2018年02月21日

2017年12月の読書まとめ

12月は13冊。だいたい復調してたはず……だけど、小説を読むペースを落としたら、読了数は回復しきらなかったという。マンガ等を含めれば23冊。そのほか、英語やスペイン語のニュース記事を読んだり洋書を読んだりしてた模様(当時のメモによると)。

12月に読んだ中からのお気に入りはなし。ニュース記事を読んでるのが一番楽しかったような記憶。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 18:26| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月06日

クリフトン年代記(1)時のみぞ知る(上)(下)

時のみぞ知る〈上〉―クリフトン年代記〈第1部〉 (新潮文庫) -  時のみぞ知る〈下〉―クリフトン年代記〈第1部〉 (新潮文庫) -
時のみぞ知る〈上〉―クリフトン年代記〈第1部〉 (新潮文庫) -
時のみぞ知る〈下〉―クリフトン年代記〈第1部〉 (新潮文庫) -

ジェフリー・アーチャー、戸田裕之/訳 『時のみぞ知る〔上〕―クリフトン年代記 第1部―』 | 新潮社
ジェフリー・アーチャー、戸田裕之/訳 『時のみぞ知る〔下〕―クリフトン年代記 第1部―』 | 新潮社

全体を通してさらっと軽い描写でありながら、転々ととどまることなく転がりつづけていく話が飽きを感じさせず、面白い。

戦間期のイギリスの労働者階級に生まれた少年ハリー・クリフトンが、貧乏生まれでありながら学業の成績からエリートへの道を進んでいくことになる物語。立身譚を予感させる第1部の話でした。

労働者の子どもは労働者として生まれ育っていくことが当然の社会で、数奇な縁から才能を見出され、母の苦労や支援者の助けを得ながらグラマー・スクールからオックスフォードへと、生まれを考えれば華々しいまでの学歴街道をひた走る。ここまでくればたいしたものですよね。そしてその過程では友情あり恋愛あり、楽しくも充実した学生生活を送ってる様子がほほえましくもあり。

ただ、話の進行はかなり早い。一冊で作中時間として10年以上経過してますので。プロローグ的な部分から数えれば20年以上ともいえるでしょうか。たしかシリーズ全体を通して人の一生を描くくらいの話になっていくんじゃなかったかというところ。

それもあってか、一つひとつのエピソードの描写ははかなりさらっとしてます。もっと描いてほしいと思う場面もあるんですけど、そうであっても先が気になって読み入らされてしまうのは、ひとつのできごとにあまりこだわることなくどんどん先へ先へと転がされていく展開の新規さに目を奪われてしまうから、なんでしょうね。それと、クリフハンガー的な章立て。章ごとに視点人物があっちに行ったりこっちに来たりするんですけど、多くの場合、それでどうなったんだろうかと気になるところでひとつの章が終わって次の章がはじめられる。それも、すこし前の時間から。だから、先の展開が気になってどんどん読み進めてしまう。同じ場面がくりかえし語られたりもしてるんですけど、先が気になる気持ちと、うす味な描写ゆえの不足感を満たしてくれる別視点の提供もあって、すらすらと読ませる面白さを感じる。この辺は、さらっとした描き方ゆえの味でしょうか。こういうのもまたいいですね。

実はクリフハンガーなのはラストもであって、第1部としてまとめるとどういう話だったのかといわれるととても困るところなのですよね。ハリーの少年期・学生時代の話でしたというくらいしかまとめようがなくって。終盤とか、もう完全に第2部につづく流れになってましたし。

とはいえ、それでも第1部のクライマックスはクライマックスはどこだったかと考えると、やっぱりハリーの結婚式だと思うんですよね。これもまたさらっといきなりハリーに恋人がいることが明かされて、学友ともども驚かされたりしたものですけど。というか、その場面にしても、まずその学友がとある女性にアタックするからハリーにもそのアシストをしてくれと頼む場面が先にあって、そっちはそっちでうまくいったのやらどうだったのやらと思っていたら、いつのまにかハリーのほうに恋人がいることが判明するという流れで。こういうのをさらっとやってくれるから面白いというか。

そして結婚式についていえば、自分でクライマックスとしてあげてますし、そこにいたるまでの描写的にもいかに運命的なふたりかという描かれ方をしてはいたんですけど、幸せな結婚式にはしてくれないから、この作者、やってくれるというか……。思えばこの第1部、シリーズはじまった当初から、ひとつの爆弾を抱えてましたね。当事者のうち一人でもその気になればいつ爆発してもおかしくないその爆弾が、いつ破裂するかと思っていたところ、それをあの場面に持ってきたのは、なんて面白ひどいことしてくれやがるというもので。ふたりの仲を深く描けば描くほど突き落とされる衝撃は増そうというもの。あれはもう完全に狙ってましよね。ふたりにロミオとジュリエットの演劇やらせるとかもうホント……。

でも、ふたりが知らない事実を知ってる読者の身からすると、黙ってるほうがむしろどんどん耐えがたくなってくる展開ではあったので、責めるに責めれないところがあるというか……。なんというか、もうふたりのめぐり合わせが悪かったとしかいえませんわ……。むしろ、ハリーが後にいうように、ことの告発はもうそれそのものが勇気ある行動としてほめたたえられるべきレベル。でもかといって、それで終わりにはならない事実をまたさらっと混ぜこんでくるから、気がかりを完全に断ち切ってももらえないところであり。ホントどうなるのこれ……。

ラストは別の意味で気になるヒキになってましたが、はてさてどうなっていくことやら。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:42| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月31日

くちびるに透けたオレンジ[新装版]

くちびるに透けたオレンジ 新装版 (IDコミックス 百合姫コミックス) -
くちびるに透けたオレンジ 新装版 (IDコミックス 百合姫コミックス) -
くちびるに透けたオレンジ - ロクロイチ(百合姫コミックス):電子書籍ストア - BOOK☆WALKER -

百合えっち。いいものでした……。かわいい女の子の体をかわいい女の子がいじめてるのって、視覚的にとても至福感があるというか。いろいろひっくるめてありがとうございましたという感想に集約されていく読後感。

そんな絵的な素晴らしさにくわえて、その雰囲気をひきたてて読み入らせてくれたのがそれぞれの女の子たちの関係性でありまして。

一作目の表題作は、都会から転校してきた洗練された美少女の叶に目を奪われた地味な少女の千鶴が想いを募らせていく話。ついつい見とれてしまうほどにきれいでおしゃれな叶のようになりたいという気持ちは、自分にはむりだと思うほどに憧れへと高じていって、しだいに同じように装い、そこに叶本人との接触の想像を重ね合わせるにいたる。病的な妄想めいた行為でありながら、抑えられないほどに募る憧憬と諦観をていねいに描いていくことで、繊細な想いの発露として表れるそれらの行動に目を離せなくさせられるものがあって。だからこそ、叶が千鶴に対して抱く感情が語られたときには、千鶴ともどもただただ信じられないような感情の爆発があったんですよね。クライマックスのもりあがりがとてもよかったというか。ありがとうございます。もうそれに尽きます。

ふたつめの「閉じててね、心」は、男女の恋愛にうといいとこのお姉さんと、彼女に自分だけを見ていてほしいと願う女の子の話。甘えるふりをしていとこのお姉さんを独占しようとする女の子と、そんな彼女にお姉さんぶろうとして独占されるいとこのお姉さんの関係性はとてもいい雰囲気でありまして。読切なのでページ数は一作目に比べるとかなり少なくはありましたが、それでも必要な部分はしっかりおさえつつふたりの関係を描いてくれて、視覚的にもやっぱり至福な場面がちゃんとあってと、こちらもよいものでございました。

繊細な雰囲気あふれる百合えっち、とてもよかったです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:04| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月25日

2017年11月の読書まとめ

11月は5冊。めちゃくちゃ少ない。マンガ等を含めても13冊にしかならないから、どれだけ本を読めてなかったのかがわかろうというもの。

それというのも10月からひきつづき、この月の半ばくらいまで精神的にかなりへこんでまして。具体的になにがあったというほどのことでもないんですけど、この本読んでなにになるんだろうなんて考えだしたらなにも手につかなくなってしまって。それでもぼーっとしてるうちに時間が過ぎてくのはもっとこわいので、とりあえずなにがしか読めるときはそれを読んで、できなさそうなら、それでもゲームならできるからゲームをしてるという日がつづいてた感じでしょうか。

月の後半くらいには持ち直せてたかと記憶してますが、持ち直す原動力になったの英語・スペイン語の文章を読むことだったので、カウントされる本の読書量としてはやはり伸びず。

この辺は、自分でも不思議に思うところではあるんですよね。読むのが楽なラノベよりも、比較して精神的な負荷の高めな外国語の文章のほうがまだ読めるという状態だったのは。自分のなかでの関心がフィクションからノンフィクションのほうに揺れつつあるのを感じる部分もありますし、日本語以外の文章も読めるんだと見栄を張りたい気持ちがあるのもたしかではあり。たぶん、そのときの自分の心理状態とうまく合致するものがあったんだと思います。

ただ、このころから、ラノベ読みとしての自己認識に対する違和感というか、Twitterラノベクラスタとの間の心理的な距離感というかを自覚するようになってきたように記憶してます。かといって、それではどこに自分のアイデンティティを置くかとなると、それがまたよくわからない状態なのですが。

11月に読んだ中からのお気に入りはなし。

次点として、マンガから『水玉ハニーボーイ(7)』(感想)を。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 12:43| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月18日

同居人が不安定でして(2)

同居人が不安定でして(2) (電撃コミックスNEXT) -
同居人が不安定でして(2) (電撃コミックスNEXT) -
同居人が不安定でして(2) | 電撃コミックWEB

百合みが増して感じられる。いいですね。

同居してる女の子ふたりが中心の話ということで、基本的な設定からしてすでに百合ではあるんですけど、ひきつづき不安定さんとしっかりさんの日常を描きながら、お互いを好きな気持ちがうかがえる描写が増えてたように思うんですよね。

不安定さんはあいかわらずテンションの上がり下がりが激しくありながら、そこに状況的にも心情的にもしっかりさんが絡むほどキャラがイキイキとしてきててて。調子に乗ってしっかりさんを怒らせるのもかわいいし、なによりしっかりさんがいなくなってしまったらと想像して沈む姿はとてもいいものがあるんですよ。

一方のしっかりさんも、不安定さんにふり回されたりしながらも、なんだかんだで不安定さんのこと好きなんだなあとわかる描写がぽつぽつと入ってきて、これもよいものでして。というか、しっかりさん、不安定さんみたいにコマ内をうるさいくらいに動き回ったりはしないけど、一コマでしっかり心打ちぬかれてるのが伝わってきたりと、不安定さんとは違ったタイプのかわいさがありますよね。ついったに何書いてたかは、見てみたかった気も。

あと、挿話みたいに紹介されてたおとなりさんと肉屋さんの関係も、高校生時代からの関係ととおして見つめなおしてみると、これは本当にいい感じの雰囲気でして。メインふたりよりも年期が長いこともあって、とてもつれあいとしての空気を感じさせてくれることで。がぜん注目度が高まるふたりですね。

3巻も今月発売予定だそうで。あとがき見てると出ると確定はしてなさそうな感じでしたが、そうとわかれば楽しみにしたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:33| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月15日

水玉ハニーボーイ(7)

水玉ハニーボーイ 7 (花とゆめCOMICS) -
水玉ハニーボーイ 7 (花とゆめCOMICS) -
水玉ハニーボーイ 7|白泉社

かっこいい仙石さんが何度も見られてとても満足した。前巻にて(だっけ?)気持ちを自覚したこともあって、藤君からのアプローチに動揺させられたりもするんだけど、それがまた自然体のかっこよさとのギャップをひきたててくれて。前回からひきつづきの修学旅行回は特によかったですね。たまに藤君への対応が雑になるときの真顔とか、動揺して乱されたペースを取り戻そうとして藤君をやりこめて愉快げな表情とか、今回は仙石さんのいろんな表情が見れて、凛々しイメージが先立つ彼女にしては珍しいという印象を受けつつも、それでいてどこをとっても仙石さんのかわいさ(と総称してみる)にあふれていてたいへんよかったです。

仙石さんにかぎらずですけど、全体的な絵の雰囲気がとても好みな感じになってきたような気がするというか、特にキャラの髪や顔の描きかたあたりが気に入ってるように思ったり。藤君しかり、一華さんや今回初登場の珊瑚先生など、ぱっと見のビジュアルでかわいいキャラばかりで、なおかつ話もテンポよくコミカルでありながら少女マンガとしての進展もしっかりあって面白くと、読んでいてとても幸せな気分になれるシリーズ最新刊でした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:44| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月20日

2017年10月の読書まとめ

10月は13冊。マンガ等を含めると31冊。数字だけ見てると悪くはなかったようにも見えるけど、調子がよくない時期があって、まったく本が読めなくてゲームしかできない状態に陥ってた時期もあったような。はっきりと記憶してはいませんが、マンガばかり3冊も4冊も読んでた日は本が読めるか読めないかの境目ぐらいの状態だったかも(11月のことだった可能性も)。くわえて、10月はカタルーニャで独立を問う州民投票があったり独立宣言が可決されたり、その後の今もつづく一連のごたごたが大きく報道されだした月でもあって、そちらにも気を取られてた記憶。この関連の情報は興味をもって収集していられる情報として、スペイン語学習のいい教材とさせてもらったり。

10月に読んだ中からのお気に入りは以下。

[☆☆☆☆☆]りゅうおうのおしごと!(3)
りゅうおうのおしごと!3 (GA文庫) -
ライトノベルより。将棋の腕こそが唯一最大のアイデンティティであるプロ棋士しかり、そんなプロになるべくライバルたちと必死の競争に励むプロの卵しかり、はたまた市井の愛好家として将棋を指す人しかり、そこには共通して将棋に対して抱く想いがある。ほかのなによりも強く抱く想いが負けられない意地としてあふれ出すとき、それは心を揺さぶるほどの勢いで吹き抜ける熱量となってあらわれる。将棋を指す理由、負けられない理由、恋にも似てひたむきな気持ちの発露に胸を打たれる。素晴らしい物語でした。

[☆☆☆☆☆]あの娘にキスと白百合を(6)  感想
あの娘にキスと白百合を 6 (MFコミックス アライブシリーズ) -
マンガより。かわいい女の子とかわいい女の子の恋の話はとてもかわいい。けれど、それが三人のかわいい女の子の話になったら……? そこには、かわいいの新世界が開けていたのです。

[☆☆☆☆]理想のヒモ生活(9)  感想
理想のヒモ生活 9 (ヒーロー文庫) -
ライトノベルより。悪意によらない事情があるとわかるほどにままならなさに頭を抱えたくなる。派閥の対立はいいものです。

以上。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:40| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月11日

理想のヒモ生活(9)

理想のヒモ生活 9 (ヒーロー文庫) -
理想のヒモ生活 9 (ヒーロー文庫) -

やった! 派閥の対立だー!

というわけで、前回の途中からはじまった双王国編(公式の名称ではないですけど)。第二子を妊娠した女王アウラのために、治癒の血統魔法を持つ双王国のひとつ、ジルベール法王家による援助の約束をとりつけるべく、その地を訪れた善治郎。本人としてはそれだけが目的なのに、つけられた案内役はあざとさに全振りして寵を狙う女の子だったりして、側室問題的にまたなにか起こりそうな気配がしている感じの出だしだった記憶。

今回の話でも、そんな予感にたがわず、というかカラー口絵でわかるとおり、双王国滞在中に何人もの見目麗しい女性とお近づきになったりして、あいかわらずアウラひと筋な本人の希望に反してはなやかな周囲ではありましたね。

でも、今回の話でみどころだったのは、なんといっても双王国内部に存在する二つの対立関係だったでしょう。一つめは、大貴族間の勢力均衡に関するもの。二つめは、王位継承に関するもの。そのどちらもが双王国成立の歴史的な経緯から生じてきた問題で、唯一絶対の解決策どころかベターな解決策すらも一朝一夕には判断できない難しい問題であり。自分たち夫婦のために双王国に訪れたところ、だしぬけにこれらの問題に巻き込まれることになったからたまらないというのが今回の筋だったでしょうか。

ひとつ選択を間違えれば国家規模、もしかすればそれ以上に影響が出かねない問題だけに、事情を知れば知るほど頭を抱えたくなってくるんですけど、それがすごくたまらないんですよね。あるキャラクターは一族のこういう信念に沿って行動している、一方のあるキャラクターはそれが国のためにならないからと信じているからこそその足を引っ張ろうとする。ややもすればドロドロな印象を受けてしまいがちな派閥の対立を、それぞれの言動の背景にある、その信ずるところを中心に描くことで、未来を見すえた信念の対決として描く描写がみごとでした。各キャラクターの思惑をていねいに描きながら事態の推移を追っていく物語のスタイルもそれに寄与していたでしょうか。たいへん面白かったです。

その一方で、王族として生まれ育った女王アウラと、つい先年嫁いできたばかりの現代日本で生まれ育った元庶民である善治郎との思考の差異が表出したのも今回のポイント。他国の問題に自分たちやその子どもが巻き込まれることになって、そのうえでなお冷静に問題を天秤にかけることを、それが当たり前の空気の中で育った人間以外に期待するのは難しい。けれどアウラの王配として生きていくにはそれが必要とされることを突きつけてきたのが今回のできごとでもあって。今回の善治郎の機転による判断それ自体はみごとで、読んでいて達成感もあったのですが、冷静にそう指摘されるとまた頭抱えたくなってしまうものがありますよね。これが後々どんな影響をもたらすことになっていくのか。考えているだけで楽しいですね。

今回でひと山は越えましたが、用件的に双王国での話はまだつづくことになるのであり、さて次にどんな展開が待っているかというところ。とても楽しみなシリーズなので、すぐにもつづきが読みたいところですが、とうとう書籍版の最新刊に追いついてしまったようで。今月末発売予定の10巻が待ち遠しいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 15:57| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月27日

映画大好きポンポさん

映画大好きポンポさん (MFC ジーンピクシブシリーズ) -
映画大好きポンポさん (MFC ジーンピクシブシリーズ) -

今年4月にPixivで公開され話題になったWebマンガの書籍化作品。話題になった当時に読んでみましたが、うわさにたがわぬ面白さで、ひと息で最後まで読み終えてしまったのを覚えています。書籍化に際して大きなページ追加はなかったと思いますが、あの時のことを思えばお布施の意味をこめても購入は当然の流れでしたね。

ストーリーの軸となるキャラクターは、有名な映画プロデューサーの孫で自身も天才的な映画プロデューサーである見た目ちびっこのポンポさん、彼女のアシスタントでネクラな映画オタクであるジーン君のふたり、だったでしょうか。そのほかにも、元気が取り柄な女優志望のナタリーとか、ポンポさんのもとで活躍する、どこかふわっとした雰囲気ながら生活そのものが女優なミスティアとか、ポンポさんとB級な趣味があう監督のコルベットさんとか何人かいましたが、最終的には最初のふたり。

プロデューサーとしての手腕は誰もが認めるものでありながら作る映画はすべてB級。そんなポンポさんの感性があふれる尖ったクリエイター論の数々がおもしろく、同じくジーン君のネクラオタクっぽさも、ちょっとひくくらいのマニアぶりが痛々しくも平凡さを吹き飛ばしてくれるものがあって。そんな癖の強いふたりにナタリーらその他のキャラクターが加わりつつ、最後にはポンポさんとジーン君の映画人としての師弟の物語として収束する勢いのよさ、熱量に圧倒される話でした。

それぞれのキャラクターに「好きな映画3本」が設定されていて、読後にはそちらも気になってくる。そんな映画好きたちによる映画づくりのお話。とても面白かったです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:13| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月26日

あの娘にキスと白百合を(6)

あの娘にキスと白百合を 6 (コミックアライブ) -
あの娘にキスと白百合を 6 (コミックアライブ) -
試し読み(BOOK☆WALKERへ)

なにこれめっちゃかわいい! 百合系の話はそれ自体がかわいい女の子とかわいい女の子が足しあわさってとてもかわいい話になるもなのだけど、通常なら女の子二人の関係性になるところ、それが三人になったら……どうなると思いますか? かわいい女の子とかわいい女の子とかわいい女の子が足しあわさって、とてもとてもかわいい話になる、そう思ってました。この巻の話を読むまでは。でも違ったんですよ。二人が三人になると、それはもう足し算じゃなかったんですよ。掛け算だったんですよ。かわいい女の子×かわいい女の子×かわいい女の子で、それはもうまさにかわいさの3乗状態。めちゃくちゃかわいい。やばいくらいかわいい話になってたんですよ。これが、百合の可能性……! 心が浄化されていく感覚……。

この巻の話はおおきくわけて二つ。ひとつめは、2巻で描かれた、自分の気持ちにまっすぐでおバカかわいい伊澄と彼女のお相手であるデコ先輩もとい千春さんのお話。伊澄が押しきった形ではじまった関係であり、先輩好き好きな伊澄に対するつれない態度が面白くもあり、けれど伊澄のことをしっかり付き合ってる相手として意識はしてるのが感じられるのがいい感じではあった、そんな記憶のあるおふたりですが、今回はデコ先輩あらため千春さんのデレが随所で見られてもうそれだけで満足してしまえる心地にさせてくれること。だんだんと好意を表すことに慣れてきつつもしっかり照れが残る表情がたいへんかわいかったです。そしてそんな千春さんのかわいさにドキッとさせられる伊澄も、やっぱりかわいいですよね。

そしてなんといってもよかったのが、その後の中盤からはじまる諒とあまねと仁菜、表紙にも描かれてる三人の話。仲のいいルームメイトである仁菜とあまねに対して、同じクラスに友達がおらず孤立しがちな諒。そんな諒が事故でけがをしてしまったの機にあまねがなにかと気にかけてくれるようになって……というところからはじまる話。このでだしからすると、諒とあまねの話になるのかと思いきや、そうはならなかったのはこの三人の関係性の中心になるあまねというキャラクターの為人がそうさせたものであって。彼女、キャラクター紹介でもはっきりそう書かれてるし、前半の話でも軽く登場することからすぐにわかることではあるんですが、「好き」をたくさん持てるタイプの人なんですよね。あの子のことが好きで、この子のことも好きというふうに。いちばんはひとりだけという考えかたの人からすれば理解できないタイプなんだけど、でも彼女は実際そんなキャラであって。仁菜のことは好きで仁菜とすごす時間は楽しいし、諒のことも好きで諒とすごす時間も大切で、そこにどちらが上でどちらが下かという感覚は存在しない。どちらもわけへだてなく好きで、それぞれの時間を楽しくすごしているのがうかがえる。それがあまねという女の子。けれど、一方の仁菜や諒はそういうタイプの女の子ではないからこそ、その状況に不満を覚えてしまうわけで。自分だけを見てほしいのに、そうはしてくれない。たとえそう訴えたところであまねがあまねであることは変えられないし、むしろそういうことならと別れ話を切り出されてしまいかねない。だからこそ、不満のはけ口はたがいに求めるしかない。あまねのことをあきらめさせようとしたり、はりあってみたり。ふたりのやりとりにはどうしても警戒心が先立って、緊張感のある展開にどうなってしまうのかとハラハラさせられたりもしたところ。けれど、仁菜と諒、同じ人を好きになった者同士、大切にしたい人の気持ちは同じだし、大切にしたい人に抱える不満もいっしょではあったんですよね。けんか腰なやりとりではありながらも、くりかえすうちにだんだんと共犯者めいた絆がめばえてくる様子はいいもので、実はこの話のメインの関係はこのふたりだったのではと思える部分もあるくらい。でもやっぱり、そうして最終的に三人が三人でひとつの関係となった瞬間の場面が、三人そろって仲良さそうにしてる絵こそが、至高のかわいさをほこる一コマとして映ったんですよ。あまねといっしょにいるふたりは楽しそうで、仁菜と諒もたがいに同じ時間をすごすのがうれしそうで、そんなふたりを見つめるあまねは幸せそうで。個としても全体として見てもかわいい三人の女の子の関係。幸せに満ちあふれすぎててやばかったです。

それと、この巻の話で重要な意味を持っていた、大切な人に花を贈るブーム。一過性のものではあったようですけど、巻末でこれまで登場したペアがおたがいに花を渡す短編もいいものでして。白峰さんのあいかわらず素直じゃないところと、それに対する黒沢さんの素直すぎる言葉に恥ずかしくて赤面する様子がかわいらしいものでありまして。あと、前巻で登場した紗和といつきについても、贈る場面自体はあっさりしたものでしたが、シチュエーションから凝ったものにしようとしてたいつきの構想を聞いてあわてる紗和はいいものでした。あわよくばそっちが実現したらという反応も見てみたかった気もしますがそこはそれ。

次の巻は「白峰・黒沢のあたり」とあとがきで書かれてはじめてそういえば今回このふたりの出番少なかったと気づく反応の遅さではありましたが、それだけこの巻の話の満足度が高かったということで。しばらく反芻しつつ、次の巻も楽しみにしたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:17| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする