2019年01月16日

メイドのユキさんのヒーリング耳セラピー

(今回も雑記カテゴリで。さらに増えるようなら専用カテゴリ設置を検討します)
メイドのユキさんのヒーリング耳セラピー

記憶喪失のご主人様と献身的なメイドのユキさんによる耳かき系音声作品(と自分の中では分類してますが、サークルさん側が呼称するようにヒーリングセラピーと呼んだほうがいいかもしれません。耳かき以外の場面も多いことですし)。作品紹介によればシリーズ3作目ということですが、これだけ聴いても問題なし。まさに自分がそうでした。ご主人様が記憶喪失になってしまった設定とも重なって、かえってまっさらな気持ちで楽しめたように思います。

トラックの内容としては、作品紹介ページ(画像リンクより)を見てもらったほうが正確かとは思いますが、耳かき、オイル(耳)、散髪、シャンプー、綿棒と耳オイル等、さまざまな場面が用意されており、多彩な音で癒してもらえます。耳かき音は定番ですが、音による癒しはそれのみにはあらず。それ以外にもいろいろな音を体験させてくれる構成がポイントです。自分の好みの音が多かったのでなおさら。

まず、オイルセラピーのさわさわ音、とてもよかったですね。音の鳴る場所が移動しながらなのを感じつつ、両耳同時に表面をなぞられる感じが伝わってきて、ゾクゾクさせられること。その後のタオルで拭く音も、オイルっぽいぬるぬる感から乾いた布のさわさわ感もいい感じで。そして、最後の手のひらで耳を揉みこむマッサージ、これがたまらない。耳を押さえるようにしての動作なので、耳がふさがれるようになって、聴覚がぼうっとなる感覚がめちゃくちゃ気持ちいい。これ好きなんですよね。両耳同時なので意識までぼうっとさせられそうな快感。

散髪セラピーでのハサミのちょきちょき音もよかったです。ハサミの刃を開閉する軽快な音が頭の周りをあちらこちらに行き交う気持ちのよさ。触れるか触れないかくらいの距離感で、軽やかでありながら甘やかさを感じさせるハサミの入れ方が絶妙にぞくりとさせてくれるんですよね。特に、まゆげをそろえるところで、それまで以上にハサミの音が慎重になるところ。真剣に目分量を図るようにしながらジョキ、ジョキとすこしずつ髪が切られていく様子が、丁寧なうえに丁寧さを感じさせてくれるようでたまりませんでした。結構なお手前で。

お風呂後の、顔に乳液を塗るすべすべとした音も心地よかったですし、耳にアロマオイルを塗るときはまた耳を塞ぐようにしてくれるからたまりませんでしたね。耳の表面を指がなぞるさわさわ音の合間にこもって聞こえる声はものすごく気持ちいい。耳ツボのマッサージをはさまれたりもするものだから、本当にトんでしまいそうになる快さ。最後に乾いた布で耳を拭くかさかさ音もたまらなくて、実に癒されるパートでした。

総じて、これ単体でもストーリーは問題なく理解でき、ヒーリングセラピーの音としてもどれもとても気持ちのいい音ばかりで、とても満足のいく一作でした。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:28| Comment(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月13日

オネエ男子、はじめます。(3)

オネエ男子、はじめます。 3 (花とゆめCOMICS)
オネエ男子、はじめます。 3 (花とゆめCOMICS)

オネエ男子、はじめます。 3|白泉社

事態のややこしさの跳ねあがりようが尋常じゃないんですど! なにこれ。いろいろ斜め上の展開すぎてツッコミが追いつかない追いつかない。展開的に乗りに乗ってておもしろいことといったら。そういえば、巻末の作者さんのコメントで気づいたんですけど、いわれてみればこのシリーズ、1巻から特に登場キャラクターが増えてはいないんですよね。それもあって、勢いだけで生きてるようなおバカどものこと、それぞれのキャラにいろんな展開があって、そのたびに予測のつかない方向に話が転がってはノリでまあいいかで済まされて。その結果、どんどん明後日の方向にズレてきている展開のおもしろさよ……。今回もめっちゃ笑った。ここからまだどう転がっていくのか、非常に楽しみなシリーズになってますよね。

それにしても、オネエ修行をしてたはずがどうしてこうなった……という感じだけど、たぶんアレだよね。オネエ修行のはずが、途中から女子力上げすぎて女装にも足を踏み入れだしたのが、今回のいろいろおかしな進展の元凶ですよね。男子が苦手な音鐘さんとお近づきになることが目的だったはずが、なぜか女装姿で会って話したりなんかしてるから……。なんで女装姿の自分がライバルみたいになってるんでしょうねえ。というか音鐘さんのほうも女装姿の「高橋さん」相手なら満更でもなさそうすぎていろいろおかしい。特にラストの展開は予想外すぎて。もういっそそのままいけるところまでいっちゃうのもおもしろそうだけど、さすがにそうなると話がややこしくなりすぎるでしょうか。当初の目的からしてもどこかで軌道修正必須なんでしょうけど。ただそれにしたところでもうどこから手をつけたらいいのか、いろいろよくわからない状況ですよね。まあそこがおもしろいんですけど。

女装といえば、「せらちゃん」もすっかり女装が板についてしまって……。中身はふつうに女好きな男子なのに、本人はノリノリだし、無事に(?)女装男子としの認知も広がってるんですよね。交際設定とかまて付与されだしたりしてて、こちらもこちらでどうしてこうなった……は最初から読んでればちゃんとわかるんですけど、あらためてふりかえるとやっぱりツッコミ不可避ですよね。まあともあれこっちもおもしろいことになってるのが楽しいキャラであり。

高橋の妹の杏ちゃんも、今回もおバカにズレたオネエ修行への冷静なツッコミがおもしろくありつつ、くわえて兄やその友人たち(男)の無駄にレベルの高い女子力へのリアクションに笑わせてもらったり、コメディ的に欠かせないキャラになってますよね。その一方で、伊織との関係で伊織の不憫感だけでない展開が見られたのはとてもニヤニヤさせてくれるものでもありました。

そして、個人的にうれしかったこととしては、出張版の話で『水玉ハニーボーイ』の仙石さんがまた登場してくれてたこと。しかも、短いページ数のなかでイケメンぶりをしっかりばっちり発揮してくれてたからもう満足。格好良い仙石さんホントいいですよね。

ともあれ、話もとても気になるところでつづいており、次の巻が待ち遠しくなってくる話ではありました。展開的にも乗りに乗ってる感があって、要注目のシリーズだと思います。未読の方はぜひ。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 20:02| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月11日

「ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2018年下期」に投票します

https://lightnovel.jp/best/2018_07-12/

さて、今回もこの時期がやってきたということで、候補を選定しようと期間内対象作品をピックアップしていたら数冊しか読んでないことに気づいて途方に暮れました。はい。そういえば、前回もなかなか投票したい作品見つからなかったところ、ぎりぎりでひとつ見つかったのでかけこみで投票したんだった。そんなことを思い出してみてもいたしかたなし。直近のラノベの読めてなさがひどい。本自体は読んでるんだけど、ラノベの比率の減少が著しい今日この頃。

ともあれ、今回投票するのは以下の2作です。男性向け単行本から1作、女性向け文庫から1作。どちらもとてもいい作品なので、気になった方はぜひぜひどうぞ。

予言の経済学(1)巫女姫と転生商人の異世界災害対策 / のらふくろう  感想記事へ
予言の経済学 1 巫女姫と転生商人の異世界災害対策 (レジェンドノベルス)
【18下期ラノベ投票/9784065136263】
新興のレジェンドノベルスより。超常的な予言を科学的な推測に変え、現実的な対策を考えていく話。仮説ベースで予言を検証していく過程は謎解きのようでおもしろく、出自を考えれば不安になってくるくらいの純真さで主人公を慕うお姫さまとそんな彼女に警戒心を隠せない幼なじみと主人公の間で生じる三角な人間関係も楽しかったり。

呪いの王女の幸せな結婚 / 水月青  感想記事へ
呪いの王女の幸せな結婚 (ソーニャ文庫)
【18下期ラノベ投票/9784781696287】
歪んだ関係性を描くことに定評のあるソーニャ文庫より。箱入りで世間知らずな王女さまが幸運の王子との結婚により幸せを手に入れる話であり、またその純粋な幸せの裏に隠された強烈な執着心に魅せられる話でもある。幸せは籠の鳥。ヒロイン視点と、ヒーロー視点で、一冊で二度楽しめる物語です。

以上になります。

期間内に読んだ中でのベストは火崎勇『王位と花嫁』(講談社X文庫ホワイトハート)だったんですけど、これは上期の作品なので投票できず。残念。

次回は5票くらい投じられたら……とは思いつつも、最近の読書傾向的にどうなることやら。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:24| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月09日

検証 長篠合戦

検証 長篠合戦 (歴史文化ライブラリー)
検証 長篠合戦 (歴史文化ライブラリー)

検証 長篠合戦 - 株式会社 吉川弘文館 安政4年(1857)創業、歴史学中心の人文書出版社

『長篠合戦と武田勝頼』においてはどちらかというと騎馬兵の合戦における立ち回りがクローズアップされていた印象があるが、こちらでは当時の鉄炮の運用についてより詳しく記述されていた印象。二冊そろって当時の合戦の姿というものをより正確に描きだそうとする研究は、その一部をあちらこちらでかじっていたとはいえ、まとめて読むと古いイメージで固定されていたのが否めない身には新鮮で面白かったこと。とはいえこれでもまだ研究途上のようですし、軍事史的観点から見る戦国時代というのもなかなか興味深いテーマではありそうで。

本書を読んでいて浮かびあがってくるのは、当時の鉄炮の使い勝手の悪さでしょうか。後代のあと知恵をもってすれば、鉄炮の採用は時代の変革であり、いち早くそれに手を付けるのは先見の明の表れであったのだろうなんて思えたりもするけれど、どうもそれほど決定的なアドバンテージがあったようには読み取れないのですよね。まず調達するだけでコストがかかる。鉄炮本体の国産地はかなり限られているため、輸入分を合わせても数をそろえるのには大名直属の鉄炮衆だけでなく家臣団からもかき集める分が欠かせなかったようで。また、本体のほかに弾丸や火薬などの消耗品も必要になってくるけれど、これも必ずしも勢力圏内で賄いきれるものではないので輸入して取り寄せなければならないものも発生する。しかも、それらは揃えるだけ揃えてあとは合戦のときだけ持ち出せばいいかというとそんなことはなくて、鉄炮衆の質や練度の向上のための訓練が重要になってくるため日常的に消費する分の調達も欠かせなくなってくる。実戦投入の前段階からしてやたらとリソースを要求されるのが伝わってくるんだけど、その上そうまでして鉄炮衆を配備しても、実戦の戦況に与えられる影響はそれほど決定的ではなかったりするようだからたまらない。よく言われるように連射性に難があるので射撃の合間には隙が生じるし(そのために多段撃ちがあるにはあるけれど)、そもそも雨が降れば使えないし……。鉄炮の採用に有用性はあるけれど、実戦での効果は局面的なものでしかなかったのではないかとも思わされる。けれどそれでも戦国時代の各勢力のもとで鉄炮が普及していったのは、矢合戦よりも遠距離から戦端を開ける有効射程の長さを有する都合上、敵がそれを持つからには、こちらも持たないことには一方的な戦とならざるをえなくなってしまう事情があったからではないかとも思ったり。

長篠の戦いの主要勢力の主である武田氏と織田氏にとって、鉄炮に関してのいちばんの相違は、地理的な両者の領国の位置がもたらす鉄炮本体や玉薬の調達しやすさにあったといえるだろうか。輸入原料が存在する関係上、西高東低な傾向が現れるのはある程度しかたのないことだったろうけれど、三千挺ともいわれる鉄炮衆を打ち崩すことができずに敗北を喫した長篠の戦いの結果を見ると、地理的な資源へのアクセス性が勝敗に与えた影響は無視できなさそう。

合戦における武田勝頼の敗因としては、そのほかにも鳶ヶ巣山砦の陥落などがあげられていたけれど、そのなかでも個人的には敵軍情報の誤認がいちばん大きかったのではないかと思えたり。鉄炮の装備云々以前に単純な兵力数の段階ですでに倍ほどの差があったにもかかわらず、それに気づくことなく思ったよりも小勢だぞとあなどってしまっていたようなので。諜報の失敗ともいえそうだし、裏返せば信長側による欺瞞作戦の成功ともいえそうで。そしてどちらにせよ、これは純粋に勝頼自身の決断の失敗なのであったという。父信玄から武田の負の遺産を受け継いだ悲劇の将としての勝頼像を否定する内容でもあるでしょうか。まあでも著者の平山先生はこの後著『武田氏滅亡』でも述べていたと記憶しているように、この合戦を滅亡の原因としてはいないのだけれども。

その他、鉄砲玉の成分の解析から東南アジアにまで広がる当時の貿易事情が見えてくるのは興味深かった。ここ、もっと深堀りした本はないだろうか。

そして、ポルトガル船からの鉄炮伝来以前の中国からの鉄炮の導入をさらっと既知の事実のごとく記す記述に衝撃を受けていた。いやまあそんな説もあるとかないとか見かけた記憶もあったように思うけど、自分が学校で習ったのはたしか1543年説だったっけ……。研究の進歩による新説との遭遇には驚かされるばかりですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:31| Comment(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月08日

シンデレラ・コンシェルジュ(1)

シンデレラ・コンシェルジュ (1) (フラワーコミックスアルファ)
シンデレラ・コンシェルジュ (1) (フラワーコミックスアルファ)

シンデレラ・コンシェルジュ 1 | 七島佳那 | 【試し読みあり】 – 小学館コミック

このコンシェルジュがハイスペック。調理にDIYに、ひとりでさらっとやってのける仕事のレベルの高さに、様々な要望に応えるお仕事の天職ぶりを実感させてくれる。とはいえ、そもそもとしてそれら数々のスキルを身につけるに至った経緯が、人並はずれた尽くし体質で新しく彼氏ができるたびに特技も増えていった結果だというのが泣けてくるところであり。そんなヒロインだから、特技としてのハイスペックさも男運のなさを象徴するものでしかなくて、誇れるものではまったくなかった。けれど、そんな彼女のあるがままの姿をすごいと言ってくれ、引き立ててくれる人との出会いがもたらされた。それがこの物語のヒーローであるキャラになるわけで。このヒーロー、ヒロインとはまた別の意味でいろいろできちゃう人ではあるけれど、そのせいで自分というものが空っぽになってしまっているタイプでもあるようで、それだけに似た部分がありながらも前向きなヒロインに目が離せなくなっていくところがあるようで。ヒロインとしても、呪いだと思っていたものに肯定感を与えてくれる人というのはなかなかありがたいものではあり、この時点で相性の悪くないふたりと思わせてくれるものがあります。今後、このふたりの仲がどう進展していくのかといったところですね。個人的には、ヒロインのハイスペックぶりについてももっと楽しみにしたいところだったり。

読切のほうはみごとなまでのケンカップルで。冒頭の別れ話の本気っぽさがマジだっただけに、最後でよりを戻す流れがケンカップルらしさをより感じさせてくれて。腐れ縁のようでもあるけれど、まあつまるところお似合いなふたりなんでしょうね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:19| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月05日

エクレア rouge あなたに響く百合アンソロジー

エクレア rouge あなたに響く百合アンソロジー
エクレア rouge あなたに響く百合アンソロジー

エクレア rouge あなたに響く百合アンソロジー:コミック | KADOKAWA

4冊目となる短編百合マンガ集。今回もすてきな百合がいっぱいないい一冊でした。感想は各話ごとにて。

カボちゃ「はじめまして、久しぶり」
自分にはないものを持った、特別な友だち。ふたりの間にあるのは思い出と、そこからくる好感と、ほんのりとしたあこがれと。進学を期に道はわかれても、お互いが特別なのは変わらない。なんというか、いいですよね。うん。

仲谷鳰「わたしカスタムメイド」
リアルに興味のないアバター作家とお近づきになるために、彼女好みの可愛いアバターを依頼しておじゃまする。短くまとまったそんなお話がとてもかわいかったです。

唯野影吉「あわせたら最後」
前回のキャラ! うーん、やっぱりコミュ障かわいい。

ヒロイチ「どん底の恋わずらい」
すっごいどうしようもない感じ。とてもいい。

北尾タキ「レジェンドと新人と私」
コメディタッチな社会人百合いいですわー。実年齢差二桁の先輩と後輩という関係で、基本的には一途な後輩をエースな先輩がようやるわみたいに見守ってるのがいい感じなんだけど、ときおりそんな関係性が逆転する場面も見どころだったり。

今回いちばんの好みは「レジェンドと新人と私」だったでしょうか。ほかの作品の女の子たちもいろんなかわいさがあって、やっぱりいい一冊でした。次にもぜひ期待したいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 04:40| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月04日

女装コスプレイヤーと弟(1)

女装コスプレイヤーと弟(1) (ガンガンコミックスONLINE)
女装コスプレイヤーと弟(1) (ガンガンコミックスONLINE)

Twitterでたまに見かけては気になっていたマンガが書籍化されたとなればこれは買うしかないというところで(ちなみにTwitterで見かけてたのはだいたい和久井透夏先生(@TokaWakui)によるRTだったような気がします。女装系の作品のRTに個人的に定評のある方です)。というかこれコスネタ的によく書籍化できたなと驚くところですが、それはともかく。

弟よりも元カノとの関係が気になるんですけど! (女装)コスに夢中でそのまま自然消滅とか、なんかもうめちゃくちゃ詳しく知りたくなってくる情報なんですけど!

というか、主人公もそんな過去があるものだから、女装コスプレにも抵抗がないというか、ノリノリなんですよね。いやまあ自分で楽しむか、あるいは他人を楽しませることに楽しみを見出だすかあたりができないと、なかなか続かないものだとは思いますけど(一般的な趣味の話として)。そしてこの主人公の場合は自分で楽しむのがメインなタイプであるようで、メイク映えする顔をいかしたかわいい女の子のコスプレを自撮りなんかして楽しんでいたそうなのであったという。まあ本人が楽しいならそれでなによりなんだけども、自分で自分の女装コス姿をかわいいと言っちゃうあたりは、しかも照れながら言っちゃうあたりとか、それが元カノとの会話ということを考えてもね、もうね、かわいいよね。このシリーズ、コスプレのこととかよくわからず女装姿に恋してしまったフランス人の義弟のちょっとずれた愛情表現が萌えポイントなのかなと思うんですけど、個人的にはそっちよりもおまえがかわいいよという。

弟との距離の取り方に関しても、普段は男同士かつ義理の兄弟なんだけど……という事実によって一定以上に近づけさせてはいけないという抵抗感が働いているけれど、疲れてたりお酒が入ったりしてそういう心理が働かなくなってくると、べったり慕って寄りついてくる弟くんを自然に受け入れている瞬間があったりして、姉弟みというかおねショタみというかを感じられてグッドだったり。あと、弟くんによる人前だろうがかまわず押せ押せなアプローチで照れ照れになる主人公(女装)はまあ文句なしに優勝ものなので、もっともっと引き出してもらいたいところではあり。

1巻とナンバリングされてもいますし、2巻も楽しみにしたいところですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:17| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月01日

映画大好きポンポさん(2)

映画大好きポンポさん2 (MFC ジーンピクシブシリーズ)
映画大好きポンポさん2 (MFC ジーンピクシブシリーズ)

ジーン君がすがすがしいまでにクズだった。いや、映画バカだったということで。

うん。そう。映画バカ。ここまで自分の納得いく映画(=いい映画)を撮ること以外のいろんなことを放り投げてしまえる人ってめったにいないですよ。迷惑丸投げ、前言撤回、土下座敢行……いい映画を撮るためならプライドなんて端から捨ててかかるぶっ飛びようがすさまじかった。そうだよなあ、ジーン君って映画が好きすぎて好きすぎて、それ以外には何も要らないってくらいのやつだったよなあ。もともと根暗な社会不適合者でもあったし。

今回のジーン君がとんでもなかったのは、それを全部素でやっちゃうところで。最初はもっとスマートにやるつもりだったけどだんだん追いこまれてきて……とかではまったくなかったんですよね。自分がやりたいのは自分の納得いく映画を作ることであると、その抑えきれないほどの渇望に駆られるように動きだしたはいいものの、ポンポさんなしでは能力も足りなければ必要なコネもない。じゃあどうするかというところで選ばれるのが初手土下座であったということになるから呆然とさせられるところで。いやその、事前に迷惑かけた経緯とか、それがあったのにさらに……とか、とるべき態度としてのありえなさにジーン君株暴落不可避になるんだけど、でも最後まで読んでるうちに、それだからこそジーン君なんだよなあと納得させられてしまうのがすごいところであり。

人間としてはとても褒められたものではないんだけど、クリエイターとしてはたまらない魅力を放つバカでもある。そんなジーン君の映画バカぶりに魅せられるこの二作目は、冒頭で語られる続編ものに寄せる期待に真っ向から応えてみせた話だったと思います。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 19:50| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月30日

の、ような。(1)

の、ような。 1 (芳文社コミックス)
の、ような。 1 (芳文社コミックス)

好き。なんというか、もう……好き。あまりにも好みの中心を撃ち抜いてくる作品に出会うと、あれこれと言葉をひねりまわすよりもただただ「好き」という言葉しか出てこなくなるものなのだなあと、そんなことを実感させられる。このレベルになると、読んでて幸福感がすごいんですよね。自分でも気づいていなかった部分が満たされていく感じがするというか。やばい。やばい。とにかく……好き。全力でオススメします。

…………と、だけ書いて、作品の中身にまったく触れてないことに気づいたのでここから書いていくと。

あらすじとしては、ひとり暮らしをしていた作家の希夏帆(きなほ)のもとに、亡くなった親戚の子ども2人(中学生と幼稚園児)を彼氏が連れてきて、その彼氏ともども共同生活をはじめていく話。

個人的に、最近どうも家族ものの話に弱いんですよね。それも、血のつながった家族ではなく、そうではない者同士で家族になっていく話。なりよりも強力な血のつながりという絆がないからこそ、家族らしさの形という理想を手探りしていく様子がたまらなく大好きみたいで。この作品もその類型ではありました。

そのなかでも、この作品が特によかったのは、主人公の(とまで言っていいのかわからないけど少なくともメインの人物ではある)希夏帆というキャラクターについてであり。

両親を亡くしてしまった子どもを引き受ける人物として、これほどいいなあと思わされたキャラはどれだけぶりだろうか。このジャンルを好みだしてそれほどたってるわけでもないし、初めてと言ってもいいかもしれない。それほどまでに思わされたのは、中学生と幼稚園児という難しい年ごろの子どもたちを、親としてではなくあくまでも他人として、ひとりの大人として新しい保護者を務めていくそのスタンスにあったのであって。

希夏帆さん、自分の育ちでいろいろあったのか、とても子どもの目線に立った接し方をするんですよね。まあいっしょに暮らすようになったとはいっても知り合ったばかり。いきなり血のつながった肉親のようななれ合った空気を作りだすのは難しいかとは思いますが、かといって変によそよそしくなることもなく、印象としては常に一貫して、フランクな態度で子どもたちに接してるように見えるというか。ふたりの子どもたちがどちらも素直ないい子である部分も大きいんですけど、あまりにもいい子過ぎる部分もある。それで、迷惑をかけてないかと気をつかう子どもたちにあっさり困ってると認めてみたり、遠慮しがちな態度を見かねてあえて文句のひとつも実例として出してみたり、家族としてやっていくための必要以上の我慢を取り去るために子どもの思う大人っぽさからはちょっと離れた言動をちょくちょく見せる。子どもも大人もお互い慣れない相手との共同生活の中、子どもたちときちんと目線を合わせて、向き合って、歩み寄りを重ねて新しい生活を築きあげていく。そのスタンスは、一方的な教導関係ではなく、お互いをひとりの人間と認めて尊重しあいながらひとりひとりが主役となって家族の形をつくりあげていくかのようで。突然の生活の変化も含めて大変そうではあるけれど、それと同時に楽しそうだなあというのが伝わってくるんですよね。

彼ら子どもたちふたりを受け入れた理由についても、ここが特にすごいなと思ったところなんですけど、全然気負ったところがなかったんですよね。なにか特別な使命感めいたあったわけでもなく、かといって愁人くん(彼氏)が連れてきたからしぶしぶとというものでもなく。ふたりを引き受けることには賛成の意を表していたんですよね。それもごく自然に。助けが必要な子どもに手を伸ばすのは大人にとって当たり前のことだと言うように。これをなんの気負いもなく言えるのがすごいところで。そのうえで中学生と幼稚園児の男の子ふたりとその場で共同生活スタートできちゃうリソースの持ち合わせがあるのがさらにすごいところで。

希夏帆さん、年齢的には30代の半ばかそれくらいでしょうか?(同じ幼稚園のママさんよりやや年上な感じで読んでた記憶があるんですけど、あとから読み返すとそれっぽい描写が見当たらない……) まあそれはともかく、一般的な女性(とは)が家庭を持ち子どもを産み育てていく年齢をひとり暮らしで仕事に打ちこんできたことから、それなりの家事スキルはあり、居住空間も保有していた。それらは将来子どもを持つために準備されたものではなかったが、ふたりの子どもを引き受けるにあたって格好の用意ではあったわけで。〆切かかえた作家業に生活の変化はなかなか深刻な影響を与えるものの、そんな事情はあってもあまり表に出すことなく、むしろ他人より多く自分の時間を過ごしてきたのがそれを誰かのために使う番が回ってきただけだと、ごく自然に受け入れる様子に、なんだか理想の大人めいた姿を見た気持ちになるのです。本人自重してますけど、なかなかできることじゃないと思うんですよ(なにか、愁人くんとの関係で頼まれたら断れないものがあるようだけどそうだとしても)。

その意味で、愁人くんとの関係も気になりますね。もともと”半”同居状態だったとはいうものの彼氏どまりではあって。長い付き合いはあれど結婚はしていないという。文句はあれこれ言うものの、頼りにはしているしされている関係。もういっそ結婚してしまえばとも思うんだけど、それに対する回答は第1話のものがまだ有効でありつづけている状態であって……。うーん、なんなんでしょうね、このふたり。あの回答はあれでじゅうぶん理解できるものではあったんですけど。過去にあれに類するやりとりを経験してたりするんでしょうか。なんだかいろいろありそうな関係ではありまして。作中で連れ合い感が感じられるほどにふたりの過去が気になってくる感じ。同じ作中で男同士のカップルも友人として出てきてましたし、結婚の形というのもこの作品にとって重要なテーマだったりするんだろうか、どうなんだろうかというところ。

という感じでなんだかんだ書いてきましたけど、結論としては希夏帆さんが本当にいいキャラクターなんですよということで。
徹夜上等な作家生活に子どもたちとの共同生活が合わさって、ぼーっとした疲れ目な表情なことが多いですけど、それがまたいいというか。しかも、そんな表情をしていながら理想論的説教をかましたりするからなんというか、もう、好き。格好も基本的にラフなのにそのギャップがまたよくって。

そして、そんな希夏帆さんたちによってすこしずつ築かれていく家族の姿は、スタート地点ではいろいろ未熟だったのが、だんだん皆(特に大人の側が)成長してきてるのが見てとれて。向き合い、歩み寄りながら皆で足りないものを埋め合っていく家族。その基礎をなすのは家族というより共同生活なのかもしれないという気もするけれど、いいものですね。これもひとつの家族になっていく物語。

期待のシリーズですね。絶賛オススメします。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 21:03| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月27日

服を着るならこんなふうに(2)

服を着るならこんなふうに(2)
服を着るならこんなふうに(2)

「服を着るならこんなふうに」|ヤングエースUP

「俺だって欲しいんですよ スーツに合わせると大人っぽくしっかりして見えて あわよくば普段使いもできるような万能のコートが…」

なんだろう、とても最近の自分の心境とシンクロしたようなセリフが……。ごめんなさい、欲ばったこと言わずに何か買うことにします。

というのはさておき、今回は前の巻のラストで登場した樋口さん流のファッションの考え方が披露されるお話でもありまして。

樋口さん流、それは第一にしてなによりの趣味というレベルでお金をファッションにつぎこむものであり、1巻の話でへーへー言いながら読んでた人間からしてみればまるで別世界のようでもあるけれど、ひとつの方向性としてそうした路線もあるのだと伝えてくれるのであり、それと同時に無限にあるわけでもない元手でのやりくりの方法を教えてくれるものでもあり。いわば、基礎を学んだところで今度はそのすこし上のクラスをのぞいてみる感じでしょうか。

背伸びしないと手が届かないような感もあるものの、でもそうしていろいろ着こなしたりファッションの話をしてる樋口さんを見てると、これはこれでとても楽しそうでもあるんですよね。なににつけ、思いっきり楽しんでいる人を見てるとなんだかいいなあと興味がひかれるものもあるというか。楽しんでこその趣味であり、楽しみ方がわかってくるとより面白くなってくるのが趣味でもあるんだろうなと、本読み趣味の人間としてもわかる部分もあり。

そんな今回の話でいちばん面白かったのは、「流行のシャワー効果」と呼ばれていた考え方。これは服のトレンドの伝播経路に関するもので、おおざっぱにまず海外のトップブランドで最先端のデザインとして生まれたものが、何年も何年もかけて徐々ににその下のクラスその下のクラスのブランドに真似されていって、最終的にはファストファッションのお店でも見られるようになっていくという、そんな流れのことのようで。これを理解しておけば、あらかじめちょっといいお店で下見をきておいて、いいなと思ったようなデザインのものが手頃な店でも並ぶようになったところで手に入れることもできるし、またそうした知識をしいれておくことで大衆的なオシャレの流行を先取りすることもできるのだそうで。この辺、ひとつの流行だけで好みが満たされる人ばかりではないのではという気もするものの、むしろそれほどこだわりのない人にとっての手軽なチョイスとして有効に機能するものではないかと思ったり。

そんな感じで、今回もおもしろい話でした。躁的な買い物には気を付けたいですね……。

あと妹ちゃんも、今回もかわいかったですね。個人的にはメガネかけてるほうがかわいさアップして感じられるような気がしますがそれはともかく。

次回は、どんな話でしたっけ? まだ既読の範疇ですが、そろそろ記憶があいまいになってきてて。ともあれ、次も楽しく読ませてもらいたいです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 19:01| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする