2017年09月25日

りゅうおうのおしごと!(2)

りゅうおうのおしごと!2 (GA文庫) -
りゅうおうのおしごと!2 (GA文庫) -
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負けることは自分の弱さを突きつけられること。明らかに格上と思っている相手ならば、負けてもしかたないと思うことはできる。けれど実力や年齢などの面で同格や格下と思っていた相手に負けることには言い訳のきかない苦さがある。相手が思っていたより強かった。それもあるかもしれない。でもそれ以上に、自分が弱かったという事実に直面させられる。実力がすべての勝負の世界で、彼我の優劣をはっきりと突きつけられる。これほど残酷な事実はない。しかも敗因に自身の未熟を明確に見てとれてしまえたら。これほど悔しいことはない。悔しくて、情けなくて、涙がこみ上げてきてしまう。

負けるということについて、勝負事の世界に生きる人の心情が真正面から描かれてたでしょうか。主人公の八一からしてみれば、弟子であるあいは究極的には他人ではあるんですけど、行く末楽しみな才能を秘めた弟子ということもあって、本当の家族のように、目に入れても痛くないくらいにべったり可愛がってた弟子の負ける姿というのは、自分のことのように悔しくなってくるものがあって。よくがんばった、惜しかったと、なぐさめてあげたい気持ちにもさせられる。

でも、作中の人物は誰もなぐさめの言葉なんかかけたりしない。あいが弱かったのだと、未熟だったのだと、その事実に正面から向き合わせる。それは目指すべきプロの棋士の世界が勝ち負けがすべての世界だから。負けて、負けて、何度も負けて、それでもめげずに強くなっていけた者だけが上にいける世界だから。そういう意味で、この作品の世界には厳しさがある。

けれど、そんな一時の気休めを、あい自身が望んでいなかった。負けて悔しい。自分の未熟さが悔しい。だから、もっと強くなりたい。自分には何が足りないのかを知りたい。彼女には、ただただ将棋に対する情熱があった。敗北をばねにして立ち上がる強さがあった。

だからこそ、期待してしまうんですよね。愛衣というライバルを得た彼女が、この先どこまでの飛躍を見せてくれるのか。また、あい以上に八一との縁の深い愛衣が、あいとは対照的な棋風の愛衣が持つ可能性についても。

才能ある弟子というのはやはり見ていて期待の膨らむものですね。いやあ白熱した名勝負を見せてもらいました。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 18:20| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月24日

「このライトノベルがすごい!2018」アンケート回答完了

毎年恒例の宝島社による投票企画。自分も1,2時間ほど前に回答を済ませてきました。「好きなライトノベルを投票しよう!!」とは違って、ブログに投票用エントリを残すタイプの投票企画でもないので、もはやいつぶりの投票なのか自分でもわかりませんが、好きラノのときともども、こういう企画に参加できるというのは、それだけで楽しいものがあります。

以下、送信した回答の内容と一部追記。公開する必要はまったくないのですが、ランキングにかすりそうなものがあまりないように思うため、自分の好きな作品を推す機会はきっちり活かすべく、ここに残します。

■文庫部門

1位:左遷も悪くない / 霧島まるは(アルファライト文庫)  2巻感想3巻感想4巻感想
結婚生活を通して生まれ育った家の文化が混ざりあい、新たな一家の雰囲気が生まれていく、あたたかく力強い家族の物語。

2位:お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係 / 梨沙(一迅社文庫アイリス)  感想
ラストの一文まで、文句なしな両片想いの主従譚。  ←某新人賞作品のキャッチコピーのパクリですが……。なかなか汎用性が高いと思います。

3位:なんちゃってシンデレラ / 汐邑雛(ビーズログ文庫)  1巻感想2巻感想3巻感想
アルティリエの変化が周囲の人々をも変えていく、異世界に浸透していく奇跡のような転生(憑依)譚。

4位:恋する救命救急医 / 春原いずみ(X文庫ホワイトハート)  2巻感想
しんどい仕事のしんどさと、心許せる人との交流と、どちらもあってのお仕事ものの面白さ。

5位:裏世界ピクニック / 宮澤伊織(ハヤカワ文庫JA)  感想
コミュ障ぼっちオタクな女の子によるガール・ミーツ・ガールな怪談系百合SF。

■単行本部門

1位:本好きの下剋上 / 香月美夜(TOブックス)  第三部1巻感想第三部2巻感想第三部4巻感想
立場が変わるたびに広がる世界、増える責任、けれどどこまでも相変わらずなマインの暴走・自爆ぶりにほっこりさせられる。

2位:女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします / 帰初心(エンターブレイン)  1巻感想
残念美形な犬人たちの言動に羞恥に染まる表情を隠せないリーゼロッテ(飼い主)の明日はどっちだ!?なドタバタコメディ。
2巻は残念ながら未読。

3位:あなたに捧げる赤い薔薇 / jupiter(アイリスNEO)  感想
自分ひとりの幸せよりも相手のこと、相手の世間体のことを考えずにはいられない。盲目ではいられない貴族の恋のこじれ模様。

4位:自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。 / しき(レジーナブックス)  1巻感想
婚約者の少女のポンコツな言動をほほえましくながめる面白さ。
2巻は未読。

5位:転生の神王妃 / 夢乃咲実(ビーボーイノベルズ)
チベット辺りにモデルを取ったという婚姻形態が面白い世界観。

期間内のライトノベルの読了数は167冊でした。ひと月あたりにすると14冊くらい。

■女性キャラクター部門

1位:ティアナローゼ / いじわる令嬢のゆゆしき事情
虚勢の仮面をかぶったツンデレにして主人公にとっての負けられない恋のライバルでもあり。王女でありながら年頃の少女でもある姿はとてもとてもかわいい。

2位:紙越空魚 / 裏世界ピクニック
相棒にだだっ子めいた感情を発露する姿がとてもかわいいコミュ障ぼっちオタク。

3位:ローゼマイン / 本好きの下剋上
どんな立場になっても忘れない飽くなき本への欲求と、どこかしらでやらかす暴走・自爆ぶりにほっこりさせられる。

■男性キャラクター部門

なし。 女性キャラクター目当てでばかり読んでいるとこうなるの図。

■イラストレーター部門

1位:成瀬あけの
いじわる令嬢のゆゆしき事情 灰かぶり姫の初恋 (角川ビーンズ文庫) - いじわる令嬢のゆゆしき事情 眠り姫の婚約 (角川ビーンズ文庫) -

2位:アオイ冬子
狂王の情愛 (ソーニャ文庫) - 愛しき花嫁に運命の花束を (ハニー文庫) -

3位:由利子
後宮陶華伝 首斬り台の花嫁は謎秘めし器を愛す (コバルト文庫) - 後宮幻華伝 奇奇怪怪なる花嫁は謎めく機巧を踊らす (コバルト文庫) - 後宮樂華伝 血染めの花嫁は妙なる謎を奏でる (コバルト文庫) -
モノクロでも鮮やかな色彩が目に浮かぶような中華風な世界観の衣装がいいですね。

イラストの好みは自分のなかでほとんど言語化されてないため、あまりコメントつけられませんでした。無念。


以上。コメントがやや長めなのは仕様です。簡潔な説明はどうも苦手で……。

レギュレーションについては作品部門が文庫本部門と単行本部門にわかれたこと以外で特に大きな変更点はないかと思いますが、それとは別に、投票先を決めるに際して個人的な縛りを入れてあります。「キャラクター部門およびイラストレーター部門も作品部門と同じ対象期間内から選ぶこと」「対象期間に刊行された巻を読んでいる作品の中から選ぶこと」。このふたつ。

それ以外の部分では特に制限を設けず選んだつもりです。「自分がライトノベルだと思う範囲すべての中から選ぶ」「集計対象外と明言されていようがいいと思う作品があれば選ぶ」といったところを意識しながら。とはいえ後者のほうは、特にこれだというものがなかったので、そのつもりだったと書かなければ読み取れないとは思いますが。

今年の上半期とその前後1か月くらいをのぞいて、読書に集中できていたとは言いがたい一年だったこともあり、今回の投票作品の決定はかなりの部分で個人的な上半期のベストがたたき台になってます。ここ一年で読んだ作品の自分のなかでの好みというと、あの時点からそれほど大きな違いはありません。ですが、あらためてレギュレーションを読んでいるうちに、「ここでは、あなたが“今最も旬で”“今最も面白く”“今最もすごい!”という作品をお訊きしたいと思います」という一文が目に入ってきまして。これを見ているうちに、ただ単に自分の好きな作品を書いて送るのは違うかなと思えてきたというしだい。なので、今回送った回答は、自分なりにその設問にふさわしいと思われる内容を考えたつもりです。どの程度それに応えられているかはわかりませんが。

ともあれ、個人的にはコメントが公開できたのですでに満足してる感もありますが、なにせよ結果発表を楽しみにしたいと思います。


最後に、投票のルールについて気になったこととして、文庫部門と単行本部門がそれぞれ5作品分の枠を埋めることが必須なのかそうでないのかが不明だったことを。例年通りなら必須ではなかったはずと記憶してるんですが、Twitterで編集部公式アカウントが必須だと思っている人の発言をRTしてなんの訂正も行っていないのを見るとその認識を肯定しているとも読めるわけで。必須の条件を満たさない回答はどうなってしまうのかと考えていくと、とにもかくにも5作ずつ記入しておくのが無難かという考えに落ち着いてしまって……。同じ思考に陥った人がどの程度いたかはわかりませんが、枠が足りないというほどにたくさん読んでる人はともかく、枠が余ると感じる人がとにかく手当たりしだいに書いていくことにつながりかねないのではないかと思うしだい。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:58| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月23日

理想のヒモ生活(7)

理想のヒモ生活 7 (ヒーロー文庫) -
理想のヒモ生活 7 (ヒーロー文庫) -

面白い。面白いなあ。このシリーズは善治郎がアウラと離れた場所にいるときほど面白く感じられる。それはひとえに善治郎がアウラを女王として立て、自分は王配として一歩下がった立場であろうとするがゆえ。アウラにとっての国のかじ取りにもっとも好ましく、もっともさしつかえのない行動を選ぶことを旨としているため。王宮では密にやり取りをしながら自分の行動を決めていくことができるものの、ひとたび遠く離れた土地に来てしまえば、現代ほど通信技術の発達していない世界のこと、たとえ緊急事態が発生しても連絡を取りあおうとすればそれこそ日単位での時間がかかってしまう。だからこそ、その場で頭を働かせることが求められる。まだ熟知しているとはいいがたいこの世界の情勢や貴族間の関係の知識を動員し、状況をできるかぎり正確に整理し、アウラがもっとも望むであろう方針(それができないならばもっとも面倒を起こさない方針)を推測し、その方向に事態が推移していくように対処する。そのために頭をフル回転させてなにが最善なのか、それがわからずともとにかくより悪い方向に事態が転がっていかないための策をと考えていく。まるでその場にいないアウラとの駆け引きをしているかのような流れを、様々な人たちの思惑をていねいに追いながら描いてくれるのがとても面白くって。

これが善治郎が最初から王族として主体的に動いている人物なら話は早いんですよ。その場で考えて、それに基づいて行動して。なにはともあれ自分を中心にして対処することができる。けれど、善治郎にとっての行動規範はどこまでも女王アウラの利益のためにというところから発しているのであって。王配としての影響力を発揮することになる場面ではどうしてもそのことに思いをいたさざるをえない。そのうえ困ったときの相談相手も筆頭はアウラでそれ以外はいないといってもいいようなものであって。そんなわけだから、考えられるかぎり考えたうえでいちばんいいと思える方針を選ぶことにしても、本当にこれでいいのかという不安がつきまとう。ましてまだこの世界での外交というか社交というかには経験不足な善治郎が、どの程度その方針通りに事態を転がしていけるかもわからない。想定通りに物事を運ばせることができたところで、どこかにしこりが残るかもしれない。そんな何重もの不安を抱えながらの不測の事件への対処。ハラハラさせられる展開と一件落着の安堵感がいいものでしたね。さすがに百戦錬磨のプジョル将軍を思い通りに動かすことまではできませんでしたが、そんな我の強い将軍に対して角が立たないように手綱を取ってみせた、新婚のルシンダさんは注目に値しますね。あまり自分を前面に出さないようにしているようでしたが、前評判通りの賢女なようで。彼女が内助の功を発揮すればプジョル将軍からもそのうち角が取れていくんだろうかと思ったり。ただまあどちらも頭の回る人なので、タッグを組んで相手に回られると善治郎とアウラとしてはとても困らされることにもなりそうな。とはいえそれはもう少し先の話でしょうか。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 22:28| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年7月の読書まとめ

7月は23冊。前月比では+1。単純に1日多いのでそうなっただけと思える程度の安定したペース。マンガ等もあわせた総合の読了数は45冊。前月比で+10冊なので、こちら方面での読書量が伸びた月だったといえそうで。過去の実績と比べた読書ペースとしてもいい感じなんですが、これでもやっぱり積まれていくペースには負けてしまうのが業の深さを感じさせられるところ。

読了分からの感想ブログ更新が13件というのは、これまでの更新ペース的に多いのか少ないのかはわかりませんが、だいたい読了4冊につき1件というペースなので、それほど紹介できてはいないなというところ。内訳としては小説とマンガの比が10:3。読了数から考えるとマンガのほうをもう少し増やせれたらという気もしてきますが、自分としては小説のほうに重きを置きたいところなので、どちらかというとこの月10件くらいをあまり下回ることがないようにというのを目標にしておくべきではないだろうかと考えてみたり。まあどれだけ面白い作品に出合えるかしだいではあるんですけど。

というかですね、これ前月の読書まとめ記事でも書きましたけど、感想の消化ペースが遅れてきてるのがいちばんやばいんですよ。6月のまとめよりもさらに遅くなってきてて、なんとかしないとなーというところ。1冊読む間に2冊分くらい感想をやっつけるペースが必須なのでは……。

まあそれはさておき、以下、7月読了分からのお気に入り。

[☆☆☆☆]恋する救命救急医 あなたのベッドであたためて  感想
あなたのベッドであたためて 恋する救命救急医 (講談社X文庫) -
ライトノベル(BL)より。自身の失敗に直面したとき、人はそれをどう受け止めるか。失敗への向き合い方と、逆境のつらさを描いた描写がとてもしんどくてよかったです。

[☆☆☆☆]たとえとどかぬ糸だとしても(1)  感想
たとえとどかぬ糸だとしても: 1 (百合姫コミックス) -
マンガより。兄のお嫁さんに恋をしてしまった、報われる未来の見えない片想い百合。あきらめようとしても期待してしまう心にぐるぐる思い悩む女の子はいいものです。

次点として、『本好きの下剋上(3)領主の養女(4)』(感想)を。ダームエルの恋の行方が気になる展開に、とても応援してあげたくなります。
並んで、『あの娘にキスと白百合を(5)』(感想)も。すれ違いからはじまりながらも、お互いのことを最初からほかとは違う特別な人として見ていたふたりの関係がとてもかわいい百合でした。


以上そんなところで。ファンタジー枠でのお気に入りはなし、イチオシは『恋する救命救急医 あなたのベッドであたためて』です。

なんというか、数か月前に比べてお気に入りの基準が厳しくなってきてる気がしますが、この辺はどうしても気分で上下するところではありますので、少なくとも感想書いてブログで紹介してるものはすべて面白い作品ばかりですよということで。

最後に読書メーターの貼り付けを。

7月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:7217
ナイス数:5

後宮幻華伝 奇奇怪怪なる花嫁は謎めく機巧を踊らす (コバルト文庫)後宮幻華伝 奇奇怪怪なる花嫁は謎めく機巧を踊らす (コバルト文庫)
読了日:07月02日 著者:はるおか りの
梔子のなみだ (PASH! ブックス)梔子のなみだ (PASH! ブックス)
読了日:07月04日 著者:水無月
美味しくお召し上がりください、陛下 (ノーチェ文庫)美味しくお召し上がりください、陛下 (ノーチェ文庫)
読了日:07月04日 著者:柊 あまる
テメレア戦記III 黒雲の彼方へテメレア戦記III 黒雲の彼方へ感想
ナポレオンという革命児に、思想的・制度的にドラゴンとの関係が先進的な中国の高貴なるドラゴンによる援助が加わるという、ワクワクさせられる展開。でもそれが敵側のことなので、脅威度の跳ね上がり方が半端ない。意表を突かれてあっという間にやられていく友軍の姿を、なすすべなく見ているほかない無力感。冬将軍に期待するしかないのか……。まだまだ希望はないわけではないというところは見せてくれているので、次はどうなるか。本国イギリスが舞台になっているか、それとも。楽しみですね。
読了日:07月06日 著者:ナオミ ノヴィク
あなたのベッドであたためて 恋する救命救急医 (講談社X文庫)あなたのベッドであたためて 恋する救命救急医 (講談社X文庫)
読了日:07月06日 著者:春原 いずみ,緒田 涼歌
理想のヒモ生活 6 (ヒーロー文庫)理想のヒモ生活 6 (ヒーロー文庫)
読了日:07月10日 著者:渡辺 恒彦
お義兄さまの愛玩 (ソーニャ文庫)お義兄さまの愛玩 (ソーニャ文庫)
読了日:07月11日 著者:桜井さくや
魚舟・獣舟 (光文社文庫)魚舟・獣舟 (光文社文庫)
読了日:07月12日 著者:上田 早夕里
ハーレムアベンジャー 痴女と監獄とエッチな責め苦 (二次元ドリーム文庫)ハーレムアベンジャー 痴女と監獄とエッチな責め苦 (二次元ドリーム文庫)
読了日:07月12日 著者:竹内けん
フェアリーテイル・クロニクル ~空気読まない異世界ライフ~ 6 (MFブックス)フェアリーテイル・クロニクル ~空気読まない異世界ライフ~ 6 (MFブックス)
読了日:07月12日 著者:埴輪星人
おこぼれ姫と円卓の騎士 臣下の役目 (ビーズログ文庫)おこぼれ姫と円卓の騎士 臣下の役目 (ビーズログ文庫)
読了日:07月13日 著者:石田 リンネ
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女IV」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女IV」
読了日:07月14日 著者:香月美夜
メイド花嫁を召し上がれ (CROSS NOVELS)メイド花嫁を召し上がれ (CROSS NOVELS)
読了日:07月17日 著者:真船るのあ
公爵令嬢の嗜み (カドカワBOOKS)公爵令嬢の嗜み (カドカワBOOKS)
読了日:07月18日 著者:澪亜
王太子妃になんてなりたくない!! (メリッサ文庫)王太子妃になんてなりたくない!! (メリッサ文庫)
読了日:07月20日 著者:月神 サキ
左遷も悪くない〈5〉 (アルファライト文庫)左遷も悪くない〈5〉 (アルファライト文庫)
読了日:07月21日 著者:霧島 まるは
The Twistrose KeyThe Twistrose Key
読了日:07月21日 著者:Tone Almhjell
愛しき花嫁に運命の花束を (ハニー文庫)愛しき花嫁に運命の花束を (ハニー文庫)
読了日:07月24日 著者:ゆりの 菜櫻
レジェンド・オブ・イシュリーン (サーガフォレスト)レジェンド・オブ・イシュリーン (サーガフォレスト)
読了日:07月25日 著者:木根楽
竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中 (一迅社文庫アイリス)竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中 (一迅社文庫アイリス)
読了日:07月27日 著者:織川 あさぎ
お姉ちゃんとショータくんと。 〜ナカを良くするHのカンケイ〜 (ぷちぱら文庫 251)お姉ちゃんとショータくんと。 〜ナカを良くするHのカンケイ〜 (ぷちぱら文庫 251)
読了日:07月27日 著者:黒瀧糸由
風の名前 4 (ハヤカワ文庫FT)風の名前 4 (ハヤカワ文庫FT)
読了日:07月27日 著者:パトリック ロスファス
呼び出された殺戮者 (HJ NOVELS)呼び出された殺戮者 (HJ NOVELS)
読了日:07月28日 著者:井戸正善

読書メーター
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 14:53| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月22日

あの娘にキスと白百合を(5)

あの娘にキスと白百合を 5 (コミックアライブ) -
あの娘にキスと白百合を 5 (コミックアライブ) -
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今回のメインは10年近くぶりに再開した幼なじみの女の子ふたりの話。これがとてもかわいかったんですよ。

幼いころにとても仲よくしていたけれどそのことを覚えていない紗和と、久しぶりの再会に喜んだもののそれが自分だけだったことに不機嫌さを隠せないいつきと。そんなすれ違い模様をコメディタッチに描く話も面白かったんですが、個人的にいちばんよかったのは、なんだかんだすれ違いながらも互いが互いを見る視点に最初のころからかかっていた“特別な人”フィルターだったり。

いつきは周りからの評価も美人で異論が出なかったり、モデルのスカウトもかかるくらいにきれいな女の子として描かれてたんですけど、紗和視点で見てるとほころんだ笑顔も眉がつり上がった怒り顔も、常に10割増しくらいのインパクトで感じられて。何気ない表情に目を奪われたり、ふっともれるやわらかな表情にドキッとさせられるのがとてもよくわかるというか。昔のことは覚えてなくても、最初からいつきのことをほかの人とは違う目で見ていたのがうかがえてとてもかわいかったですね。

一方のいつきの視点でも、紗和のことを特別視していて。昔の約束という重要な事柄はあったけれど、それをこれまで大切に思ってきて、なおかつ偶然の再会に運命を感じるほどに喜ぶことができたのは、かつて紗和と過ごした時間をとても大切な思い出として胸に抱いていたからであって。だんだん明らかになってくるいつきの想いのなかで、紗和って、彼女自身の自己認識以上にあこがれのお姉さんみたいになってたんですよね。昔いっしょに遊んだ時間は楽しくて、再会できたならそのときに思い描いた夢のつづきが見られるんだと、その先へと彼女を導いてくれるのがほかのだれでもない紗和なんだと、無邪気に信じきっていられるくらいに。だから、昔のことなんて覚えていないという紗和に怒りを覚えるのはとてもよくわかるし、けれどそれでも紗和のために重ねてきた努力を認めてもらえることにうれしさを覚えてしまうのもわかるところであって。まあなんだかんだいってこの子は昔から紗和のことが好きなんだよねとわかるのがとてもかわいい。紗和自身も気づいていないような紗和のかわいさにも気づけたりしてるのを見てると、いつきも紗和と同じフィルターで相手を見てるんだなというのがよくわかって、たいへんかわいかったです。かわいい。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 17:11| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月21日

たとえとどかぬ糸だとしても(1)

たとえとどかぬ糸だとしても1 (百合姫コミックス) -
たとえとどかぬ糸だとしても1 (百合姫コミックス) -
試し読み(BOOK☆WALKER)

とても……百合です。片想いの切なさがこれでもかと詰まっててとてもいい。つらい、楽しい、百合!

というわけで百合マンガです。お兄さんのお嫁さんを好きになってしまった女の子の話です。もうこの時点で報われる未来が見えませんね。素晴らしい。けれど、だからといってそれなら仕方がないとあきらめがつくかというと、そんな簡単に折り合いがつけられるものではないからぐるぐると不毛な悩みに追いやられてしまうわけで。しかも、お相手の薫瑠さんはというと、ウタががんばってその気持ちを表に出さないようにしていることもあるのだけど、ウタの気持ちに気づいていないどころか、保護者モードで距離を詰めてくるから片想いの身にはたまらないという悪循環。好きになった相手に好きだという気持ちを表すことすら許されない関係。それなのに、気軽に接してくる薫瑠を相手に期待してしまう気持ちは止められない。そして、そんな自分に気づいて自己嫌悪に沈む感情。すごくいいですよ、これ。

特に、そんな想いが高じて脳裏で描いてしまった第5話のウタの夢。お姉さんのように気づかってくれる薫瑠に対して、自分がどれだけあさましい気持ちを抱いているのかと思い知らされるような夢想を不意打ちでつきつけられて、どれほどうしろ向きな思考への追いつめられぶりを痛感させられることか。大切に思う人に対して、自分がどれほど汚らわしい欲望を抱いているのかと思い知らされることか。けれどなにより嫌悪感を募らせずにいられないのは、そんな都合のいい夢を即座に否定することもできない自分自身なのであって。このどうしようもないほどに行き詰ってしまった感情がとても切なくて、とてもいいと思うのですよ。

いやもう本当にどうしようもない。最初から報われる道が見えない恋心。1巻と銘打たれているということはまだまだつづきがあるということなんですけど、どういうところに話を落とし込んでいくことになるのか。あんまり心の底からハッピーになれる結末というのは思いつかないところではありますが、このどうしようもない感じは好きなので、つづきもぜひ楽しみにしたいですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:37| Comment(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月18日

キングキラー・クロニクル(1)風の名前(4)

風の名前 4 (ハヤカワ文庫FT) -
風の名前 4 (ハヤカワ文庫FT) -

ああ、クォートとデナってわりと似たタイプなんだなあ。後ろ盾のないところから、自身の才覚と魅力を頼りにはい上がる糸口をつかんでいこうとしているところ。気を緩めれば路頭に迷い二度と浮かび上がれない暗闇に落ちていってしまいそうなぎりぎりのところになんとかぶら下がっているところ。いまのところクォートのほうが差し迫っている感はあるものの、お互いにあまり失敗していられる猶予はなく、かといって千歳一隅の機会をじっくり待つだけの余裕があるでもなく、少しでも成功に近づくチャンスがあると見るや飛びつかないではいられない。そんな必死な境遇にある者同士、うっすらとシンパシーを感じさせる描写がいいものでして。前回の感想でわりと実話系の話っぽい雰囲気を感じると書いたとおり、デナに惹かれながらも嫌われてしまうのがこわくて、慎重に慎重を期したアプローチによって友人にからかわれるほどの奥手ぶりを発揮しているクォートだけど、それが逆にデナにとってもいやな感じを抱かせない印象になっているのが、このふたりの関係の楽しみなところでもあり。

ともあれ、そんな切羽詰まった必死さとかなりの奥手さを別方面で同時に見せるクォートの、特にその前者において、一番に思うことはローレン師の言葉の的確さですね。クォートって、これまで若さと才能に任せて、とても勝ち気に様々なことに挑戦して、その才覚によってみごと実力を認められてきたんだけど、それだけじゃどうにもならないことってあるわけで。かの師の言葉を受け入れる余裕があればなあと思ってしまう部分があるんですよ。あくまでそんな余裕があれば、ではあるんですけど。ただその意味で、デナとの恋路は図らずもその辺のことに気づくきっかけにもなってくれそうなところであって。次の第一部完結巻でなんらかの転機が訪れるのか、行方が気になりますね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 23:16| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お姉ちゃんとショータくんと。 〜ナカを良くするHのカンケイ〜

エロ作品感想です。お気をつけください。

お姉ちゃんとショータくんと。 〜ナカを良くするHのカンケイ〜 (ぷちぱら文庫 251) -
お姉ちゃんとショータくんと。 〜ナカを良くするHのカンケイ〜 (ぷちぱら文庫 251) -
試し読み(BOOK☆WALKER)(R18注意)

記憶をたどれば原作ゲームの体験版はプレイしたことがあるような……。

ともあれ、タイトルからわかるとおりにおねショタ。弟であるショータくんのことが好きでべったりしてたんだけど、エッチなことができる体になっていたことを知って距離感にとまどうお姉ちゃんと、そんな彼女の背中を押すべくお姉ちゃんにバレるの前提でショータくんに迫る肉食系の女の子たちの話。エッチなことはいけないと思ってはいても、経験豊富なおねえさんたちのやわらかい体を駆使した誘惑に流されてエッチな経験をいっぱいつまされる流れはとてもいい。彼女たちの思惑通りについにふっきれるお姉ちゃんも。きたえられた弟おちんちんに夢中になって、当初のふたりにあきれられるほどに快感を求めることに夢中になっていくお姉ちゃんはとてもエロかったです。

いっぱいいっぱいエッチなことしてたけど、性的な知識のまったくないところに避妊のことまったく伝えず気持ちのいいことばかり教えてこんでたわけで。これ一人もしくは複数人に一大事が起きてたら、ショータくんとんだトラウマを抱えることになったのでは……とか考えるととても興奮しますね?
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:27| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月17日

竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中

竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中 (一迅社文庫アイリス) -
竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中 (一迅社文庫アイリス) -
試し読み(BOOK☆WALKER)

タイトル通りのお気に入りとして、そうとは気づかれないながらも大切にされているというのはしっかりと伝わってくるヒロインの立場の感覚。このふわっとしてくすぐったいような感覚がとてもよかったですね。特に、白の女王をはじめとした竜たちと接するときにそれはよく伝わってきて。基本的に竜が気を許すのは契約を結んだ騎士だけ。そのはずなのに、メリッサならどんな竜を相手にしても騎士の代わりにえさやりなどの世話をすることができる。それもただけがをすることなくという程度ではなく、いっそ歓迎されているかのように。それだけでまるで竜に愛された存在であるかのような印象を抱かされる。それどころか、竜のなかでも特別に高貴な「白の女王」までもが初対面のときから彼女を気に入って特別扱いしてくれているという。それはとりもなおさず、白の女王の騎士であり、この作品のもう一人の主役でもあるヒューバートとの関係によるものだったのですけど、この「女王」の庇護下に置かれているという特別感がよかったんですね。白の女王が守っていた卵が孵化してからの展開なんかもその延長線上で雰囲気を損なうことなく進んでいってくれましたし。楽しい話でした。2巻も発売になったということで、そこではどんな話になっているのかというのも楽しみですね。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 03:44| Comment(0) | ライトノベル・本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月12日

2017年上半期のベスト

好きラノの投票記事でやりたいと書いてたものです。もともとは夏休みの読書の参考になればと考えてたものなんですけど、すでに学生の人たちは夏休みに入ってて、へたするともう半分過ぎてたりもするんでしょうか。うーん、もっと早く読んでいきたい。ともあれ、そんな事情もあって、まだあれこれ読めたら読みたいものはあるんですが、これ以上先延ばしにはできないかということで。

好きラノ時点では、期間内で読む予定の作品で手のつけれていなかったものがあったのに加えて、あちらはライトノベルという枠組みのなかでの選択になるので自分が読む範囲を一部カバーしきれないところがあって、同じくライトノベル読者に向けて紹介したいのに……という作品がもれていってしまうのが惜しまれるところではありまして。年明けにやる一年間で読んだ中でのベストを上げる記事もあるにはありますが、あちらは読んだもの全部のなかから選びたいということで、半期で発売されたもののみに絞る企画はここでやってみてはどうかと思ったしだい。まあそうはいっても、ほとんど好きラノと同じラインナップなんですけど。

内訳としては、少女向けライトノベルが6作と少年向けライトノベルが2作、国内ファンタジーが1作、Web小説が1作となってます。好きラノ記事とかぶるものがほとんどなのと、そちらの紹介はそのまま流用になってる手抜きな紹介ではありますが、よければ見てやってください。

紹介する順番は上からお気に入り順です。(あまりピンとくるものがなくても上のほうのタイトルは目に入れてもらいたいという趣旨)

お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係 / 梨沙  感想
お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係 (一迅社文庫アイリス) -
少女向けライトノベルより。個人的な上半期のイチオシ。両片想いな主従の関係がめちゃくちゃいい。おまけに主人の王女さまは男装の騎士で、従者のほうは女装してもなんとなく似合ってしまうという属性の盛りぶり。そして、従者であるアンバーから主人であるミシェルへと寄せる、口に出しては告げられない想いの丈がひしひしと伝わってくる彼の視点の描写がとてもよくって。一方のミシェルのほうからも、彼の気持ちには気づかずとも秘めた想いが伝わる心のうちがあったりして。ラストまで含めてとても素晴らしい雰囲気。話として一冊できれいにまとまってると思うので、ぜひ。

瀬野家の人々 / ◆fYihcWFZ.c
http://novel18.syosetu.com/n3752dr/(R18注意)
Web小説(ノクターンノベルズ)より。上半期の自分の好みに多大な影響を与えてくれた作品。主人公と、その彼女である義姉と、彼女によく似た容姿の義弟の3人を中心にして、女装・男装ありありで、まぜこぜでエッチなこともしちゃう話。彼女の趣味ではじめさせられた女装のはずが、素質がありすぎてどんどんかわいい女の子になっていくアキちゃん(主人公)が最高にかわいい。異性装作品へのマイブームに火をつけてくれた素晴らしい作品。

いじわる令嬢のゆゆしき事情 眠り姫の婚約 / 九江桜  感想
いじわる令嬢のゆゆしき事情 眠り姫の婚約(角川ビーンズ文庫) -
少女向けライトノベルより。上半期でいちばんかわいいと思う女の子が登場した作品はこれ。この巻で登場するティアナローゼ姫。性格の悪い子かと思えば強がりの裏返しだったり、嫌われているかと思えば懐くと甘えかかるような態度を見せてくれたりと、ギャップがとてもかわいいんですよ。そんな表情を引き出してくれる世話焼きタイプの主人公・イザベラに対してしだいに気を許していきながら、それでも恋においては譲れないからとあらゆる手段を駆使して先んじてみようとしたりもしてみせる、そんな姿がもうかわいくてかわいくて。2巻完結なのが惜しまれる、とてもいいキャラクターのお話でした。

魔導の福音 / 佐藤さくら  感想
魔導の福音 (創元推理文庫) -
国内ファンタジーより。上半期でファンタジー的な面白さをいちばん感じた作品はこれ。社会に根づいた差別を描き、その解消を志向していく物語、とでもいえるでしょうか。前作同様の魔導に対する差別意識を描きつつも、今作の舞台となった社会ではより根本的な無知からの、その状態ではベターな選択としての差別構造を用意し、それによって消されてしまったり、「異常さ」をなかったことにされた人々が立たされる境遇や苦悩について、そんな人たちと浅からぬ縁を持つことになる若き主人公カエンスの視点を通して描きだす。だからこそ、それらがつながって至る結末に希望を抱かされる。シリーズ化ということで、次回の話も楽しみな一作。

左遷も悪くない(4) / 霧島まるは  感想
左遷も悪くない〈4〉 (アルファライト文庫) -
少女向けライトノベル(レーベル的には違うような気もするけど内容的に)より。家庭によってさまざまな環境が生まれる家族の姿。それ自体がひとつの文化圏とも思えるような、それぞれの来歴を持つ別々の家族の一員であった男女が結婚し、新たな家庭を築く。そこで生じる互いの家族らしさの混交模様が素晴らしい本シリーズ。この巻では、互いの家族との交流を通して、厳格な祖父に育てられて特別な思い出の乏しいウリセスの幼少時が鮮やかに色づけられていく。それぞれの来歴を持つ夫婦やその家族の交流があってこその流れが素晴らしい。つくづくファンタジーとしての面白さの可能性を感じさせてくれるシリーズです。

裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル / 宮澤伊織  感想
裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA) -
少年向けライトノベルより。百合ですね。相手にふりまわされてばかりでうんざりする気持ちはあっても、自分以外の人のために目の前から消えられてしまうと、悲しくて怒れてどうしようもなくなってしまう。そんなだだっ子のような気持ちを発露する、元ぼっちな空魚ちゃんのかわいさですよ。)

霊感少女は箱の中 / 甲田学人  感想
霊感少女は箱の中 (電撃文庫) -
少年向けライトノベルより。怪談系としてのこわさもさすがの領域でありながら、それ以上に真相の救いのなさにふるえる一冊。なまじあちこちに消えない傷痕を残しているだけに、それと引き換えに重みを増す十字架がずしっとくる。それがいい。

女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします / 帰初心  感想
女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします -
少女向けライトノベルより。ご主人様にかまってほしくてついやりすぎちゃう残念美形どもな犬人たちの女王さま(飼い主)になった少女リーゼロッテによるツッコミがとまらないお話にとにかく笑う。たまにかっこよくなるからくやしい犬人たちのなかで、安定の駄犬なダシバは癒し。2巻も今月発売予定とのこと。

あなたに捧げる赤い薔薇 / jupiter  感想
あなたに捧げる赤い薔薇 (アイリスNEO) -
少女向けライトノベルより。夫婦でありながら、相手のことを大切に思うからこそ、自分なんかよりふさわしい相手がいるんじゃないかと身を引こうとしてしまう。そんな両片想いじみた夫婦がもどかしくもいとおしい。読後にタイトルを見返して抱ける感慨もひとしおな一冊。これ一冊で話はまとまってると思っていたので、2巻の発売予定情報を見かけて驚いてもいたり。

狂王の情愛 / 富樫聖夜  感想
狂王の情愛 (ソーニャ文庫) -
少女向けライトノベルより。ティーンズラブ作品なのでいちおう注意。幼いころに不遇な生活を強いられたことから、箱庭のような環境での生活になんの疑問も抱くことなく幸せを感じてしまうヒロインはいいですよね。そしてそんなヒロインの心のうちで確かに芽生えていた暗い感情がもれ出てくる場面も。なにに対しても多くを望まないティアリスの、だからこそ王を狂気に駆り立てる、そんな心情の対比がいいものでした。


以上そんなところで。トピックごとにまとめると、

・ファンタジーとして気に入っている作品は『魔導の福音』と『左遷も悪くない』(『女王様、狂犬騎士団を用意しましたので死ぬ気で躾をお願いします』も要素としてはあったでしょうか)。
・鬱ラノベ的に気に入ってる作品として、『霊感少女は箱の中』。
・異性装作品として気に入ってるのが『お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係』『瀬野家の人々』 (『魔導の福音』もジェンダー問題的な側面を描いてくれた作品としてここに含めるのもありでしょうか)。
・恋物語としてのお気に入りは『お嬢様と執事見習いの尋常ならざる関係』と『あなたに捧げる赤い薔薇』(『いじわる令嬢のゆゆしき事情』はラブコメとしても、『狂王の情愛』はややいびつな愛のかたちとして、それぞれ恋愛系のお気に入りではあります)。

気になるものがあれば、ぜひ読んでみてください。
posted by 青山尚之(あおやまたかゆき) at 01:51| Comment(0) | 読書まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする