2021年01月10日

『リボーンの棋士(6)』

新刊がなかなか本屋で見かけられなかったり、あったとしても買ってないことを忘れてたりで、前の巻を読んでからすこし間があいてしまった。

今回は師弟対決のつづきから。めちゃくちゃ熱かった。再起を期す弟子、衰えてきた師匠。どうなってしまうのかとやきもきさせられる前の巻ではあったけど、全然そんな心配は無用だった。師弟を超えて勝負師としての意地をむき出しにしてぶつかり合い、一個の棋士として優れた手を競い合うふたりの戦いは最後までめちゃくちゃに熱かった。そしてそれを観戦する側にまで驚嘆や嫉妬の感情を催させるんだから、ものすごい感慨に包まれてしまわずにはいられない。ものすっごくおもしろかった。マジでもっともっといろんな人に読んでもらいたいシリーズ。めっちゃオススメ。

くわえてその後の土屋がまた……笑。土屋、これまでもプライドの高さに足を引っ張られてきたけど、今回はまた特大なやらかしをしてしまった感。いや実際気持ちはわかるし、相手に悪意があったのは確かだから同情はできるんだけど、でもそのプライドの高さはまだ分不相応だったと思うんだよなあ。とはいえそれでもっともっと強くなりたいという気持ちを読者に刻みこんでくれるのが土屋であるし、事情がわかるから同情できるだけに心の底からもっと強くなってほしいと応援せずにはいられないのが土屋なんだよなあ。隙は大きいんだけどそこがまた人間的というか。このマンガの主人公は安住だし、一番に期待してしまうのも安住なんだけど、それとはまた別に一番に応援したくなるのはやっぱり土屋なんだよなあという。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:31| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん!(1)』

八十亀ちゃんを読んでてローカルネタの話はおもしろいなーと思っていたところに、同じ愛知県内のローカルネタを扱った作品として登場してきて気になってた作品。ちょうど八十亀ちゃんのほうでも、最新刊では三河のキャラが本編に登場するかもとか前の巻の予告的な感じでついてたので、その予習にもなればというつもりで読んでみたのであった。ちなみに八十亀ちゃんの最新刊はまだ読めてない。

それはともかく、名古屋生まれ名古屋育ちの人間としては、結構違う東三河の市民性にへーほーいいながら楽しめる話であり、でもところどころではこちらと通じるローカルネタもあるからまるきり異郷とも感じない、不思議な距離感親近感を感じる町の話であった(例をあげると、自分の周りは放課も放課後もどっちも通じるし実際使う)。トヨタの経済圏が一部尾張地方にまで及んできてる部分があるから、西三河ならわりと近いイメージはあるんだけど、東三河は岐阜とか三重とか並みに遠いところなイメージがある。

豊橋に行ったのは一回だけだけど、一番印象に残ってるのは駅を出た途端にただよってきた味噌の香りだったりする。さすが三河は味噌の国とちょっと感動した思い出。なので津辺先生の出てくる話が一番おもしろく感じたところではあったかも。

「愛知の第2都市はどこだ問題」は、名古屋の人間からすればまじでどうでもよかったりする。一番は名古屋だしなーという。でもどちらかというと岡崎なイメージはあるかもしれない。なんでだろう、徳川家康ー岡崎城のラインからくるイメージだろうか? あらためて考えてみるとイメージの由来はちょっと気になるところではある。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 12:26| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月05日

2020年をふりかえる(音声作品編)

年末にTwitterで「#2020年自分が選ぶ今年の音声作品4作」というハッシュタグを見かけて自分でも考えてみようと思ったものの、感想などもほとんど残していないので全然内容を思い出せずにいくつか聴きかえしたりしているうちに年を越してしまっていたという。そうこうしているうちにタグのほうも落ち着いてしまった感があるので、いっそのことブログ記事として紹介してみようかと考えた次第。


音声作品はもともと聴く時期と聴かない時期で波がある感じで、それほど数多く聴くほうではないんですが、2020年もその例にもれず、購入したのは17作のみ。ただしこの年は前回の記事にもあるようにVTuberにハマった年でもあったため、そちらでASMR系の配信を聴いていた回数もそれなりにあったように思います。総再生時間的にはたぶん、購入した作品分くらいはYouTubeのほうでも聴いてたかも?

ただし今回選ぶのはすべてDLsiteでの購入分からになります。ハッシュタグの趣旨はたぶんそういうことだと思うので。それに、動画でそこまで印象に残ったものもなかったので。というより、印象に残った人はDLsiteで作品販売してたので、そちらで合わせて紹介すればいいかなということで。

それと、音声作品に関して2020年をふりかえると、この年は自分にとって多少の変化があった年だと思います。7月下旬というか末ごろにかけて、訳あって生活を夜型から人並みな程度に変更しなきゃいけなくなったんですよね。具体的には寝る時間を深夜の3〜4時から11〜12時くらいに。それ自体は特にどうこう書くことはないんですけど、その際に、いつもは寝てなかった時間に寝るための……というわけではなかったような気もするんですけど、睡眠にいたるルーティン的な感じで、いつのまにか一日の最後に音声作品を聴くという習慣が定着してる感があるんですよね。体が疲れてるなあと思ったら、自分でちょっとマッサージなんかをくわえつつ。これがいいリラックスタイムになっているんですよね。

というのはともかく、そんな経緯もあって、例年だとエロと癒しの割合が半々くらいで購入してた気がするんですけど、2020年は癒し系の作品がやや多めになってたように思います。必ずしもR-18作品ならエロというわけでもないので、その意味ではR-18作品がまだ多いんですけれど。

ともあれ、4作品を紹介していきます。順番は購入順です。



耳かきリフレ『春乃撫子』へようこそ♪〜耳かき・洗髪・耳舐めのデラックスコース♪
→(※R-18注意)https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ287668.html

2020年の耳舐め作品枠ですね。耳舐めって、人によって意見が分かれる気がするんですけど、個人的にはエロではなく癒し要素だと思うんですよ。なので、激しめの音よりもゆったりめの音のほうが好みに合うわけで。そして、この作品はそうしたゆったりめの耳舐めのパートが長い。R-18なので、そういうシーンではペースが上がったりもするんですけど、それでも好みの範疇からはずれることなく、その前のオイルマッサージパートから含めて、耳がふやけてとろとろになってしまいそうなほどに耳舐めパートを楽しませてくれる素晴らしい作品でした。


あやかし郷愁譚 〜大禿 ちせ〜
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ291094.html

旅館でもてなされる雰囲気がとてもいい作品。特に給仕のシーン。昔話をあれこれと話す合間にいろりであぶって食事を用意してくれる場面のなんともいえないあたたかな幸福感に包まれる感じ。いいですよね。特別な雰囲気。ひげそりパートや耳のマッサージパートもあったりして、とても近しく、親身にもてなしてくれる感じ。癒し。


悪魔娘が最高に癒すのでものすごく眠れる
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ299717.html

ASMR系の配信で大人気のVTuber、周防パトラによる販売音声作品。収録時間はなんと約10時間。YouTubeのほうでいくつか聴いたことのある人ではありましたが、安定して気持ちのいい音を届けてくれるVTuberさんではあったんですよね。そんな普段から素晴らしいクオリティで届けられる放送の数本分がぎゅっと詰まった一作。耳かきとか、炭酸系のヘッドスパとか、オイルでのマッサージとか。どれをとっても一級品の気持ちのいい音を堪能させてくれる作品。文句なく、2020年のベスト音声作品だと思います。この作品で興味を持った人はYouTubeのほうも聴いてみることをオススメします。そしてYouTubeのおすすめ欄がASMRであふれかえ(ry

この方の音声作品で特筆すべきは耳のマッサージ音の大きさだと思います。他者比で明確に音が大きい。けれどそれが耳に触れる指の感触をより強くイメージさせて、ゾクゾクとした快感が伝わってくることになっているんですよね。それに、そうであるからこそ、耳をさすっていた指が耳の穴に入り、耳が塞がれるあの瞬間の気持ちよさも、引き立てられてるように思うんですよね。


●優しい小悪魔おねえさんに甘えた〜い!童貞卒業委員会♪
→(※R-18注意)https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ306011.html

エロ枠。説明不要。



以上。そんなところで。

最後まで悩んだ作品として、「ねこぐらし。2〜アメショ猫娘と癒やしのひととき〜」(→https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ310041.html)もありましたが、それぞれ別系統のよさがある作品にするのがいいかなと考えて泣く泣くはずしました。とはいえ、ヒノキっぽい風呂場の環境音の快さ、じっくりと耳をマッサージされる音の心地よさは、癒し系の音声作品として上記の作品にまったく劣るものではありません。


2021年はまだ、これを書くための聴き直しをしてただけで、まったく新しい音声作品を聴けてないのですが、おそらく安定していろいろな作品を聴きつづける年になるのではないかと思います。今年もまた素晴らしい作品と至福の時間が過ごせることを期待したいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 17:28| Comment(0) | 音声作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月01日

2020年をふりかえる(読書編)

2020年の本の購入数は348冊(紙・電子合わせて)。
2020年の本の読了数は276冊(同上)。

買った本の約79%分くらいは読めたということで。さすがに読めない本を買いこみすぎてる気がしてたので、2020年はちょっとセーブしました。読めた本の数も減ってますが、2019年に400冊くらい読んでて、数が多ければものいいというものでもないなと思ったりもしたので。2020年は特に読了数を気にせず気の向くままに読んでました。なのでわりと時期によって数にムラがありますが、まあそんなものということで。

むしろ、どれだけいい本との出会いがあったかのほうが大事だなと思ったりもしますが、「いい本」とは何かというのが自分のなかでは時期によってぶれまくるので、わりとまとめる賞味期限が短いというか。読んだ時期が最近のものばかりになる気しかしないので微妙なところ。

とはいえ2019年と比べて特徴的だったと思える本や傾向的なものは一応あるので、そういったところをいくつかあげていきたいと思います。


まず、2020年はライトノベルに限らず小説の読了数が減りました。276冊のうち、なんとたったの32冊。外国語の文章を読んでたり、そもそも本を読む気分にならなかったり、人文・科学系の本を読んでたり、外国語の文章を読んでたりして、小説を読むタイミングがあまりなかったという。読めるタイミングはあってもそれより優先して読みたいものが常にあって、小説を読むところまで手が回らなかったんですよね。物語を摂取したい欲求に関しては、マンガのほうが短時間で満足できるので、ほとんどそっちに流れてしまった模様。

とはいえそれでも、小説でしか得られない楽しさはありました。それはずばり、女性向けのロマンス/TL小説ジャンルですね。心の奥深いところまで満たされていくような幸せな心の交流を描いてくれる物語としては、マンガよりも小説のほうが媒体としても描写の密度としてもきわめて優れているんですよね。

そんなロマンスジャンルで2020年読んだ本から一冊あげるとすると、ジェイン・オースティン『高慢と偏見』(中公文庫)になりますね。言わずと知れた古典名作ですが、読んだのはこれが初めて。そしてこれは、どうみても女性向けの恋愛小説ですね。当時の英国の地主階級(?)の姿をていねいに描きながら、そんな階級に生まれた女性主人公の結婚にいたる恋のやりとりがユーモラスに描かれていく様子がめちゃくちゃおもしろかったんですよね。出会いは嫌味な感じ、けれど遠慮のないやりとりを重ねていくうちに、余人には代えがたい信頼感を伴った関係性が築かれていくという。これは、現代のロマンス/恋愛小説の中に混じっても色褪せない、時代を超える名作だと思いますね。


次にはマンガ。なんですけど、いちばん数を読んでいるだけに、マンガ全体でひと言でまとめてこうだったと語るのはさすがに無理なので、何作かピックアップだけしておくことにします。

粉山カタ『不可解なぼくのすべてを』(GOT)は性別をテーマにしたまっすぐ青春マンガ。まっすぐすぎて衝突したりもするけれど、その魂からの叫びの描き方がうまいんですよね。最新4巻ではいよいよ個人から家族の問題へとなってきて、次で完結とということとあいまって、どういう結末におちつくのか、最後までとても楽しみなシリーズですね。

ゆうきまさみ『新九郎、奔る!』(小学館)は後世に北条早雲として知られる伊勢新九郎を主人公にした歴史マンガ。新しい学説も取り入れながら描かれる応仁・文明の乱の様子も面白かったですが、領地に下向した4巻からはややミクロな当時の領主層に焦点を当てつつ、そこでの主人公の青春が描かれるのが、歴史ものとしてもそれを抜きにした青少年期のマンガとしてもすごくおもしろくなってきてて要注目だと思うんですよね。

森野萌『花野井くんと恋の病』(講談社)は恋愛感情が重めな男子と初めて恋をするヒロインとのラブコメマンガ。少女マンガとしては進行ペースがゆっくりめではないかと思うんですけど、だからこそ一歩一歩進んでいくふたりの恋愛模様が小説ジャンル並みの密度が描かれていて、読んでいて非常に満足度が高い作品になってるんですよね。高校生活はまだまだイベント盛りだくさんですし、ひきつづき期待大のシリーズですね。

新規開拓枠としては、BLから、ふるやちるこ『世界でいちばんかわいい!』(ふゅーじょんぷろだくと)。女装攻めのBLですね。女装した攻めがふつうにかわいくて、女装すると興奮しちゃう姿がめちゃくちゃえろくて、そんな攻めにめちゃくちゃにされちゃう話はすごくよくて。これは、とてもいいジャンルですねと思った次第。これ関連では松田環『こちらから入れましょうか? ……アレを』(祥伝社)も、BLではないですが、神展開でつづきがとても気になってますね。


その他、歴史系の本は、実はほとんど読まない年でした。特に中世西洋史なんですけど、専門書レベルでないと内容に満足できなくなってきてたんですけど、そのレベルの本は読みすすめるのが大変だったりして、読んでて面白いんだけど楽しくないと感じられるようになってしまって……。

それでもなんとか読めた本としては、何年も積んでた黒田祐我『レコンキスタの実像』(刀水書房)。カスティーリャ王国対グラナダ王国というレコンキスタ後期における、マクロな国と国の対立の下で起きていた国境地帯由来の衝突や和平志向の動きを描き、中央では統制しきれない境域の現実の姿を描きそれがマクロな国同士の関係に与えた影響を考える、とても興味深い一冊ではありました。

これ以後の研究状況も追いかけたいんですけど、出かける意欲のあるときは外出自粛が叫ばれていたり、それがいくらかゆるんできたときは出かける意欲がなくと、どうにもタイミングが合わない感じになってますね。


くわえて、2020年の読書でいちばん特筆すべきこととしては、科学系の本を読むのが面白く感じられるようになってきたことですね。2020年にいちばん読んでたのはもちろんマンガですけど、次に読んでたのは実は日経サイエンスとかそれ関連の本ではなかったかというくらいで。数学嫌いな文系人間として、これまで科学系の本にこれといって興味を持たずに生きてきたんですけど、2019年に日経サイエンスを読むようになって、その別冊の本とかをあれこれ読んでいるうちにだんだんとその方面の面白さがわかるようになってきたというか。買った本を眺めていると、科学系の本がちらほらと目につくようになってきてるんですよね。読む方まではまだあまり手が回ってなかったりもするんですが、2021年はその辺にも手をつけれることを楽しみにしていきたいところですね。

その方面で面白かった本をとりあえず一冊あげるとすると、別冊日経サイエンスシリーズの『感染症 ウイルス・細菌との闘い』になるでしょうか。発売が3月とか4月とかそのくらいなので、コロナ関連の情報は古いものしかありませんが、その他の感染症との闘いの様子やそこからの問題的がいくつも科学的に記されているのがとても示唆に富んでいると思います。


英語やスペイン語の本とかニュースとかも読んでましたが、まあここに書き残すようなことは特にはないですね。そもそも何か書く場所はここでいいのかという疑問が。


そんな感じで、2021年は買った本と読んだ本の数のギャップをもっと縮めつつ、内容面での満足度は維持向上させていけたらいいなというところですね。あとは、小説を読む時間をどう取るかというのが課題になるでしょうか。その辺をなんとかしつつ、でも第一には楽しく過ごすことを最優先でいきたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 13:19| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月29日

VTuberを楽しむということ。あるいは2020年をふりかえって(VTuber編)

自分にとっての2020年はどういう年だったかと考えると、VTuberにハマった一年だったなあというところになりますね。


世間はそろそろ2020年をふりかえろうとする流れのようなので自分も乗っかってみんとして書いてるんですけど、どうも一年のふりかえりをすること自体が実に3年ぶりであるらしい。どれだけ今ばかりを生きてきたのかという。

とはいえ、そもそもこういう一年のふりかえりって、わりと一年の半分以上はつづくトレンドがないとなんだか一本筋が通った記事にならないように思うんですけど、どうにも移り気な性分で、ここ2,3年はそういう物事がこれといってなかったんですよね。本だと本のなかでのジャンルの移り変わりがあって、どうにも……という。



それはともかく、もともとVTuberは自分の好みに合わないコンテンツだと思ってたんですよね。世間的なVTuberの流行り自体は2019年以前から知ってはいたものの、もう少し前のニコ生とかの雰囲気が好きになりきれなかったこともあって。

そんな自分が、にもかかわらずVTuberを楽しむことができているのは、やっぱりアバターの存在が大きいと思うんですよね。画面上にリアルの顔が映るよりは何もないほうが、何もないよりは二次元の顔が映っているほうが初めの第一歩としての興味は持ちやすいという。これはサムネイルなどで見たときに、VTuber以前からなじみのあったゲームプレイ動画・ゲーム実況動画と同じような感じに見えて疎遠さを感じにくくさせてくれる効果があったように思うんですよね。

くわえて、わりと最初からそうだったと思うんですけど、バーチャルな存在としてデビューするにあたって、なにがしかの架空の設定を盛り込んだ状態で登場してくるんですよね。これが地味に大きい。それがあることで、リアルの境遇の格差をねたんだりうらやんだりするような心理が起こりにくくなって、より一層動画に集中できるというか。むしろその設定と実際の性格などとのギャップが味になる人もいて、なかなかに面白いところだったりもするところで。

自分がVTuberのコンテンツを見るようになったタイミングは、2020年のGW。たまたまのぞいていたニコニコのランキングで見かけた、にじさんじのエクス・アルビオとフレン・E・ルスタリオのコラボ配信の切り抜き動画がきっかけでしたね(→https://www.nicovideo.jp/watch/sm36800990)。20分もある動画で、切り抜き動画としてはかなり長い部類に入るんですけど、それでもクソゲーを遊びたおす楽しさがこれでもかと伝わってくる動画で、20分間ほとんどずっと笑いつづけてしまうくらい見どころ満載だったんですよね。ああいう小学生みたいなノリ、好き。

それでVTuberに興味を持った、というよりもその二人に興味を持ったので、まずその二人の切り抜き動画を見たり配信をライブで見にいったりするようになって。そうしているうちにだんだんと同じにじさんじ所属のVTuberに興味が出てきたり、プレイしてたゲームに興味が出てきてほかの人の動画も探すようになったり、くわえてニコニコのランキングから興味を持ったVTuberの動画も見てみるようになったりしているうちに今にいたっている感じでしょうか。

VTuberの動画を見る一方で、読書のほうの趣味もそれはそれでつづけてはいるんですけど、本だけだと本を読む気分じゃなくなったときにすることがなくてつらいと感じることが増えてはいたんですよね。けれどそこにVTuberという選択肢が加わると、じゃあ今は本の気分、今はVTuberの気分ということで、趣味の幅が広がってより楽しく日々を過ごせるようになってる気がするというか。いい気分転換になるという意味で、VTuber、とてもありがたい存在ではありますね。



そんな自分のVTuberというコンテンツとの接し方ですけど、基本的には箱よりも個々のVTuberその人を、一人ずつ興味の幅を広げていく感じですかね。当該のVTuber本人に興味がわいた、その配信の雰囲気が気に入ったからそのVTuberを見るようになったという部分が一番強い。

それは今も変わらない傾向で。なので、好きになればなるほど、その人がTwitterやYouTubeで発言すればなるべくチェックしたいし、前世とか中の人とかに触れない程度でそうしたキャラクターが形成されてきた背景も知りたいと思う。つまり、為人への理解を深めてより彼ら/彼女たちによるコンテンツを楽しみたい、より多くの時間を彼ら/彼女たちによって作りだされる世界の中で過ごしたいという気持ちで、自分はVTuberたちをフォローしている。

そう、個人的なVTuberとの接し方を表現するには、「推している」というよりも「フォローしている」という言葉を使うほうが感覚的には近い。誰かに対して、どこかの目標に向かって彼ら/彼女たちを推していこうという気持ちは自分のなかでは希薄であって、ただただ自分が楽しみたいという気持ちで活動を追っているという感じ。拡大志向の活動者の方たちからすればあまり望ましいファンではないのかもしれないけれど、自分の好きや気に入っているという気持ちは今はどうにも外向きよりも内向きになるものであるようで。

もちろん、好きや気に入っているの度合いによって程度はさまざまではある。配信を全部見たい人もいれば、一部特定の配信だけが目当てになっていく人もいる。それはそのVTuberさんたちの為人を知るにつれてだんだんとそのどちらかに分類されていくものであり、どこまでその人のことを気に入るかで分類先はわかれていっているように思う。


全部見たいと思っているVTuberとして具体例をあげると、いちばん最初に出会ったにじさんじの英雄こと、エクス・アルビオ。
https://www.youtube.com/channel/UCIytNcoz4pWzXfLda0DoULQ

いちばん最初にハマったVTuberで、いちばん多くの時間を視聴に費やした人でもあります。GWに上記の切り抜きを見て、それから過去の切り抜きを2〜3か月分くらいさかのぼって見たり、膨大な非公式wikiを読んだり。そこからは新たに追加されていく配信動画を見て。一体どれほど楽しませてもらったか。上記のようなバカゲーをやることもあれば、スプラトゥーンやAPEXのようなガチのゲームをこなすこともあり、そのどれもがおもしろいものばかりで、しかもちょくちょくにじさんじの箱内や外部のイベントや大会にも参加していることから、そこで成果をあげるために頑張る姿や実際に活躍して結果を残す姿も見せてもらえて、本当に2020年はこの人の動画を見ながら過ごした一年(実際には半年くらい?)だったなと思えるものがあります。自分が2020年いちばん楽しませてもらったのはまちがいなくこの人です。

この人の配信は、見ててすごくおもしろいんですよね。本人がお笑い好きなこともあって、ところどころに小ネタをはさんできたりして笑える配信にするのがとてもうまい。ときには小学生みたいなノリで騒いだりしてうるさいくらいになることもあるんですけど、自分としてはそういうところも含めてすごく好きなんですよね。かと思えばクレバーな一面を見せてくれるゲーム配信もあったりして、知れば知るほど気に入っちゃう感じ。メンバー限定の配信も見てると、芸人のような普段の配信の姿もエンターテイナーのひとつの形としてますます好きになっちゃうというか。とてもおすすめのVTuberです。

知らない人にとりあえず見てもらうとしたら、ここ2〜3か月以内だと、まだコラボ2回目なのに先輩相手にうるさいくらいにボケをかましまくるAPEX配信の切り抜き動画
>勇気ちひろ「ガスおじもエリア見れるよw」エビオ「ちょっと勇気ちひろって人の配信に低評価押してきます」 - ニコニコ動画
https://www.nicovideo.jp/watch/sm37679778
とか、配信としては短めでありながらオチまでしっかりついてて笑えるパズドラガチャ配信
>【パズドラ】炭治郎最強の相方?!仮面ライダーガチャ200個回します!!【にじさんじ/エクス・アルビオ】 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Y1uJn6T5yYA
とかどうでしょうというところで。


特定の配信だけ見ている人としては、World of Warships(PC版)のアジアサーバーにてComunity ContributorをしているPremiere_Raccoonさん。
https://www.twitch.tv/premiere_raccoon

本当はVTuberではないんですけど、バーチャルなアバターを使用してフェイスリグで動かしてもいるので、実質Vの者ということでいいのでは?(暴論) VTuber誕生以前から知っていた人でもあります。生放送はあまり見てませんでしたが、ニコニコに投稿していた動画はちょくちょく見てたんですよね。ゲームプレイ動画・ゲーム実況動画的なものとしてVTuberの動画を見だしたこともあって、同じように見れそうな配信動画として思い出した一人がこの人ではありました。

現在はTwitchで主にWoWsのゲーム配信をされてる方ですね。巡洋艦メインで、戦績的にもアジアサーバーのトップ層のプレイヤーの一人ではないかと思います。この人のゲーム配信はプレイ自体がうまいこともさることながら、うまい立ち回りや戦術、逆にまずい立ち回りや戦術を自分のなかでしっかり言語化できている人なので、それを視聴者に向けて解説してくれることもあるのが参考になるんですよ。初心者には難易度が高いかもしれませんが、中級者くらいにかけてとても役に立つ配信なのではないでしょうか。

とりあえず紹介するとしたら直近ではこのアーカイブでしょうか。冒頭1時間くらいの解説が異例の濃さ。さすがにここまでのはなかなかないですけども。
>【WoWS / WGJ公認CC】コントリビュータのおしごとっ!〜短スパンでおふねしていく(質問等お気軽に)〜
https://www.twitch.tv/videos/823064737

ほかにも、主にスプラトゥーン2の配信を見てるVTuberさんなんかは、その配信だけを目当てに見ている人が多いですね。それ以外でも見たい配信がないでもない人もいますが、その頻度が高くはないのでどうしても特定の配信に偏ってる感じ。

この辺の、特定の配信だけ見ている人たちの共通点は何かと考えてみると、基本的にシューティング系のゲームをしてる人たちなんですよね。スプラとかWoWsとかAPEXとか。彼ら/彼女たちのゲームプレイ・ゲーム実況が見ていて楽しいから見ている感じ。なのでゲーマー枠というか。この辺は、昔からニコニコでランキングとかからたまにおもしろそうなゲーム動画を見てるのの延長線上でしょうか。WoWsはまさにそれそのもの。久々に見ようとしたらニコニコがすっかり過疎ってしまっていたので、それでも見れるサイトを探していちばん視聴者が多いTwitchにたどりついているのが現状という。

それと、WoWs以外はプレイしたことのないゲームばかりなんですけど、それでも見ててふつーに楽しめてはいるんですよね。スプラもAPEXも最初に見たのはエクスの配信動画からなんですけど、そちらを見ているうちに楽しむためのポイントがわかってきた感じがあって、だんだんとほかの人の動画でも楽しめるようになっていって。そこから開拓が進んでいる感もあります。いってしまえば、自分が見てるVTuberはほとんどこの枠がスタートになってるわけですね。


最近見つけた人はまだどちらに分類されるかわかりませんが、微妙に第三の枠ができつつある可能性を感じているのは、そういう人のなかに日本語以外の言語が母語あるいは母語でなくとも話せる人が2,3人いることによりますね。配信内容といえば配信内容なんですけど、いわば言語学習用枠みたいなのが形成されつつあるのでは的な。年の前半で死んでた外国語の文章を読みたい欲がちょうど第4四半期くらいから復活してきたこともあり、時期的にそれとうまくマッチして、いろいろ見てみたい気になっているところなんですよね。

その筆頭が、前回の記事でも書いたホロライブEnglishのCalliope Moriですね。
https://www.youtube.com/channel/UCL_qhgtOy0dy1Agp8vkySQg

英語話者で日本語も堪能なすごい人。ラッパーだったり二次元面でもゲーム面でもあまりオタク的素養に富んでいなさそうだったり低い声を出すことへのためらいのなさだったりと、これまでなんとなく感じてきたVTuberっぽさ(特に人気の出る女性VTuberっぽさ)をあまり感じない人ではあります。ただしそれはまったく悪い意味ではなくて、VTuberという存在が包含しうる層の広さを象徴する存在になっているように思いますね。VTuberとしての活動にはそれでも真摯に向き合っていたりして、オンリーワンな存在というか。個人的にはそういうところがとても好き。それほど数多く見ているわけではないけれど、特記がないかぎり配信は英語メイン、なのかな? YouTubeで配信のアーカイブを見ながらそれについてるコメントや切り抜きに目を通したりして、いろいろ情報収集中。


そんな感じで、いろんなVTuberの動画を見ているわけですが、自分は基本的に配信をライブで楽しむよりも、アーカイブになってから倍速で視聴しています。

というのも、VTuberの動画を見るようになったにもかかわらず、ライブで見ているとどうにも見ていて恥ずかしく感じてしまうことが多々あるんですよね。VTuberの存在自体を恥ずかしいものと思っているわけではなく、自分でも理由をうまく説明できないんですが、どうしても無理と感じてしまう瞬間がある。でもアーカイブで見ているときにはそういうことはない。なので、割りきった選択として、アーカイブのみで視聴している感じ。ライブ中のコメントやスーパーチャットは送れませんが、できたとしてもたぶんしないだろうなあと思うので。してもメンバー登録くらいかなというところで。アーカイブを残さない配信が微妙に悩みの種ではありますが、これもしかたないとわりきる方向でやっています。

倍速なのは単純に時間の節約ですね。さすがに見ているVTuberの数も増えてきて、全部等速で見ようとすると時間が足りない状態になっているので(さすがに言語学習枠では無理ですけど)。ただ、それにつられてか、自分のしゃべるスピードまで倍速のほうに近くなってきててよくないなと感じている部分もありますが、それはさておき。

まあでも、VTuberの動画以外に、本は本で読みたいところではありますし、というかむしろ本を読みたいほうが自分の趣味としては大きな部分を占めているはずなので、第二の選択肢であるVTuberのほうはやや巻きでの消化になるのもやむなしかなというか。一応、楽しむ分にはそれでもしっかり楽しめているので、それでいいかな的な。

さすがに現状は見れてないアーカイブが10以上たまってる状態がつづいていたりもして、これ以上のフォローの拡大は何かとのトレードオフにならざるをえない気もしますが、そのときはそのときということで。



以上、そんなところで。まとめると、VTuberとの出会いは趣味の幅を広げること、VTuberを楽しむことは気になる人・好ましく感じる人をフォローすること、VTuberの動画の楽しみ方はゲーム実況動画のそれに通じる、一番のお気に入りはにじさんじの英雄、視聴はほかの趣味とバランスとりながら。

そんな感じで、2021年もいろんなVTuberを楽しんでいきたいですね。それでは。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:49| Comment(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月13日

ホロENの情報ってどこ見るのがいいの?

できれば日本語で。



という感じで、ブログを書かなくなってる間にすっかりVtuberの動画を見る人間になっているわけですが、その中で最近気になってるのがホロライブEnglishのMori Calliope(森カリオペ)なんですよ。


そもそも行き着いた経緯としては、たまたまニコニコのランキングにVtuber楽曲大賞2020のTop20動画のまとめ(MV部門のみ)が上がってるのが目に入ったのでまずそれを見て。なかなかいい曲がありそうだったので、楽曲部門のほうも聞いてみるかと、YouTubeのほうでこちらもTop20がまとまってる再生リストがあったので、作業用BGM 代わりにとそれを流していたら、彼女のオリジナル曲である「失礼しますが、RIP♡」が耳に飛びこんできて、それですっかり気に入ってしまったという感じ。ニコニコの動画のほうにも含まれてはいたんですけど、やっぱり最初からフルで聴くと違いますね。



日本語でかわいい声での前口上からはじまったかと思うと、歌詞に入るといきなり低い声での「Fxxk it」が飛び出し、そこから行儀の悪い単語もこみこみで怒涛の英語ラップが展開されていくんだから、もうこれだけでやばい。しかも日本語も堪能な人だから、歌詞が英語日本語入り混じってて、それがラップのリズムに乗せられると、音としてすごく気持ちいいんですよね。この曲に出会った衝撃をひと言で表現するなら、「超クール!」ということになるでしょう。


それが8日前のこと。

で、すごいなこの子、何者なんだ? ということで、彼女のことをいろいろ追いかけてみようかと思ったわけなんですけど、ここでひとつ壁にぶち当たりまして。それがタイトルにも掲げた疑問なんですよ。ホロENのファンって、コメント欄見てて思うに英語話者が中心なんですよね。日本人のファンもいるのは確認できるんだけど、日本語で情報が集まってるところってどこがあるんだろうかという。wikiを見ても公式の紹介以上の情報が全然ないし、どうしたらいいのかというところでストップしてるのが現状なのでした。

直近の配信のアーカイブを2,3個見てみたりもしたんですけど、残念ながら英語のリスニング能力はさっぱりなので、雰囲気以上のことはわからないんですよね。配信の最後の言葉を「PEACE!」でしめるのはいいなと思いましたけど。

英語の情報にまで手を広げればあるところにはあるんだろうなとは思うんですけど、英語は時間がかかるからあまりやりたくないというのが本音なので、まずは日本語の可能性を追い求めてみたいところでして。

とはいえ、自分がこれまで見てきたVtuberの人たちをどういう方法で追ってきたかというと、まずはwikiでという方法が通用したのって、いちばん最初にハマったにじさんじの英雄だけなんですよね。あそこの非公式wikiは記事が充実しすぎてて、そこ見てるだけで数日つぶせるレベルだったけど、あんなにも一か所に情報がまとまってるVtuberってたぶん他にはいませんよね? 他の個人勢の人とかも見るようになって気づかされたはずだったんですけど、Vtuberファン界隈に入りこんだ第一歩目がそれだったせいか強く印象に残ってしまっていたっぽい。

なので、過去を振り返って、同じくにじさんじの英雄を追いかけはじめたときの手法として、wikiと並行してとっていた、切り抜きを見て興味がわけば本配信のアーカイブを見るという方法で行ってみるのがいいのかなと考えているのが昨日今日ぐらいだったり。これを書きながらニコニコとかYouTubeでさっと検索してみた感じ、日本語で字幕もつけてくれながらの切り抜き動画がそれなりにあるっぽいので、この辺の直近のものや再生数の多いところを見てみれば、ある程度は彼女のことがわかってくるかもしれないと期待してみていたり。(それでも切り抜きで全部が全部わかるわけではないので、行間を埋める意味で充実してるwikiがあればありがたかったけれど、まあないものねだりでしかたないとして。)

一応いまのところはそんなつもりで考えてはいるけれど、もしかしたらこれでも期待したほどの情報が得られない可能性もあるので、有識者の方がいれば、何か代替の手段があればご教授いただけるとたいへん助かりますというところ。


それにつけても英語のリスニング能力のほしさよ。@そもそも日本語の聞き取りにも不安がある、A聞き取った英語を頭の中で文字に直してやらないと理解できない能力水準、Bカジュアル・スラング寄りの英語の表現にはなじみがない。あたりの課題が……。これも時間さえかけてやればそれなりに解消できるんだろうけれど、リスニングよりもリーディングが楽しいタイプの人間なので、何と時間をトレードオフするにしても気乗りしないものがあるんですよね。

ともあれ、そんなところで。
ラベル:Vtuber Mori Calliope
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 12:32| Comment(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月03日

A Life on Our Planet

気候変動についての情報は、海外の発信源から得るのがいいのではないいなというか。今の自分のアンテナだと、国内発の情報としてはろくに入ってこないし、入ってきたとしても変にゆがんだ形になってることが多くて、現実味のある感覚がまるでつかめないままになってしまうのが難点に感じるので。まあまずはあっちこっちの主張がまじってない科学系の情報からふれていかないと、いきなり極端な立場になってしまいそうではあるけれど。

それはともかく、ついさっき読み終わった本がこれ。サー・デイビッド・アッテンボロー(David Attenborough)著『A Life on Our Planet』。BBCにて野生の動物や自然にまつわるドキュメンタリーを制作していた人物による、半自伝・半啓発的な気候変動や生物多様性減少の実態、およびその対策について訴える内容。

気候変動に関して、海外発の情報にふれることの何がいいかというと、基本的に視野が広いんですよね。日本にいると、夏が暑くなったくらいでほかにあまり影響を実感することがなかったりするんですけど(これはさすがに自分の視野が狭すぎるのかもしれない)、世界的に見るとあちこちで影響が出てるみたいで。大規模な山火事だったり、北極圏の急速な温暖化だったり。

特に後者は、一部ではもう後戻りのできないくらいにまで温暖化が進行してるかもしれないという意見もあったり。それはあくまで誇張した表現なんでしょうけど、それでもそういう意見を見ていると、急進的な活動家が現れるのもわかる気がする部分はあるというか。現在は、全世界的な地球温暖化は食い止めれるかどうかのまさに瀬戸際にあって、この機会を逃せば、今の若者たちやその子どもたちは、もしかしたらそのせいで命を落としたり住む場所を追われることになるのかもしれない。そんな危機感が共有されているとすれば、一部の人たちが性急な活動に駆り立てられる心理は理解できるものがあるともいえる。

とはいえ、あまり危機感ばかりをあおりすぎると、逆にじゃあもう何をしても無駄なんだと捨て鉢な態度を招きかねない気もするので、もっといい方法があるのではと思うところではあり。具体的には、まずは主義主張の入り混じらない現状の理解を深めていくことが大事だと思うので、科学系のニュースに接するところからはじめていくのはどうかとか考えてみたり。それも、気候変動の情報に偏らない、いろんなサイエンス関連の情報に接するなかで、気候変動に関する研究の進展状況にふれていくのが、中立的な理解の進めかたとしてはいいんじゃないかというか。

それはともかく、この本の内容としては、そうした気候変動の問題とともに、それに付随して起こっている、生物多様性の減少とその対策について。この辺は動物や自然のドキュメンタリーを制作していた著者の経験がフルに活かされた論点でしたね。確かに、地球温暖化の影響を被るのは、人間だけではない。著者がそのキャリアの中で撮影してきたさまざまな生命も、人間社会の営みによって深刻なレベルで数が減ったり増えたりしているとなれば、問題意識を持つのもうなずけるところ。アフリカのサバンナや、アマゾンの熱帯雨林や、サンゴ礁の広がる海の中。あちこちの動物や、虫や魚たちをカメラに収めたときの様子が描かれたと思うと、彼らがみな環境破壊の影響を免れられずにいると知らされれば、持続可能な開発というものへの関心を高められようというもの。

ただ、現在のわれわれの社会の成長は自然を犠牲にすることで成り立っている。経済成長至上主義から脱却すべきだ、なんていわれると、じゃあ前近代に還れとでもいうのかと身構えてしまったりもしたんですが。でも、ここがこの本で面白かったことなんですけど、地球環境保護を訴えていながらも、自然に対して人間が手を加えることは否定しないんですよね。日本人の感覚からすると、「自然との共生」とか「あるがままの姿こそが自然」みたいな考えが思い浮かぶように思うんですけど、この本は自然を自分たちに都合のいいように改変することを否定しないんですよ。生物多様性の維持も、地球温暖化の防止も、その根っこにある問題意識は、そうした社会の営みが持続可能ではないということにあるのであって。持続可能な社会を実現することこそが最大の目的であって、それを達成するために科学の叡智を総動員しようという話がなされている。

それってつまり、現在に至る人間社会の発展の歴史を否定するということではなく、ちょっと軌道修正しようというか、目先を変えようということだと思うんですよね。社会の発展にブレーキをかけたりバックさせたりしたいわけではない。それなら、たぶん、受け入れがたく感じる人はそれほど多くないのではないかと思うんですよね。たとえ急進的な活動家たちには反発する人であったとしても。主義主張の入り混じったゆがんだ情報にばかり接していると、対立する主張のどちらに与するかみたいな話に思えてしまいがちだけど、それほど相容れない問題ではないように思うというか(この辺は自分の情報のアンテナがよくないのかもしれないけど)。

ともあれ、結局のところ人間が自然を支配する感じは産業革命発祥の地を思わせるところであり。一部、西洋の傲慢さを感じる部分もないではないですが、そういう考え方もあるのかと、おおむねでは興味深い内容ではありました。人に勧めたくなる本というわけではありませんが、読んでいて面白い一冊でした。
ラベル:David Attenborough
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:46| Comment(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月28日

The Wizards of Once

The Wizards of Once (The Wizards of Once (1)) - Cowell, Cressida
The Wizards of Once (The Wizards of Once (1)) - Cowell, Cressida

邦題『マジックウッズ戦記』シリーズの第一作。そちらも読みたいと思いながら書店で見かけられずにいるうちに原語のほうを読んでいたの図。(以下、特に邦訳版の訳語を確認せずに書いてるので、まちがいが多々あるかもしれません)。

魔法使いたちの頭領の息子でありながら魔法の使えない男の子ザールと、魔法を忌み嫌う戦士たちの女王の娘でありながら華奢で魔法に興味津々な女の子ウィッシュ。ふたりが出会うことからはじまるファンタジー。

ザールのとんでもない利かん気ぶりにはハラハラさせられたけれど、手の焼ける子ならではの抜け目のなさでピンチを乗り越えてみせる後半の展開は見事だった。まあそれで成長したかというと、そうでもなさそうなのがまたお目付け役に同情したくなるところではあるけれど。一方のウィッシュは、そんな悪ガキ的なザールに翻弄される役回りかと思いきや、こちらも一族の伝統破りの魔法好きに関しては護衛が頭を悩ますほどのマイペースぶりなのでどっちもどっちというか。

親の目から見ればどちらも悩ましい子どもではあるけれど、敵対する相手の世界に触れて感情豊かに動き回る様子は見ていてとても楽しいものがあるんですよね。一触即発な出会いを果たしたふたりが、なりゆきとはいえふたりそれぞれの活躍でピンチを乗り越える。それも、大人たちの知らないところで、自分たちだけの力で危機を乗りきってみせたという展開がおもしかったですね。

いちおうこの一冊で話に区切りはついているといえばついてるけど、シリーズ一作めということもありまだまだいろんな謎が残されてる状態。とても気になるシリーズですね。

特にウィッシュのほう。今回のできごとを通して成長した様子が最後の母王との対面で感じられて。母王から心配な子どもというだけでない、まるで油断のならない子どもとでもいうかのような表情を引き出した瞬間。あれは熱かったですね。ザールとウィッシュの出会いは、魔法使いと戦士というふたつのクランに、確実に変化をもたらしてますね。いまはまだすこし。でもこれがどこまで広がっていくか……。とても楽しみなシリーズになりそうです。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:22| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月16日

レコンキスタの実像 中世後期カスティーリャ・グラナダ間における戦争と平和

何年も積んでたんですが、やっと読めました。
レコンキスタの実像: 中世後期カスティーリャ・グラナダ間における戦争と平和 - 黒田 祐我
レコンキスタの実像: 中世後期カスティーリャ・グラナダ間における戦争と平和 - 黒田 祐我

タイトルが実に簡潔にテーマを説明してくれてますね。中世後期のカスティーリャ・グラナダ間における戦争と平和をめぐる諸活動からレコンキスタの実像を描きだす一冊。たいへんに面白い本でした。

著者も述べているように、そもそもレコンキスタを扱いながら中世後期をメインにした日本語の文献自体が貴重なんですよね。学術誌まではあまり手が出せていないものの、書籍として一般に刊行されているものとしては中世盛期までの記述がメインなものが大半を占めるのが現状でして。というのも、中世後期におけるレコンキスタはどうしてもそれ以前までのダイナミックな展開に欠けるところが否めない。大国と化したカスティーリャ王国に対して、風前の灯火のような小国グラナダ王国が対峙するのみの情勢では、消化試合のように扱われたとしてもしかたのないところ。個人的にも、この時期はいまいち地味で魅力を感じられないなと思っていました。

しかし、本書はそんな中世後期におけるレコンキスタにも興味深い側面があったことを豊富な史料をもとに伝えてくれるたいへん面白い一冊でした。

1246年のハエン協定から1492年のグラナダ陥落までおおよそ250年にもわたる期間、その一見して停滞しているかのようなカスティーリャ・グラナダ間の関係をつぶさに見つめることで浮かび上がってくるものは、キリスト教国家とイスラーム国家が境を接する地域で織り成される、ときに両住民間の宗教的な相違をも超える協力と対立、まさに異教の接する前線地帯で生じる現実なのでして。それが妥協的な産物であれ、必要に応じて生み出されたものであれ、そうした社会のありようこそがレコンキスタの時代の面白さのひとつなのだと思うのですよね。
そしてそれを象徴するのが、本書のテーマのうちのひとつである、カスティーリャとグラナダそれぞれの王宮廷の意向にときに背きながらも最前線地帯で独自に構築される外交関係や相互の協力を前提とした社会慣習などの存在なんですよね。

戦争が起これば真っ先にその影響を被ることを免れない前線地帯においては、戦争を見据えた社会が構築されていかざるをえない。しかし両国間の国境は広大で、そのすべてをカバーしうるリソースはどちらにもない。となれば、不足する資源を確保しようとして略奪は頻繁に発生し、誘拐や殺人などといった暴力的な事件もたびたび起こり、前線地帯では危険と隣り合わせな日常が過ごされることになる。これがエスカレートしていけば、国家間の戦争にも発展していきかねない。

ただし、そうなるともっとも被害を受けるのは前線地帯に生きる人々自身になってしまうのであり。そうした暴力の応酬には一定程度のところで歯止めをかけてやらねばならない。そこで、互いに落としどころを探ったり、ときには独自に休戦協定を締結することさえあったというから驚きで。

キリスト教徒とムスリム、両者、互いに聖戦を行っている敵同士なわけですよ。そうした宗教の相違さえ超えて、前線地帯では協力関係が成立するという。しかも、それを為さしめたのは、宗教対立の時代にあって稀有な寛容の精神であったという学説も提起されているけれど、著者によればそうではなく。むしろそれは、過酷な現実が迫る必要に応じた妥協の精神であったというのであって。現実的というかプラグマティックというか、とにもかくにもこうした社会像はとても面白く映るのですよね。そうした社会像を、豊富な事例をもとに存分に堪能することができて、とても楽しい読書でした。

また、辺境の地グラナダに追いやられたムスリム勢力を、レコンキスタ初期にアストゥリアスの地に追いやられたキリスト教勢力と対比させる記述はなかなかに興味深かったですね。当時のアストゥリアス・後ウマイヤ間も、征服するのはコストにリターンが見合わないからと略奪遠征主体で済ませてよしとされてたんだったかと思いますが、本書のカスティーリャ・グラナダ間も同様のものだったのかなと思うとイメージしやすいものがあって。王国間休戦協定もその略奪的な経済関係の延長線上と言われると納得できるものありましたね。

ただそうなると、それじゃあカトリック両王による「グラナダ戦争」はどうして生じたのかという疑問が浮上してくるところであり。本書では終章にて西欧世界で醸成された反異教の空気感がカスティーリャ王宮廷にまで広まったことによる不寛容な対決姿勢によるものとしていましたが、この点に関してはまだ根拠があいまいでやや疑問が残るように感じました。

ともあれ、異宗教国家が接しあう前線地帯における現実的な戦争と平和の実像を描きだした論説として、たいへんに面白い一冊だったと思います。レコンキスタに興味がある方はぜひ……と言いたいところですが、さすがにレコンキスタの中でも一部のテーマに特化しすぎているかなという気もするので、まず概説的なスペイン史の本でレコンキスタの流れを押さえて、さらに詳しく知りたくなったところで読んでみるのがいいと思います。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:08| Comment(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月01日

私の従僕(1)

私の従僕 1 (アース・スターノベル) - トール, La-na
私の従僕 1 (アース・スターノベル) - トール, La-na

わがままお嬢様と気苦労絶えない従僕の主従関係、素晴らしい。めちゃくちゃ好きなやつだこれ。

好奇心旺盛で、自分のやりたいことをしないと気がすまない気性のお嬢様。大貴族である父親に溺愛されているがゆえに突っぱねれば泣かせてとがめられ、かといってさせたいようにさせていてもなにか粗相があれば罰を下される。とんでもない悪魔のようなお嬢様なのだけど、そんな彼女の願いを(表面上は)すずしい顔で叶えてしまうがゆえに絶大な信頼を寄せられて、次から次へとくり出される無茶ぶりに心中で愚痴りまくってる主人公との関係性がめちゃくちゃおいしい。こういう主従関係の話大好きなんですよ。まあ主人公からすれば「主従関係」というところから勘弁してもらいたい事実になるんでしょうけど。

基本的に主人公視点で語られる話なので、わがままなお嬢様に振り回される苦労性な従僕という構図がベースになってはいるんですよね。でもそれはあくまで一方的な見方であって。同じ視点でもお嬢様のほうから従僕に向けられるキラキラとした信頼を目にしていると、お嬢様側からは、どんな願いだろうと鮮やかな手回しで叶えてくれる、この上なく頼りになる自分だけの従僕という感じで見えているんでしょうね。

この「自分だけの」というところがポイントで。大貴族のお嬢様なので、四六時中だれか従者やお付きの者に囲まれている子ではあるんだけど、それらはすべて、あくまで父や母に仕える人たちなんですよね。基本的にはお嬢様の望みに沿おうとするけれど、危険からは積極的に遠ざけようとするし、家の体面を考えるようやんわりと拒絶されたりもする。いってみれば父と母の管理下に置かれつづけている環境なんですよね。

そんななかで、主人公はどんな願いであれ、お嬢様の願いを拒否したりはしない。それどころか、万難を排して叶えてくれさえする。それが父親の不興を買い、むち打ちの罰を与えられることになろうとも。そうまでして自分ために働いてくれる従僕を、自分だけに仕える忠臣と信じて無邪気な信頼を寄せるようになるのはまったくもって自然な流れでしょう。なんという素晴らしい主従関係か。なんという抱腹もののすれ違いであることか。

いや、うん、主人公視点で語られる物語と、それを通しつつも見えてくるお嬢様から見た主人公と、それらを組み合わせることで浮かび上がってくる客観的なふたりの関係性がいかにもニマニマとほおをゆるませながらながめずにはいられないことといったら。

「『お嬢様、そこは人が乗るような場所ではございません』
『よし、ゴー』
 ゴーじゃないんだよゴーじゃ。
 ハーピーと煙は高い所がお好きというが、貴き方もそうなんだろうか。」(129ページ)

このふたり本当に大好きすぎる。主人公がお嬢様関係で降りかかる危難を思ってドキドキする気持ちは、恋でいいと思います。はい。お嬢様から賜る「栄誉」と書いて「むちうち」と読みます。当然ですね。はい。

この一冊を通して第一章ということで、まだまだつづいていってくれるシリーズだと思います。このふたりの完全にずれていながらも表面上は美しい主従関係ではある関係性を楽しませてもらいたいですね。ふたりいっしょにいろんなできごとを経験していくうちに、表面上だけでなく信頼関係が深まっていっている部分もありますし。そういった展開にも期待を寄せたいですね。1巻発売からやや時間はたっていますが、コミカライズも決定しているようですし、そちらも含めて、2巻を心待ちにしたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 02:43| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする