にかけて全部思い出しました!! (レジーナブックス)
読了日:09月27日 著者:家具付

読書メーター
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:45| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月12日

ゲーマーズ!(2)天道花憐と不意打ちハッピーエンド

ゲーマーズ!2 天道花憐と不意打ちハッピーエンド (富士見ファンタジア文庫) -
ゲーマーズ!2 天道花憐と不意打ちハッピーエンド (富士見ファンタジア文庫) -
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最後の最後で全部持ってかれた感。急展開すぎてどうしてそうなったって思うんだけど、よくよく考えてみたら収まるべきところに収まった感があってこれでいいんだよという気もして、でもやっぱりいろいろすっ飛ばしすぎてて予想外にもほどがあるでしょという展開で、なんだかもういろんな感情がまぜこぜになってその場のギャラリーともども「ええええええええええ!?」という反応しか出てこないという驚きのラスト。

いや、あれはホント、どうなんでしょうね? ふたりの関係としては巻タイトル通りの展開で、一歩前進どころかアクセル踏みきって突き抜けてったレベルなんだけど、でも当人たちにとっては意図せぬ事故的ななりゆきなので正直なところ一歩も進んだ気がしてないのではないか。次の巻ではいったいどうなっちゃってるんでしょうね。そのふたりと並行して別のカプも面白いくらいにずぶずぶ誤解の泥沼にはまりこんでってるペアもあり、もろもろ気になるところですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:02| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月11日

2017年8月の読書まとめ

8月は18冊。前月比で−5。やや減。途中までは調子よかったんですけどね……。中旬まではそれまで通りの月20冊ちょいくらいのペースで読めていたんですが、下旬に入って完全に失速しました。それまで順調に読めていたはずが、突然に本を読もうとしてもまったく集中力が働かせれずに1,2ページ読むか読まないうちに投げだしてしまう。そんな状態に陥ってしまって。はい、完全に夏バテしてました。例年のことではあるんですが、今年はその気配もないのでなんとかやり過ごせそうだと思っていた矢先のこと。一時期すこしだけ涼しい日があったあとにもりかえしてきた暑さにやられてしまったように思います。

ブログ記事のアップは12件と、こちらは−1件にとどまっていますが、これは調子を落とすまでに書けてた分を吐き出してただけだったはず。

マンガ等もあわせた読了数は43冊。こちらは−2冊で微減。小説は読めなくてもマンガは読めるということはわりとあったりするんですが、そちらもあわせた読了数は割と維持できてたことに。この辺はあれです。個人的な読書の傾向として、感想あげてるタイトルを見ていくとなんとなくわかるように思うんですが、読んでる本の傾向として、小説はファンタジー系が多く、マンガは現代系が多いので、なんとなく切り替えが利いてしまう部分があるというか。読みたい本を選んでるだけのつもりですが、気づけばこんな感じの傾向。そして実はこの月、下旬に読むペースが失速していたため新規購入を手控えていたこととお盆の新刊発売がない時期があったことも重なって、読了冊数が購入冊数を久方ぶりに超えていたりもしたのでした。読書ペースが上がってたわけでもないのでただの時期的なものでしかないんですが、特記事項ではあるでしょうということで。

そんなこんなで、以下、8月読了分からのお気に入り。

[☆☆☆☆]りゅうおうのおしごと!(2)  感想
りゅうおうのおしごと!2 (GA文庫) -
ライトノベルより。負ける悔しさと、もっと強くなりたいと渇望するような気持ち。勝負の世界だからこそ厳然と突きつけられる優劣の強烈さがおそろしくもあり、けれど悔しさをばねにする精神にさらなる期待をさせてくれるのでもあり。

[☆☆☆☆]理想のヒモ生活(7)  感想
理想のヒモ生活 7 (ヒーロー文庫) -
ライトノベルより。その場にいない女王の意図をくんで、もっとも彼女のためになる選択、もっとも彼女の足をひっぱることにならない選択はなにかと考え試みる。駆け引きめいた思考とその実践をていねいに追っていく面白さと、それをなさしめる夫婦の信頼関係がよいもので。

[☆☆☆☆]わいせつスキンシップ  感想
わいせつスキンシップ (GOT COMICS) -
マンガより。18禁注意。いじめとエロの組み合わせはとてもいいものがありまして。特に女子によるものだと、同性だからこその性的なことまでふみこむことへの容赦のなさがたまりません。

[☆☆☆☆]ご主人様のお目覚め係(2)  感想
ご主人様のお目覚め係2 (一迅社文庫アイリス) -
ライトノベルより。互いの好意をうけいれたふたりが、この上ないほどに祝福された結婚を迎える展開がたいへんよいものでした。

次点として、まずは『エクレア blanche』(感想)を。百合がいっぱい詰まったアンソロジー。百合に興味がある人が読めばきっといくつもお気に入りの話が見つかるはず。ふたつめは『中出しルーティン』。エロマンガなので18禁注意ではありますが、中出しの背徳感と一部には孕ませのおぞましいいやらしさも含んだ、好きな人にはたまらない短編マンガ集。

以上です。

なんだかエロマンガが多い気がするけど先月そんな読んでたっけ……と思ったけど、読んでましたね。はい。本を読もうとしても集中できずに全然読み進められないという苦しさは、何度経験しても軽減されないものでありまして。ストレスからエロに走ったともいう。まあそうでなくてもふだんから(マンガはともかく小説では)摂取してはいるんですけど、ここのところ多いなと思ったらいろいろ察してくださいというか。

以下、読書メーター貼り付け……は、もう8月分はできないんだった。更新ペースも復活させないと……。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 17:49| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月09日

エクレア blanche あなたに響く百合アンソロジー

エクレア blanche あなたに響く百合アンソロジー -
エクレア blanche あなたに響く百合アンソロジー -
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百合です。いいですよね、百合アンソロジー。一冊のうちにいろんな百合が詰めこまれてて。あまり紙幅の必要な話はないけれど、一冊で手軽にいろんな百合が楽しめる。そんな百合アンソロジーの第二弾は前回と同じ作家あり新顔ありで、これまた楽しませていただきました。

個人的にいちばん好きなのは、北尾タキ「週休5日の姫と騎士」。幼い頃のごっこ遊びからはじまった姫と騎士のような間柄のふたりの話。長じてすらりと整った美人になった騎士役のキャラの言動はまるで男装の騎士のようで、仕えられる側の少女の一方的な尽くされぶりはこちらもまるで姫のようで。疑似的な主従じみたふたりの関係に恋心による変化が起こっていく様子は両片想いの主従譚のようで。そんなふたりの想いが通じ合う瞬間はたいへんいいものでした。

缶乃「無職とJK」は前回と同じタイトル同じキャラクターながら、ちゃんと別の話。お金が好きなだけだからと表面上は言い訳しつつも素直じゃないところが増量されてるマオさんはこれもう陥落が近いでしょうか? あと、はずみさんのお金やおねだりの間違った使い方、好き。

江島絵里「秘密にさせて」は先輩大好きっぷりが顔に出まくりの陰気系少女とそんな彼女の反応を見て楽しむ先輩の話。先輩にからかわれるたびに百面相を繰り広げるモコのオーバーリアクションぶりに笑わせてもらいつつ、最後に先輩のかわいさに持ってかれる。これもいいですよね。

それと関連して、といっていいのか、今回収録の話では、前回見られなかったと記憶してるギャグ調というか、おバカなキャラによる勢いのある話がいくつかあったのが印象的だったでしょうか。奥たまむし「ソフレ進化系」、タカダフミ子「私のママ」などは、なんでそうなる!?という勢いで笑わせてくれる話がグッド。

むっしゅ「幸せの黄色いひよこ」はその関連に含めれそうでもあるけど別枠として。違うクラスのふたりの少女が偶然出会ってときどき行き帰りをいっしょにする話。ラストのまさきの「気づき」はただちゃんともども笑ってしまうようなズレたものではあるんだけど、そんな反応を示してしまうまさきの恋知らずぶりがよいもので。この先の展開も読んでみたいと思わされた話としては、今回はこれがいちばんだったでしょうか。

仲谷鳰「いつだって横顔」についてはひと言、わかる、とだけ。

そんなこんなで、今回もよいアンソロジーでした。第三弾の予定はあるんでしょうかね。個人的にはぜひやってほしいところ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:39| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月05日

わいせつスキンシップ

※R18商品です※成年コミックです※エロマンガです※お気をつけください※

久しぶりの更新がこんなでいいのかという気もしますが、これしかないのでいたしかたなし。ご容赦のほどを。
一応たたんでおきますので見たい人だけどうぞということで。
続きを読む
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:38| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月25日

りゅうおうのおしごと!(2)

りゅうおうのおしごと!2 (GA文庫) -
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負けることは自分の弱さを突きつけられること。明らかに格上と思っている相手ならば、負けてもしかたないと思うことはできる。けれど実力や年齢などの面で同格や格下と思っていた相手に負けることには言い訳のきかない苦さがある。相手が思っていたより強かった。それもあるかもしれない。でもそれ以上に、自分が弱かったという事実に直面させられる。実力がすべての勝負の世界で、彼我の優劣をはっきりと突きつけられる。これほど残酷な事実はない。しかも敗因に自身の未熟を明確に見てとれてしまえたら。これほど悔しいことはない。悔しくて、情けなくて、涙がこみ上げてきてしまう。

負けるということについて、勝負事の世界に生きる人の心情が真正面から描かれてたでしょうか。主人公の八一からしてみれば、弟子であるあいは究極的には他人ではあるんですけど、行く末楽しみな才能を秘めた弟子ということもあって、本当の家族のように、目に入れても痛くないくらいにべったり可愛がってた弟子の負ける姿というのは、自分のことのように悔しくなってくるものがあって。よくがんばった、惜しかったと、なぐさめてあげたい気持ちにもさせられる。

でも、作中の人物は誰もなぐさめの言葉なんかかけたりしない。あいが弱かったのだと、未熟だったのだと、その事実に正面から向き合わせる。それは目指すべきプロの棋士の世界が勝ち負けがすべての世界だから。負けて、負けて、何度も負けて、それでもめげずに強くなっていけた者だけが上にいける世界だから。そういう意味で、この作品の世界には厳しさがある。

けれど、そんな一時の気休めを、あい自身が望んでいなかった。負けて悔しい。自分の未熟さが悔しい。だから、もっと強くなりたい。自分には何が足りないのかを知りたい。彼女には、ただただ将棋に対する情熱があった。敗北をばねにして立ち上がる強さがあった。

だからこそ、期待してしまうんですよね。愛衣というライバルを得た彼女が、この先どこまでの飛躍を見せてくれるのか。また、あい以上に八一との縁の深い愛衣が、あいとは対照的な棋風の愛衣が持つ可能性についても。

才能ある弟子というのはやはり見ていて期待の膨らむものですね。いやあ白熱した名勝負を見せてもらいました。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 18:20| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする